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子どもへの「お金教育」はいつから、どうやればいい?お金の専門家の「わが家の子どものお金教育法」公開

2021/01/23

子どもへのお金教育、していますか?お金の専門家であり、一児の母でもある節約アドバイザーの丸山晴美さんは、「おこづかいは本当にいいお金の勉強の場。ぜひ小学生のときからおこづかいを効果的に活用してください」と言います。なぜ小さいころからお金教育をしたほうがよいのか、丸山家が実践しているお金教育法とともに紹介します。

なお、今回ご紹介する情報はすべて2020年12月時点の取材情報を基にしています。

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...

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みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。

お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。でも経済に関するお金の情報は、ちょっとむずかしいですよね。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「子どものお金教育」!

おこづかいは「大人になったときのお金のセンス」を磨く重要な下準備

子どもが将来、自分が働いて得たお金でどのようにやりくりし、どんなお金の使い方をしていくかは、子どものころに培ったお金に関する考え方がベースになります。そういう意味で、おこづかいはお金のセンスを磨く重要な下準備になると言えます。

社会的には、今後ますますキャッシュレスが主流になっていくでしょう。でも、私たち親は「現金」世代です。現金のほうが実感を持ちやすく、教えやすいので、まずは現金を通して、お金とはどういうものかを教えていくとよいでしょう。

といっても、親が言葉で説明するだけでは、子どもには身につきません。子どもの「金銭感覚」を育てるには、子ども本人に考えさせることが必要です。
とくに「小さいお金でも積もれば大きいお金になる」こと、「何か欲しいものがあったら貯めて買うことが大事」であること、そして「使ったらなくなる代わりに何かを得ている」ということなどを、子どもが体験を通して理解できるようにしてあげてください。

丸山家のルール「母が用意しておくもの」と「自分のおこづかいで買うもの」とは?

わが家では小学5年生の息子に、毎月1日に1,000円をおこづかいとして渡しています。「勉強や家事はやって当たりまえ」と考えているので、たとえテストでよい点をとっても、お手伝いをしても、それでお金をあげることはしないと決めています。

また、子どもに選択肢を与えてどうするかを自分で決めさせるために、子どもが小学校に入ったときから、以下のルールを設けています。

・お茶、水、牛乳は常備しておくので、それ以外のジュースなどを飲みたいときは自分のおこづかいで買う。
・炊いて小分けしたごはんも常備しておき、希望があればおにぎりもつくるけれど、それ以外のもの、たとえばお菓子やコンビニのお弁当などを食べたいときは自分のおこづかいで買う。

これにより、好きなコーラを毎日買うと、お金がなくなってほかには何も買えないなど、子どもが自分で気づくようになりました。お金の使い方をよく考えるようになり、今ではお金を貯めて好きなゲームソフトを買うなど、お金に対する意識がだんだん変わっていったと感じています。

「貯めて好きなものを買う」を体験させる「シート貯金」

最近は同時に、子どもに「シート貯金」もさせています。
下の、1〜100までのマスがあるシートを子どもに与え、貯金箱に入れたお金と同じ数字を塗りつぶすというものです。

たとえば、ゲームソフトが欲しいと言ったとき、このシートを渡します。
100円を貯金箱に入れたら、子どもが自分で100のマス、もしくはたして100になるマス(51と49など)を塗り潰します。全部のマスを塗りつぶすと、貯金箱に「5,050円」が貯まっている計算になるので、「それで好きなソフトが買えるね」と伝えます。
子どもが貯める方法を考えるきっかけになりますし、「貯めて好きなものを買う」ということを体験させながら教えることができます。

そうやって貯めたお金の使い道に関しては、私は口をはさみませんし、何を買っても文句は言いません。自分が貯めたお金を自由に使う楽しさや、達成感を感じることも大切だと思うからです。お年玉も「好きに使っていいよ」と言っています。

親はこれまでにいろいろな経験をしているので、ついつい先回りして、注意やアドバイスをしてしまいがちですが、それでは子どもの「考える力」や「選ぶ力」を伸ばすことにはなりません。まず子ども自身に考えさせ、決めさせることが大事なのではないでしょうか。

自立心を育てるためにも、子どもとお金の話をしよう

子どもの自立心を育てることは、親の重要な仕事の1つです。自立心には「精神的な自立心」と「経済的な自立心」があり、どちらか1つが欠けても、けっきょくあとで親がたいへんな思いをすることになります。私自身、高齢出産だったので、ずっと子どもの面倒を見続けることはできません。子どもにも日ごろから「面倒を見るのは大学を卒業するまで」と伝え、自立する大切さを伝えています。

おこづかいの金額や、渡し方、使い道など、お金のこととなると、子どもの意見を聞かずに親が決めてしまいがち。でも、自立心を育てるためにも子どもの話を聞き、お互い納得する形で着地点を見つけるのがとても大事だと感じています。
とはいえ、友達に見栄を張りたいために高価なものを買ったり、「友達が持ってるから」という理由で欲しがったりするときには、「そういう理由でお金を使うのは賢い方法かな?本当に自分が欲しいものなのかな?」と投げかけ、いっしょに考えることも大切です。
本当に必要なものは何か、お金はどういうときに使うのがよいのかなど、親自身もよく考えるようにしたいですね。

教えてくれたのは・・・

丸山晴美さん

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て2001年、節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザーなどの資格を取得。身の回りの節約術やライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどを、テレビやラジオ、雑誌、講演などで行なっている。著書は「シングルママのお金に困らない本」(徳間書店)「50代から知っておきたい!年金生活の不安、解消します」(共著)(幻冬舎)など多数。

取材・文/かきの木のりみ

 
 

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