「あればあるだけ使ってしまう」から脱却するための4ステップとは【お金の専門家が解説】
2024/09/28
貯められない人にはいくつかタイプがありますが、その1つが「あればあるだけ使ってしまう」人。ムダ使いはしていないつもりなのに気づくとお金がなく、貯められません。こういう人が、そこから脱却して貯められる人に変わる方法を、節約アドバイザーの丸山晴美さんに聞きしました。
なお、今回ご紹介する情報はすべて2024年8月時点の取材情報を基にしています。
- 「あるだけ使う」脱却ステップ1:買い物を可視化する
- 「あるだけ使う」脱却ステップ2:「貯まる仕組み」をまずつくる
- 「あるだけ使う」脱却ステップ3:予算の中でやりくりする癖をつける
- 「あるだけ使う」脱却ステップ4:目標を設定して達成率を上げる
みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。
お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「あるだけ使うを脱する法」!
「あるだけ使う」脱却ステップ1:買い物を可視化する
気をつけているつもりなのに結果的にあればあるだけ使ってしまう、という人はけっこういます。実は私も昔はそうでした。
そこで、そういう状態から脱する方法を、自身の体験も含めてお話ししたいと思います。
私があればあるだけ使う自分から脱したのは、「お金を貯めて家を買いたい」と思ったことがきっかけでした。そこでまず、普段の出費に着目。買い物のときにレシートを取っておき、その日買ったものを紙に書き留めるようにしました。
1カ月分のメモがたまったところで、必要なものには◯、必要だけど節約の余地があるものには△、買わなくても問題なかったものには×をつけました。
すると、なんと×がついた品物が3万円分もあったんです。つまり、毎月3万円前後はムダ買いをしていたということです。
あるだけ使う人の多くは、ムダなものなど買っていないと思っているでしょう。私もそうでした。でも、実際は違います。紙に書き出すなどして「可視化」することで、客観的に自分のムダに気づくことができます。
また、×が多くついたレシートのお店に注目して、そのお店へできるだけ行かないようにするだけでも、ムダ買いを抑えることができます。
自分自身の消費行動を理解して、ムダな買い物をしないように対策をすることが、貯まる仕組みを作る近道でもあるのです。
「あるだけ使う」脱却ステップ2:「貯まる仕組み」をまずつくる
ムダ買いに気づいた後で私がしたことは、毎月3万円を先取り貯蓄することでした。給料が入る前に天引きで積み立てができる財形貯蓄に申し込みをして、3万円を強制的に積み立て始めたんです。
3万円は初めからなかったものとして生活すると、貯められるようになりました。
あるだけ使っている人の中には「生活費が余ったら貯金しよう」と思っている人が少なくありません。でも、あるだけ使ってしまうので、いつまでたっても貯金はできないという悪循環に陥ります。
そこから脱却するには、先取り貯蓄などで生活の中に「貯まる仕組み」を作ることがカギになるのです。
「あるだけ使う」脱却ステップ3:予算の中でやりくりする癖をつける
毎月3万円の財形貯蓄を始めた私は、当然今までより3万円少ない予算で1カ月を生活しなければならなくなりました。
すると、買い物の仕方が変わりました。買う前に「本当に必要なのか」をよく考えるようになったんです。
例えば、お財布に現金が2,000円あるときと1万円あるとき、同じ買い物ができますか?多くの人は、1万円あるときの方が多く買ってしまうのではないでしょうか。それは、多くお金があると「本当に必要なもの」以外にも手を出してしまうからです。
あるだけ使う人ほど普段から予算をある程度制限して、その中でやりくりするという癖をつけることが大事です。
今はキャッシュレス時代でお金の見えない化が進んでいます。クレジットカードだと使いすぎてしまうという人は、一度現金に戻してみることをおすすめします。
「あるだけ使う」脱却ステップ4:目標を設定して達成率を上げる
あるだけ使ってしまうのは、習慣でありいわば体質化していると言えます。それを断つのはけっこう大変なので、成功させるためには目標があったほうが良いでしょう。
私の場合はそれが「家を買う」でしたが、「おしゃれな車が欲しい」「豪華客船の旅をする」などなんでも良いのです。そのための貯蓄目標額も決め、さらにそれを周囲の人に宣言すれば、目標の達成確率はより高まるでしょう。
ちなみに、現在リボ払いや消費者金融の借り入れなど金利手数料が高い返済がある人は、貯める前にそれら借り入れから優先的に返済しましょう。その際、先に当座の生活資金をある程度確保し、それから借入金を返済します。
いきなり借入金の返済にお金を注ぎ込むと、生活が苦しくなってまた借り入れをする、ということを繰り返してしまいがち。困ったときにすぐ出せるお金を確保してから返済をし、返済が終わったら貯めていくというルートをたどるのがスムーズに進めるポイントです。
取材・文/かきの木のりみ