iDeCoで何を買えばいい?お金のプロが選ぶのはコレ!
2019/02/12
個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」の加入者が、ついに100万人を突破!(※)が、いざ始めてみると「何を買えばいいのか分からない……」という声も。そこで今回は、お金のプロにiDeCoで買う商品の選び方を教えていただきました!
※2018年8月現在。厚生労働省発表資料より
1.今さら聞けないiDeCo基本のき
多くの節税メリットがあり、老後資金の制度として魅力的なiDeCo(イデコ)。「気になってはいるけど、よく分からない……」という人のために、その仕組みや開始方法などをまずはさらっと解説!
「一番わかる確定拠出年金の基本のき 改訂版(100万人が始めてる!老後資金を堅実に貯めるiDeCoが1冊でわかる!)」(スタンダーズ)を執筆した、マネーコンサルタントの頼藤太希さんにお話を伺いました。
iDeCoってそもそもなに?
「iDeCoとは、個人で老後の資産をつくりやすくするために、国が用意した制度。老後に受け取るお金をつくるために、基本的に毎月(※)掛け金として決まった金額を積み立てていく仕組みです」(頼藤さん。以下「」内同)。
ふむふむ。つまり、銀行の自動積み立てのように、毎月一定額をiDeCoに貯蓄するというイメージですね!
では、制度のポイントは?
「老後の資産形成が目的なので、積み立てるお金は60歳まで引き出すことができません。ですから、無理な掛け金は禁物ですが、意思が弱い人でも着実に老後のお金を貯めることができるのがメリット。また、国が後押しする制度なので、税金面での優遇が大きいのが魅力です」。
※2018年1月からは、12月から翌年の11月までの範囲において、複数月分の掛け金をまとめて拠出することが可能になりました。
何がすごいの?
iDeCoは税金の優遇が大きいということですが、具体的にはどんな風にお得なのでしょうか?
「最大の魅力は、掛け金が全額所得控除されること。年末調整や確定申告を行うことで、所得税や住民税が戻ってきて、節税ができます。
例えば、所得税率が10%の人が、毎月2万円ずつ、年間24万円の積み立てを行った場合、所得税で2万4,000円、住民税(一律10%)からも2万4,000円と、合計で約5万円も取り戻せます」
1年で5万円も戻れば、10年で50万円! 老後まで30年あれば、節税だけで150万円も得しちゃうってことですね!
「また、運用中に得た利益は非課税なのも大きい。通常の運用では、仮に10万円の利益が出ても、約20%の税金が取られ、手元には約8万円しか残りません。しかし、非課税のiDeCoなら、丸ごと10万円を受け取ることができるのです。
さらに、将来受け取るときも退職所得控除や公的年金控除が使えるので、とにかく、同じ老後のお金を貯めるならiDeCoが圧倒的に有利と言えます」。
どうやって始めるの?
さっそくiDeCoを始めたい!と思ったあなたが超えなければいけない最初のハードルは、専用の口座を用意すること。
「iDeCoは銀行や信用金庫、証券会社など金融機関を通じて、専用口座を開設する必要があります。金融機関によって、手数料や商品の品ぞろえ、サービスが違うので、慎重に選びましょう。
ポイントは、できるだけ手数料の安い金融機関を選ぶこと。申し込みは、金融機関に資料請求し、本人確認書類とともに必要書類を返送すればOKです」。
手数料が最も安く、運用コストの安い商品が充実していると、頼藤さんオススメの金融機関は次の4つ。いずれもネットで申し込みができるので、どこに住んでいても開設可能です。
・SBI証券
・楽天証券
・マネックス証券
・イオン銀行
「掛け金は、毎月5,000円から1,000円単位で決めることができるので、無理なく始められます。なお、途中で変更もできますが、毎月の上限金額は勤めている会社や自営業など、働き方や会社の年金制度によって違いがあるので、iDeCo公式サイトなどで確認を」
口座開設そのものは、意外と簡単。まずは、資料請求を!
2.運用する商品は、どれがお得?
iDeCoは、掛け金を自分で決めた金融商品で運用する必要があります。
運用できる商品には、「定期預金」「保険」「投資信託」がありますが、ここで何を選べばいいか迷う人が多数。お金のプロの意見は?
「元本保証が欲しいからと、定期預金や保険を選ぶ人も多いのですが、こうした商品はインフレに弱いのがリスク。今後物価が上昇しても、金利はなかなか上がらないため、相対的に資産が目減りすることになります。前述した通り節税の恩恵があるので、銀行に預けるよりはお得ですが、20年後、30年後に今100円のコーヒーが150円になってしまったらどうでしょうか? せっかく長い時間をかけて貯めても、あまり頼れる資産にならない可能性があることを、考慮する必要があります」
でも、投資信託って元本割れするんでしょ?
お金に働いてもらいながら資産を増やすには、投資信託を買うのがオススメと頼藤さん。しかし、投資と聞くと元本割れのリスクを懸念する人も多くいます。
「確かに元本保証はありません。ただ、投資信託は1つの商品の中に、たくさんの株や債券、不動産などが入った商品。これ一つで分散投資ができる上に、毎月、一定金額で買うことで、さらにリスクを分散できます。価格が安い時にはたくさん、高い時には少し買う仕組みになるので、長く買い続けるほど損しにくく、儲けが出やすい、手堅い投資法なんですよ」
つまり、長期で毎月一定額を買うiDeCoの仕組みとぴったり!というわけですね。
ちなみに、貯金と比べてどのぐらい差が出るの?
投資信託を選ぶと、長く買うほど利益が利益を生む複利効果が大きくなるのが魅力と頼藤さん。
月2万円ずつ、30年間積み立てた場合、超低金利の預貯金とどのぐらい違うかを比較してもらいました。
※金額は概算。月複利で計算
その差は、なんと600万円近くにも!ちなみに、3%の運用は決して高望みではなく、投資信託としては十分可能なリターンとのこと。
「ただし、前述した通り、投資商品なので元本保証はありません。長い運用中には、投資した金額より価値が下がってしまう期間も当然あるでしょう。じつは下がった時は、安くたくさん買えるチャンスなのですが、どうしてもショックで耐えられない人には見守ることが難しい。リスクの許容度は人それぞれなので、メリット、デメリットを整理して、自分に合わせた商品選びをすることが重要です」
3.迷ったら、コレ!2大証券会社で選ぶべき投資信託をズバリアドバイス!
iDeCoで最も大きなハードルといっていいのが、商品選び。
特に、投資信託は初心者にとって、「種類も名前もチンプンカンプンで、さっぱりわからない!」という声も。
そこで今回は、人気の証券会社「SBI証券」と「楽天証券」でiDeCoを始めたい人のために、イチオシの商品を聞いてみました!
ほったらかしでOK!迷ったらこれ1本!
SBI証券(セレクトプラン)なら……
eMAXIS Slim(8資産均等型)
楽天証券なら……
セゾン・バンガード・グローバルバランス ファンド
「どちらも“バランス型”と呼ばれる投資信託の商品。これ1つで株や債券、不動産に分散投資が可能で、運用するコストも非常に安いことがオススメする理由です。リターンも3〜6%は期待できます。最初に掛け金をセットしたら、勝手に各資産のバランスを調整してくれるので、ほったらかしで大丈夫です」。
なお、SBI証券のiDeCoには上記の「セレクトプラン」の他に「オリジナルプラン」も。上記商品を選ぶ場合は、セレクトプランを選んで加入するようにしましょう。
初心者はバランス型で始めよう!
iDeCoの始め方は決してむずかしくなく、商品選びも上記のような「バランス型」を選べばラク!
1カ月でも早く始めるほど、その年に所得控除できる金額が増えて、節税メリットが大きくなります。
思い立ったが吉日。始めたい人は、まずは資料請求だけでもアクションを!
■教えてくれたのは…頼藤太希さん
株式会社Money&You代表取締役。マネーコンサルタントとして資産運用や節税など、マネーリテラシリー向上のための講演やセミナー、ラジオ番組で活躍するほか、WEBメディア「FP Cafeé」「Mocha」などを運営。「投資信託 勝ちたいならこの7本!」(河出書房新社)、「一番わかる確定拠出年金iDeCoの基本のき 改訂版(100万人が始めてる!老後資金を堅実に貯めるiDeCoが1冊でわかる!)」(スタンダーズ)、「税制優遇のおいしいいただき方」(きんざい)など著書多数。