セールや特売日をよく利用する人が陥りがちな「ストレス貧乏」って?

2021/03/24

ストレスで衝動買いした、ストレス発散にパーッと遊んだ、なんて経験はありませんか?実はお金を上手に節約するには、「お金のストレス」をためないことも大切なんです。節約アドバイザーの丸山晴美さんに、ストレスとお金の関係について聞きしました。

なお、今回ご紹介する情報はすべて2021年3月時点の取材情報を元にしています。

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...

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みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。

お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。でも経済に関するお金の情報は、ちょっとむずかしいですよね。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「ストレスとお金」!

ストレスがたまりやすいタイプは、手元のお金が残り少なくなったときにわかる

ほとんどの人は、毎月限られた収入の中でやりくりしています。次の収入までには間があるのに、手元のお金が残り少なくなってしまったとき、どう考えて行動するかによって、ストレスのたまり具合が変わります。

たとえば、給料日まで1週間以上あるのに、使えるお金が1万円になったとします。その状況を「まだ1万円もある!」と考え、「○○や○○も買えるから大丈夫!」と思うなら、ストレスはそれほどたまらないでしょう。

一方で、「もう1万円しかない!何もできない!」と考えるなら、その時点ですでに大きなストレスがかかっています。人はこのような状態になると、「お金が入ったら○○を買おう、○○もしよう」という思考になりがちです。いざお金が入るとすぐ使ってしまい、再び残り少なくなってストレスがたまる、という悪循環になりやすいのです。

実は、昔の私がまさにこのタイプでした。

20代の頃の私は「給料が入るとパッと使ってストレスがたまる」の典型でした

20代で収入も少なかった頃、私は給料が入るとまずATMで5万円を引き出して生活費にしていました。それがなくなると次は3万円と、徐々に引き出す額が減り、給料日前には残高5,000円というのがいつものパターンでした。一度など、給料日まで2週間もあるのに5,000円以下になったことがあり、その際は家にこもって通販カタログを眺めては、欲しい商品のページにマークをつけて過ごしていました。

こうなると、次の給料日まではストレスがたまる一方です。「お金がない」こともストレスですし、「お金がないから○○できない」と考えることで、いっそうストレスをため込んでいたのです。

その反動で、給料が入ったとたんに出かけてパーッと散財したり、マークをつけた通販商品を買ったりしていました。そして気づいたら、また残高5,000円というパターンに。

でも、当時の私は「もともと収入が少ないし、一人暮らししてるから仕方がない。お金がないのは環境のせい」と考えていたんです。

「安いから」と言い訳して「必要のない物」を買ってストレス発散

その状況が変わったのは、買い物時のレシートを見直し、自分がムダ買いを多くしていたことに気づいたのがきっかけでした。1カ月分のレシートをチェックしたところ、ムダ買いの合計がなんと3万円に!

そこで、毎月3万円を財形貯蓄に回し、ムダ買いを徹底してやめたんです。さらに、節約にも工夫を重ねたところ、気づいたら毎月10万円の貯金ができるようになっていました。

今振り返ると、「ムダ買いループ」をしていた頃は、大して欲しくもない物、無くてもいい物をしょっちゅう買っていました。「贅沢はできない」と思っていたので、買うのは半額セールなどの安物ばかり。「安い物だからいい」と自分に言い訳し、必要のない物まで買ってストレスを発散していたんです。

でも、本当に欲しい物は手に入っていないので、いくら買っても満足感はありません。ストレスも減るどころか、かえって大きくなるばかり。つまり当時の私は、「お金の使いどころ」を間違えていたんです。

お金は「使いどころ」と「節約どころ」を見極める「メリハリ」が大事

では、「正しいお金の使いどころ」とはなんでしょう。私は「贅沢をするのはOK。でもムダ使いはNG」とお伝えしています。

たとえばあなたが、バッグにこだわりがあるとしましょう。バッグを買うときは、ぜひいちばん欲しいバッグを買ってください。「欲しいバッグは高価だから」と手ごろな値段のバッグで妥協すると、満足できずに、他の手ごろな値段のバッグに手を出してしまいがち。それでもやっぱり一番欲しいバッグがあきらめきれず、本当に欲しいバッグまでにたどり着くまで遠回りしてしまうことはよくあります。これでは昔の私と同じ「ムダ買いループ」です。

こだわりは人それぞれ違いますが、こだわりがあるものはこだわりを持って、そうでないものはそれなりでいいでしょう。つまり、妥協したお金の使い方は、けっきょくストレスをためることにつながります。お金は「使いどころ」と「節約どころ」を見極める「メリハリ」がすごく大事なのです。

これは、週末の過ごし方においても同じです。
最近、レジャーに行く代わりに、家族で大型スーパーやショッピングモールに行き、気づいたら散財していたというパターンのご家庭を多く見かけます。これも「いちばんしたいことの代わりに手頃なことで妥協する」という間違った方法です。毎週末これを続けていたら、お金が貯まるはずはありません。

どのような過ごし方が良いかは、ご家庭によって異なります。例えば、数カ月に1度だけ遊園地など行きたいレジャー先に行き、その他は近所の公園などで楽しむ、という方法もあるでしょう。また、家族で楽しめるスポーツを始めるなど、お金を使わない楽しみを見つけるのも一つの方法です。

お金は限りがあるものだからこそ、満足度の高い買い物、経験に使うことが大切。特にコロナ禍で経済が停滞している今は「お得な物は買って良し」という判断になりがちです。でも、本当に必要な物なのかを、そこでもう一度考えてみることが重要です。

自分がついやってしまいがちな「ムダ買い」をなくし、それで浮いたお金を貯めて本当に欲しい物、やりたいことに使うこと。それが、「ストレスをためずにお金が貯まる循環」につながると思います。

教えてくれたのは・・・

丸山晴美さん

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て2001年、節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザーなどの資格を取得。身の回りの節約術やライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどを、テレビやラジオ、雑誌、講演などで行なっている。著書は「シングルママのお金に困らない本」(徳間書店)、「50代から知っておきたい!年金生活の不安、解消します」(共著)(幻冬舎)など多数。

取材・文/かきの木のりみ

 
 

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