お風呂は自動運転と追い焚き、どっちが得!?節約のプロが今すぐ実践できる「節ガステク」を伝授!
2022/10/22
この冬は世界的なガス不足が懸念されています。それに伴い、ガス料金の値上げも続いていて、「節ガス」をするかしないかが家計に大きく影響しそうです。そこで、節約アドバイザーの丸山晴美さんに、快適に生活しながら節ガスができるテクニックを聞きました。
なお、今回ご紹介する情報はすべて2022年9月時点の取材情報を基にしています。
監修: 節約アドバイザー 丸山晴美
22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...
みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。
お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。でも経済に関するお金の情報は、ちょっとむずかしいですよね。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「節ガステク」!
家庭でガスの消費量が最も多いのは「給湯」と「ガスコンロ」
下のグラフは、家庭でのエネルギー消費の割合です。家庭で使うエネルギーを用途別に見ると、動力・照明他、給湯、暖房、厨房、冷房の順で使用量が多くなっています。
なかでもガス料金の中で多くを占めるのが、給湯、ガスコンロ、床暖房の順で、特に大きいのがお風呂の給湯と言われています。効果的に節ガスをするには、お風呂とキッチンでのガスの使い方を工夫することがポイント。それぞれの節ガステクをご紹介します。
お風呂1:湯の温度や量の設定をちょっとだけ下げる
気温が下がる冬は、夏に比べて給湯温度を高めにしがちです。しかし、冬は気温とともに水温も低くなるため、設定温度を変えていなくても夏よりガスを多く消費してしまいます。そこで、湯の温度や量の設定を少しだけ控えめにすることで、節ガス効果が期待できます。
例えば、給湯の設定温度を42℃から40℃に変更すると、シャワーのガス代が1日4.8円安くなり、お風呂の設定温度を42℃から40℃に変更することで、4.4円のガス代節約になります(※1)。
湯船に200Lの湯を張ると1日で100.6円かかりますが、180リットルにすると90.5円で、10.1円の節約になります(※2)。
これら全てを行うと1日19.3円、毎日お風呂を使用したとして、年間で7044.5円も節約することができるのです。
ただし、お風呂で風邪をひいては本末転倒。湯の温度も量も寒くない程度に、無理のない範囲で設定しましょう。
お風呂2:お風呂を沸かす、お湯を張るときは「ふた」をする
お風呂を沸かすときやお湯張りをするときは、ふたをすることが大切です。
私は以前、ふたをした場合としなかった場合で、40℃のお湯が2時間でどれくらい温度が下がるか実験したことがあるのですが、ふたをしなかった場合は4.8℃も下がりました (給湯開始時の室温18℃)。しかし、ふたをした場合はたった0.3℃でした。
季節や住環境によっても下がる温度は違いますが、ふたの効果はおわかりいただけるかと思います。
お風呂のふたをしておけば、追い焚きや足し湯の頻度を減らすことができます。お風呂を沸かすときも、ふたをすることで早く沸き、節ガスの効果が期待できます。
お風呂3:時間を空けずに連続で入浴し、自動運転より追い焚き
家族が多い場合は、できるだけ間を空けずに続けて入浴することも重要なポイントです。そうすることで、沸かし直しや追い焚きをしなくて済みます。
どうしても入浴の間隔が空いてしまう場合、お湯の温度が下がると自動的に追い焚きしてお湯の温度を一定に保つ「自動運転」を利用しているお宅が多いのではないでしょうか。しかし、長時間これを利用するとガスの消費量が高くなります。
1時間以上湯舟に入る人がいない場合には自動運転機能をオフにして、必要なタイミングで必要最低限の回数の追い焚きを行う方が節ガスになります。
その際は、いったんフタをしておくことも大切。できれば中にもう一枚、保温シートなどを入れ、湯温が下がらない工夫をするとベターです。
お風呂4:シャワーの使用は最小限に。節水シャワーヘッドがおすすめ
シャワーはダラダラ使わず、髪や体を洗い流す時のみ手早く使うようにしましょう。45℃の湯をシャワーで流す時間を1分間短縮すると、ガス代が月に172.5円、年間で2070円節約できます(※3)。
シャワーヘッドを節水タイプに変えると、水圧が上がって短時間の使用で流し終わるのでおすすめ。節ガスだけでなく節水にもなって一石二鳥です。
手元のボタンでお湯を止められるシャワーヘッドなら手軽にオンオフでき、より節ガス&節水効果が高まります。
キッチン1:鍋はふたをし、鍋からガスの火がはみ出さないように
キッチンでの節ガスは、ガスコンロと給湯が中心です。鍋をコンロにかける際は、できるだけふたをして熱が逃げることを防ぎましょう。そうすることで、ガス使用量を約11%減らすことができます(※4)。
鍋の底からガスコンロの炎がはみ出ると、はみ出た分のエネルギーがムダになります。鍋の底から炎がはみ出さない程度の中火を意識しましょう。
また、熱効率が良いのは、フライパンのように鍋底が広く平らな鍋です。鍋底が濡れていると水滴を乾かすのにもエネルギーを使ってしまうため、底の水気を拭き、コンロに乗せてから点火することもポイントです。
キッチン2:煮込みに使う野菜はレンジで1回火を通す
煮込み料理を作る際は、根菜類など火が通りにくい野菜をレンジで加熱してから入れると、煮る時間を短縮できます。
より節ガスをしたい場合は、鍋を使わずに圧力鍋や保温調理器などで作るのがおすすめ。保温調理器がない場合は、一度煮立ったら鍋を火から下ろし、保温性の高い素材で包んで余熱で調理すると、同じような効果を得ることができます。
キッチン3:キッチンの給湯は38〜40℃に設定を
キッチンの給湯温度も、できるだけ低い温度に設定しましょう。といっても、あまり低いとお皿の油汚れなどが取れず、台所用洗剤や水のムダ遣いにつながります。油をしっかり落とせる38〜40℃くらいが良いでしょう。
給湯器の設定温度を40℃から38℃に下げ、65リットルの水道水で1日2回食器などを手洗いした場合、年間で1430円の節ガスになります(※5)。
なお、風呂場の給湯パネルで「優先」機能が設定されている場合、そこで設定した温度が優先されるため、キッチンの給湯パネルで温度設定が変更できません。変更するには、優先ボタンを押して解除してからキッチンで給湯温度を変更しましょう。
キッチン4:洗い物が多い家庭は食器洗い乾燥機がお得!?
家族が多く洗い物が大量に出る場合は、湯を使って手洗いするより、食器洗い乾燥機の方がお得になります。
お皿を手洗いする場合にかかるのはガス代と水道料金ですが、食器洗い乾燥機の場合は電気代と水道代です。
食器を40℃の湯で手洗いした場合(1日2回)と、食器洗い乾燥機の標準モードで洗った場合(1日2回)を比較すると、食器洗い乾燥機の方が水道代と光熱費(ガス代・電気代)合わせて月に約714円、年間で8570円もお得なのです(※6)。
ただし、食器洗い乾燥機の導入には機器代と、場合によっては工事費などもかかるので注意を。自分の家の場合はどのくらいの節約効果があるかを事前に試算し、検討するようにしましょう。