住宅の問題について話すカップル

本当に後悔しないのはどっち?「賃貸住宅」と「住宅購入」 のメリット&デメリット

2021/02/17

賃貸と購入それぞれにかかる住居費総額は、立地や広さなど条件がほぼ同じ物件の場合、大きくは変わらないと言われています。だからこそ、どちらにすべきか悩みますよね。賃貸と購入の両方を経験している節約アドバイザー・丸山晴美さんに、メリットとデメリット、選び方のポイントを聞きました。

なお、今回ご紹介する情報はすべて2021年1月時点の取材情報を元にしています。

みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。

お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。でも経済に関するお金の情報は、ちょっとむずかしいですよね。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「賃貸 vs. 購入」!

【購入のメリット】家が「資産」として残るので老後も安心!

まずは住宅購入のメリットから考えてみましょう。最大のメリットは、何といっても「買った家が資産として残る」点でしょう。

ローン返済が終了すれば、毎月の住居費は大幅に少なくなり、老後を「マイホーム」で暮らせるのは大きな安心です。がんばって貯蓄をして繰り上げ返済をすれば、住宅ローンの総額を減らすことも可能です。

また、購入した時点で、その後に支払う住居費がほぼ確定するため、子どもの教育費や老後の準備など、将来のライフプランが立てやすくなるのもメリットと言えるでしょう。

【購入のデメリット】最初に高額な費用がかかり、トラブルがあっても引っ越しにくい

住宅購入のデメリットは、最初に大きな金額を用意しなければできないところです。購入時の頭金の目安は、物件価格の3割が基本(2割が頭金+諸費用1割)。4,000万円の物件なら1,200万円で、簡単に用意できる金額ではありません。

頭金が少なくても買える物件はありますが、その分、住宅ローンの金額が増え、返済の負担が大きくなります。

毎月支払う金額も、一戸建ての場合は住宅ローンくらいですが、マンションの場合は管理費・修繕積立金の支払いが加わります。マンション・一戸建てともに、固定資産税や都市計画税といった税金も毎年かかります。

また、住宅は老朽化するので、メンテナンスやリフォーム費用も準備しておかないといけません。これは数十万〜数百万円という大きな費用が必要です。

お金以外にも、購入すると御近所トラブルなどがあっても簡単には移動しにくくなる点や、収入が減っても住居費を減らしにくいことなどはデメリットと言えるでしょう。

【賃貸のメリット】ライフステージに合わせて引っ越しできる身軽さ

賃貸住宅を借りる場合に最初に必要な費用は、敷金・礼金・仲介手数料などで、合わせて家賃の4カ月~6カ月分程度が目安。地域によっては2年に1回などの更新料を支払う必要がありますが、それでも購入に比べれば一度に払うお金はかなり小規模ですみます。

そのため、住み替えるのも比較的ラク。ご近所トラブルにあった、家族の人数が増えた、収入が減った、転勤になったなど、状況やライフステージに合わせて移動できる身軽さは、賃貸の大きなメリットと言えます。

【賃貸のデメリット】一生、家賃を支払い続けなければいけない

賃貸のデメリットは「賃料をいくら払っても自分のものにはならない」点。賃貸は一生家賃の支払いが続きます。そのため老後の蓄えとして、生活費だけでなく住居費も用意することが必要となります。

また、現状では高齢者は賃貸住宅を借りにくいことから、老後に住む家がなくなる心配も。高齢化社会は今後ますます進むため、数年後には高齢者向けの住宅の提供が増えると言われていますが、それを利用するにもお金がかかります。賃貸の場合は「老後の生活費」に加え、「老後の住居費」も蓄える必要があり、それを踏まえて老後のプランを立てることが大切です。

どちらを選ぶかは「価値観」「タイミング」「頭金」が決め手

いかがでしたか?お金の面で言えば、購入も賃貸も住まいのための貯蓄が必要で、ただ、それを払うタイミングや方法が異なるだけ。トータルコスト的にはあまり変わりません。

では、どちらを選ぶのがよいのでしょう。私は賃貸と購入の両方を経験していますが、最終的には「価値観」「タイミング」「頭金」が決め手だと感じています。

「価値観」とは、家を持つことや老後の安心感などに価値を感じるかどうか。それよりも好きなところに引っ越しができる身軽さや自由さに価値を感じるなら、賃貸の方が合っていると言えるでしょう。

「タイミング」とは、仕事、結婚、出産などの状況だけでなく、よい物件が見つかるタイミングかどうかも含まれます。住宅は人生で最も高額な買い物ですから、後悔しないものをしっかり選ぶことが大切。個人的な好みだけでなく、お得感のある価格、いわゆる「掘り出し物」かどうか、数年後も資産価値が落ちにくい物件かどうかなどもチェックすることが大切です。

資産価値が落ちにくい物件なら、いざ売りたいときも売りやすく、マイナスになるとしても最小限に抑えられたり、場合によっては利益が出ることもあります。

購入したいと思っても、住宅価格全体が高騰していたりよい物件が見つからないなど、「タイミング」が合わない場合は、購入は待った方が良いでしょう。

ちなみに住宅の資産価値は立地と大きく関係していて、マンションは駅から徒歩5分以内、戸建ての場合は駅から徒歩10分以内が資産価値が落ちにくいと言われています。

そして、もし「タイミング」合って、欲しいときによい物件が見つかっても、「頭金」がなければ購入することはむずかしく、仮にできたとしても、後々住宅ローンが払えないなど苦労することに。ただし、父母や祖父母などから住宅購入用に資金を贈与してもらえるのであれば、一定額までは非課税となる制度があり、それを利用して住宅購入資金を用意することもできるでしょう。

この3点について、自分はいつ、どうしていきたいのかをよく考え、準備することが大切です。

教えてくれたのは・・・

丸山晴美さん

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て2001年、節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザーなどの資格を取得。身の回りの節約術やライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどを、テレビやラジオ、雑誌、講演などで行なっている。著書は「シングルママのお金に困らない本」(徳間書店)、「50代から知っておきたい!年金生活の不安、解消します」(共著)(幻冬舎)など多数。

取材・文/かきの木のりみ

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