paypay、LINE pay、楽天ペイ…「電子決済」しない主婦は損をする?
2019/03/12
「電子マネー」「電子決済」といった言葉、今やテレビやネットで見聞きしない日はないほど。実は10月の消費税増税と関係しているんですね…。「電子決済」に対応できないと損をするかもしれないという事実をご存知ですか? 「電子決済」とはそもそも何か、どう対応すべきか、節約アドバイザーの丸山晴美さんに解説してもらいます!
監修: 節約アドバイザー 丸山晴美
22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...
みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。
お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。でも経済に関するお金の情報は、ちょっと難しいですよね。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「電子決済」!
消費増税後は「電子決済」じゃないと損?
今年は10月にいよいよ消費税が10%に引き上げられます。これに伴って現在、「5%のポイント還元」をすることが検討されています。
ただしこれには条件があり、個人商店などを中心とした中小の小売店での買い物であること。そして代金を払う際にクレジットカードや「電子マネー」、QRコードなどの「電子決済(キャッシュレス決済)」を行った場合のみです。現金で支払う人は対象外なんです!
詳細は検討中でまだ流動的ですが、増税スタートから20年の東京五輪までの約9カ月間限定で実施される予定です。
なぜ「電子決済」が条件かというと、今政府が「電子決済」の普及を強く推し進めているからなんです。経済産業省の「キャッシュレス・ビジョン」によれば、日本国内のキャッシュレス比率を25年までに40%に、将来的には世界最高水準の80%にまで引き上げる計画なんだとか。ホントにできるんでしょうかね〜。
その背景には、世界的に見て日本の電子決済比率がきわめて低いという実情があります。日本人は現金主義。主婦のみなさまも『目に見えない「電子決済」って危なそう』「節約するなら現金!」というかたも多いのでは?
とはいえ、日本人の決済手段が現金しかないわけじゃありません。総務省の資料によると、日本の総人口一人当たり7.7枚ものカードを持っていて、世界的に見ても多種・多数のカードを保有しています。つまり、「電子決済」をする手段はあるけど使っていない状態なんですね。
でも、来年の東京五輪には多くの外国人旅行者が日本を訪れます。観光庁も訪日外国人旅行者数を20年に4,000万人、30年には6,000万人に増やすべく動き出しており、今や決済方法の改善は国の重要課題なんです。
「電子決済」は現金よりもお得なの?
ここで気になるのは、「電子決済」は私たちにとって現金よりお得なのか、という点ですよね。
「電子決済」の大きな特徴として「利用すると少なからずポイントが付与される」という点があります。例えば1万円の買い物をした場合、現金だと0ポイントですが、クレジットカードで1%付与なら100円分、「電子マネー」で0.5%なら50円分のポイントがつきます。
消費税増税に伴い5%ポイント還元が実施された場合、10,000円の支払いをして、その5%が還元された場合は500ポイントが還元されるということです。これ、決して少なくないですよね〜。
加えて、クレジットカード自体のポイントや「電子マネー」のポイント、お店自体のポイントも同時にたまるケースもあり、ポイントのダブル取り、トリプル取りができてしまうことも!そうすると増税分くらいはペイできてしまうこともあり得ます。小さなポイントも積み重なると侮れませんよ。
私も以前、「電子マネー」が入った携帯電話が手元になくて仕方なく現金で払ったことがあったのですが、ポイントがつかずめちゃくちゃ損した気分になったことがありました。
今、最も注目されている「QRコード決済」ってナニ?
「電子決済」のなかでも最近注目されているのが、QRコードを利用した決済です。
2018年12月に「PayPay(ペイペイ)」が「100億円還元キャンペーン」を行い話題になりましたが、これはQRコードを利用した決済の1つです。ほかにも「LINE Pay(ラインペイ)」「楽天ペイ」「Origami Pay(オリガミペイ)」などがあります。2月にPayPay(ペイペイ)が「第2弾100億円キャンペーン」をスタートしましたが、ほかにもいろいろな会社がキャンペーンを展開しているので、スタートするきっかけにしてみてもいいかもしれません。
QRコード決済は、あらかじめスマホにアプリをダウンロードし、クレジットカードや銀行口座を登録して利用します。決済するときは、店舗が提示するQRコードを読み取る方法と、スマホのアプリに表示されたQRコードを店舗が読み取る方法があって少しややこしいですが、将来的には統一する方向で動いているようです。
QRコード決済はすでに世界中で使われていて、将来的には日本でも主流になるだろうといわれています。
お財布に鍵はかけられませんが、スマホにはロックがかけられますよね。QRコード決済などスマホを使った「電子決済」なら、盗難のリスクも低くなります。スマホで支払いができるので、お財布は家に置いて外出できるのです。
私もちょっとした集まりなどにはもうお財布は持って行きません。最低限の小銭とスマホだけ。お財布に保険証や免許証も入れていますから、大勢が集まるところに持って行くのは本当は怖いことなんですよね。
「電子決済」の3つの基本知識
「電子決済」と一口にいっても種類があり、決済方法によって大きく3つに分かれます。それぞれ特徴やメリット&デメリットが異なるので、まずは基本知識を知っておきましょう。
お金で損をしたくないなら「情報弱者」にならないこと!
日本では「電子決済」、特にQRコード決済はまだ過渡期で、どれがよい悪いといえる段階にはありませんが、今から慣れておくことが大事です。
消費増税に伴って5%還元が実施されるのであれば、10月までに自分が使う「電子決済」を決めて、上手に効率よく使いたいですね。支払い方法や集めたいポイントの種類で決めるのもいいですし、キャンペーン内容を見比べて選ぶのもいいでしょう。
今後も新たなサービスやお得なキャンペーンなどが多数出てくると思われます。そういう情報に敏感になっておくこともとても大切です。
以前ならば、お金が貯まらない人といえば「浪費家」でしたが、現在はそれよりも「情報弱者」のほうが危険!情報弱者ほど得する機会を逃したり、節約できるはずのお金を払ってしまったりすることが多くなります。
あらゆる情報を集めるのはもちろんムリですが、自分が口座を持っている銀行の動きや新たなキャンペーンなど、身近で得られる情報にはできるだけ敏感になりましょう。
取材・文/かきの木のりみ