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やればやるほど生活の質が落ちてしまう「ダメ節約」って何?【節約のプロが解説】

2024/08/17

節約しているのに思うほど貯まらない、節約するのがすごくしんどい……そういう人の中には「ダメ節約」を頑張ってしまっているケースが少なくありません。

「ダメ節約」は、やればやるほど「生活の質」を下げます。節約アドバイザーの丸山晴美さんに「よくあるダメ節約」3つをお聞きしました。

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...

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みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。

お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「やりがちダメ節約」!

ダメ節約1:健康を損なう危険のある極端な節約

家計の中で節約しやすいものの1つが食費です。特に物価が高騰している今は、食費を切り詰めて家計を調整している人は多いのではないでしょうか?

食費の切り詰めが悪いわけではありませんが、中には極端な切り詰めをする人がいます。食事そのものの量を減らしたり、安いインスタント食品などが中心で栄養が偏っていたり……。これでは家計は守れるかもしれませんが、家族の健康を損なってしまいます。

健康を害したら病院代もかかりますし、仕事を休むことになれば収入がマイナスになる場合も。食は健康に直結する部分ですから、まずは栄養バランスを整えることが大事。そのための出費は「必要経費」であり、多少高くなってもよしとすべきところです。

このような、健康を損なう節約は「ダメ節約」の代表です。真夏に電気代を気にして冷房を使わずに熱中症のリスクを上げる、真冬に暖房を我慢して風邪を引くなども同じです。

ダメ節約2:「〜だからお金が貯まらない」という言い訳が多い

以前受けた家計相談に、「子どもが3人いて短時間のパートしかできず、夫の収入も少ない。そのうえ子どもたちが食べ盛りで食費がかかるから、頑張って節約してもお金が貯まらない」というものがありました。

その人はたしかに節電をこまめに行い、水道やシャワーを節水グッズに替えるなど、細かく節約を頑張っていました。しかしその一方で、「子どもたちが観たがるから」と複数の動画配信サービスに入ったり、「夫が好きだから」とお酒を箱買いして好きなだけ消費したりと、ムダもあちこちに見られました。

そして、それらも「家族がそうしたがるから仕方がない」と言うのです。

家計診断をしていると、こういう風にたくさんの「言い訳」をしつつ「だからお金が貯まらないんです」とあきらめている人を多く見ます。でも、本当にそれは「仕方がない」ことでしょうか?

「〜ができないからお金が貯まらない」と言う人は、「木を見て森を見ず」の状態に思います。つまり、細部に気をとられて、物事の全体を見ていないのです。

もう少し視野を広げて家計全体を見直せば、例えば保険料などの固定費で節約できる部分があるかもしれません。服飾費なども節約できる部分があるでしょう。

このように言い訳が多い節約も「ダメな節約」です。見方や思考法を一度変えてみることが大切です。

ダメ節約3:優先順位を考えずにただ節約し、ただ貯める

今は物価が高騰し続け、お金の価値がどんどん下がっています。つまり、同じ1,000円を出しても、買える品物がどんどん減っている状態です。

このような時は、以前にも増して「優先順位」をしっかり考え、「必要な物」を選ぶことが生活を守る上で大切です。

家計のどこを節約し、節約して浮いたお金を何に使うかについても同じです。食費をいくら節約していても、車や住宅費に必要以上にお金をかけていては、お金は貯まりません。

また、少し前までは学資保険に入っておけばある程度安心できましたが、今後は大学進学を考えるならそれだけでは到底足りません。

中・長期のライフイベントを考えずに、節約して浮いたお金を旅行などに使っていては、数年後には貯金を切り崩して対応しなきゃならなくなったり、最悪の場合借入が膨らんで家計が破綻したりすることにもなりかねません。

優先順位を考えない節約も、長い目で見ると「ダメ節約」と言えるでしょう。これからの時代は特に自分や家族にとっての目的と、お金の優先順位をしっかり持つことが大切です。

教えてくれたのは・・・

丸山晴美さん

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て2001年、節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザーなどの資格を取得。身の回りの節約術やライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどを、テレビやラジオ、雑誌、講演などで行なっている。著書は「シングルママの『お金に困らない』本」(徳間書店)、「50代から知っておきたい!年金生活の不安、解消します」(共著)(幻冬舎)、「お金を活かす ハッピーエンディングノート」(東京新聞)など多数。

取材・文/かきの木のりみ

 
 

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