あなたの「まとめ買い」は節約?ムダづかい? 自分でチェックする方法

2023/10/07

食費を節約するには「まとめ買い」が基本とよくいわれます。たしかに買い物の回数が少ない分、ムダな出費を抑えることができそうですが、節約術のプロ・丸山晴美さんは「『まとめ買い』すると、逆に余計な出費が多くなっている人が意外といるんです」と言います。
「まとめ買い」がムダな出費につながるパターンと、自分はどうなのかチェックする方法をご紹介します。

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...

>>>節約アドバイザー 丸山晴美の記事をもっと見る

みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。

お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人にわかれます。でも経済に関するお金の情報は、ちょっとむずかしいですよね。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「『まとめ買い』が向く人・向かない人!」

買ったもののなかでやりくりして、ムダを省くのが「まとめ買い」

みなさんは食材をどのように買っていますか?私は仕事がら、家の中で作業することが多く、外に出られない日もあるので、週末に近所のスーパーである程度「まとめ買い」をしています。

多くのスーパーで、日々何らかの商品が特売になっています。毎日買い物に行くと、つい特売品に目がいって、それほど必要がないものでも「安くなっているから」と買ってしまいがちです。すると、消費期限までに使い切れないものも出てきて、結局ムダな出費になることも。
だったら週に1度、必要なものだけを「まとめ買い」して、そのなかでやりくりするほうがムダを減らせます。「まとめ買い」のよさは、まさにそこにあります。

ところが、実は「まとめ買い」はだれにでも合う方法ではないんです。食材の買い方と使い方のパターンによっては、逆に「まとめ買い」でムダな出費が増える場合があります。まずは、「まとめ買い」が向かない人の例をご紹介しましょう。

「まとめ買い」が不向きな人の例1:「まとめ買い」がレジャー化している

「まとめ買い」をする店として、大人気なのが業務用のスーパーです。ジャムひとつとっても、大容量なのに値段はそれほど高くなくて、「コスパを考えたら超お得!」とついつい買ってしまいますよね。

「まとめ買い」がレジャー化しやすいのは、週末に車や電車でちょっと離れた業務用のスーパーや巨大スーパーに行くかたです。こういうかたは、アクセスに時間とお金をかけているので、「せっかくここまで来たんだから手ぶらでは帰れない」「何かお得商品をゲットしないと今日がムダになる」という思考になりがち。そのため、あまり必要のないものまで買い込んで、気づいたら1万円を軽く超えているなんてことにも。会費が必要なスーパーを利用しているかたも、陥りやすいパターンです。

最初から「レジャーだから」と割り切って買い物を楽しむのならこれもアリですが、お金の上手な使い方とはいえませんよね。
それでも、買ったものを上手に使いこなせるならいいでしょう。しかし、業務用商品は何もかもが大容量で、使い方が雑になりがちですし、結局使い切れずに消費期限切れになって捨てるケースが少なくありません。

また、業務用商品は一つ一つが巨大なので、家の中で保管場所を確保するのもひと苦労です。私が家計診断をさせていただいたかたのなかには、業務用のスーパーで買ったもの用に、冷凍庫を新たに購入した人もいました。これでは出費がかさんで本末転倒。近所のスーパーやドラッグストアのセールで買うほうが、ずっと計画的にコスパよく買い物ができるでしょう。

「まとめ買い」でいちばん大切なことは「必要なものだけを買い、買ったものを最後までムダなく使い切る」ことです。必要な量と内容をしっかり判断して、計画的に買うことが節約するコツです。

「まとめ買い」が不向きな人の例2:原材料以外のものばかり買う

手買い手で缶詰野菜のガラス瓶
sergeyryzhov/gettyimages

食費を安く抑えるために「まとめ買い」する場合、肉ならちょっと大きめのパック、野菜ならキャベツ1玉や大根1本など、原材料を中心に買うのが基本です。ただ、買ったあとで小分けにしたり下ごしらえして保存したりと、使い切るまでに手間と工夫が必要。それを避けるために、手間や時間をかけずに使えるカット野菜や、冷凍食品、缶詰などの加工品、お総菜などを多く買うかたがいます。

加工品やお総菜は、原材料よりも価格が割高になります。それを「まとめ買い」していては、逆にコスパがどんどん悪くなってしまいます。こういうかたも「まとめ買い」には不向きのタイプといえるでしょう。
お菓子や飲みものも加工品ですから、これらを多く買うかたも要注意です。

「まとめ買い」が不向きな人の例3:「かも買い」や「ちょいたし買い」が多い

「かも買い」は「ないと困る“かも”」「子どもが食べたがる“かも”」など、いろいろな「かも」を考えて、今必要ではないものまで買い込んでしまうこと。働くママなど、いそがしくてあまり買い物に行けないかたに多いパターンです。

一方、「ちょいたし買い」は「まとめ買い」したあとで、「あれを買い忘れた」などとちょこちょこ買いたしてしまうパターン。本当に必要なものならいいのですが、家に在庫があるのを忘れて買う、仕事帰りにスーパーに寄ったら特売していたから買うでは、「まとめ買い」をする意味がありません。仕事帰りにコンビニやスーパーに寄る習慣のあるママは、自分でも気づかないうちに、これをやってしまっていることがよくあります。

「まとめ買い」が不向きな人の例4:食材の保存&使い回しが苦手

BravissimoS/gettyimages

買い物の方法だけでなく、食材の使い方でも「まとめ買い」に不向きなパターンがあります。それは、小分け保存&冷凍保存の活用が苦手なかたです。

「まとめ買い」した肉や野菜、魚介類はいっきに食べ切るわけではないので、小分けしたり冷凍保存したりする必要があります。食材によって適した保存方法は異なるので、その知識が必要です。
冷凍保存しても、忘れてしまい使わないまま1カ月ほどすぎて、気づいたときには霜がついて捨てざるを得なくなった、冷凍保存を忘れて新たに買ってしまった、なんてことはありませんか?そういうことが多い人は、「まとめ買い」はまだ早いかもしれません。

また、「まとめ買い」は手元にある食材だけでやりくりするので、1つの食材で数種類の料理をつくる、ない食材があってもほかの食材で代用するなど、アレンジ力も求められます。家にあるものだけで数品の料理がつくれない人は、「まとめ買い」は向かないといえるでしょう。
「まとめ買い」は、買ったものを最後までムダなく使い切ってこそ節約になる、という点を見落としがちなので、注意したいところです。

レシートチェックで自分のタイプがわかる!

自分が上手に「まとめ買い」できているかどうかは、レシートをチェックすると見えてきます。週に1度「まとめ買い」をしているなら、1週間分のレシートをすべて取っておいてチェックしましょう。
買ったものを1品ずつ確認し、不要なものまで買っていないか、原材料中心になっているか、加工品やお菓子、飲みものが多くなっていないかなどをチェックします。「かも買い」していないかも思い出しながら確認しましょう。

1回分のレシートが長い人は、原材料以外の買い物が多い場合がよくあります。また、食材を買ったレシートが何枚もあるなら「ちょいたし買い」になってしまっている可能性が大。食材の費用を合計して、予算内に収まっているか確認しましょう。食費が高額の場合は、思い切ってネットスーパーに変えるのも一案です。送料がかかっても、そのほうが安くなる場合もあります。

また、買った食材をちゃんと使い切れているかチェックするには、レシートを冷蔵庫に貼り、使い切った食材をペンで消してみましょう。次の「まとめ買い」までに食材を全部使い切れたか、残っている食材もきちんと保存して、すぐ使える状態になっているかも確認します。

食材の保存や使い切りをきちんとするには、ある程度の料理スキルが必要です。料理はちょっと苦手というかた、料理は勉強中というかたは、買い物を1〜3日に1回程度に増やし、その度に予算を決めて、優先順位の高いものから買うようにしたほうが上手に節約できるでしょう。

「まとめ買い」は食費節約のスタートと思いがちですが、実はいろいろな条件がかみ合って初めて効果が出るもの。生活スタイルや得意なことは人それぞれですから、自分に合った方法を見つけるのが節約への近道です。ぜひ振り返ってチェックしてみましょう。

教えてくれたのは・・・

丸山晴美さん

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て2001年、節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザーなどの資格を取得。身の回りの節約術やライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどを、テレビやラジオ、雑誌、講演などで行なっている。著書は「定年後に必要なお金『新・基本のキ』」(宝島社)など多数。

取材・文/かきの木のりみ

 
 

PICK UP ピックアップ

TOPICS 人気トピックス

RECOMMEND