板の木製の背景にヒマワリの種を皮をむいた。

【管理栄養士監修】気になる「ひまわりの種」のカロリーや炭水化物量とは?食べる際に押さえるべきポイントを紹介

2022/03/25

この記事では「ひまわりの種」のカロリーについて解説していきます。また、ダイエット中などカロリーがとくに気になるときに取り入れたい食べ方などについてもご紹介します。

なお、文中のカロリー値は、テキスト下部に載せた参考データを基にしています(一部、参考データを基に独自計算をしている場合もあります)。

「三鷹駅前たなか糖尿病・内科クリニック」にて管理栄養士として勤務。糖尿病をはじめとした生活習慣病の患者向けに...

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ひまわりの種を食べると太りやすい?

ひまわりの種は、リスやハムスターなどの小動物が主に食べているイメージがあるでしょう。しかし、人間にとっても栄養がたくさん詰まった食材の1つと言えます。

ひまわりの種は、脂質の割合が高いため、食べる量によってはカロリーオーバーになる可能性があります。しかし、食べ方を工夫することで、ダイエット中やカロリーが気になる場合でもおいしく食べられるでしょう。

ひまわりの種1食分のカロリー

ひまわりの種30g(小鉢半分)のカロリーは、183kcalになります。ひまわりの種のカロリーが高い傾向にあるのは、三大栄養素のなかでも脂質の含有量がとくに多いためでしょう。

ひまわりの種30g中には16.89gの脂質が含まれており、これは152.01kcalに相当します。このことから、ひまわりの種全体のカロリーは、大半が脂質由来となっていることがわかります。

ひまわりの種の炭水化物量は?

ひまわりの種30g中に含まれる炭水化物量は、5.16g(20.64kcal相当)です。

炭水化物は「糖質」と「食物繊維」に大別されます。糖質は、身体機能を維持するためのエネルギー源です。一方食物繊維は、腸内環境を整えたり、血糖値の急上昇を抑えるなど、体にとってさまざまなよい効果が知られています。

ひまわりの種30gに含まれる炭水化物の内訳は、糖質が3.09g、食物繊維が2.07gで、糖質のほうが若干多くなっています。糖質はとりすぎた場合、脂肪として体内に蓄積されるため、とくにダイエット中のかたや健康に気を遣っているかたは注意が必要でしょう。

ひまわりの種に含まれる栄養

種には、植物の発芽や成長を促すため、たくさんの栄養が含まれています。ひまわりの種も同様で、アミノ酸や脂肪酸、ビタミンやミネラルなどさまざまな栄養素を含んでいます。

ここからは、ひまわりの種に含まれる栄養素のうち「葉酸」「ビタミンE」「リノール酸」「トリプトファン」「鉄分」「亜鉛」の6つを紹介するため、参考にしてみてください。

葉酸

葉酸は、水溶性ビタミンである「ビタミンB群」の仲間で、ひまわりの種30g中には84㎍の葉酸が含まれています。

葉酸は、ビタミンB12とともに赤血球の生成を促したり、核酸やタンパク質の合成にも関与していることから、体の発育や成長には欠かせないビタミンの1つと言えるでしょう。

葉酸の推奨摂取量は、18歳以上の男女で1日あたり240㎍ほどです。ひまわりの種だけで必要な葉酸を補うのはむずかしいため、葉酸を含むほかの食品と上手に組み合わせ、1日分の推奨摂取量をめざしましょう。

葉酸を多く含む食品としては、あおのり、焼きのりなどの藻類や、鶏や豚などのレバーのほか、ホウレン草、枝豆、アスパラガスなどの野菜類があげられます。

ビタミンE

ビタミンEは、脂溶性ビタミンの1つで、ひまわりの種30g中の含有量は3.6mgです。

非常に強い抗酸化作用を有しており、体を構成する細胞の酸化を防いだり、皮膚の新陳代謝を高めたりする効果もあると言われています。ほかにも血管の健康を維持したり、赤血球が壊されるのを防ぐことが知られています。

ビタミンE不足は、血行を阻害して頭痛や肩こりを引き起こし、抗酸化力の低下からシミやシワ、動脈硬化の原因にもなり得るのです。

ビタミンEの摂取量の目安は、18歳以上の男性で1日あたり6.5mg、女性で6.0mgです。日本人のビタミンEの平均摂取量は1日あたり6.7mgであることから、食事量が少なすぎたりバランスが悪かったりする場合を除き、大体のかたは通常の食事で必要量を補えていると言えるでしょう。

リノール酸

脂肪を構成する脂肪酸は、動物に多く含まれる「飽和脂肪酸」と、植物や魚に多く含まれる「不飽和脂肪酸」に大別されます。リノール酸は不飽和脂肪酸の1種で、体内で合成できず食物から摂取する必要があることから「必須脂肪酸」に分類されています。

リノール酸は、コレステロールや血圧を下げたり、血栓の形成を予防したりするなど、体によいさまざまな効果を有しているのが特徴です。

一方で、リノール酸は、炎症反応を惹起させる「アラキドン酸」の生成を促進することも知られています。リノール酸のとりすぎは、アトピー性皮膚炎や花粉症などの疾患に影響する可能性があるため、注意が必要でしょう。

トリプトファン

トリプトファンは、「必須アミノ酸」の1つです。必須アミノ酸は体内で合成できないため、食事で補っていく必要があります。

トリプトファンは、神経伝達物質である「セロトニン」の原料です。セロトニンは寝つきをよくしたり、神経の興奮を鎮めたりする作用があることから、不足することで睡眠が妨げられる、不安や緊張感が強くなって精神的に不安定になる可能性があります。

トリプトファンには、老化の原因となる「活性酸素」を除去することによるアンチエイジング効果や、集中力や記憶力を高める作用も期待されています。

寝つきが悪い方や生理前にイライラしやすいかたはとくに、トリプトファンが不足しないようにするとよいでしょう。

鉄分

鉄分は赤血球の材料として欠かせないミネラルで、ひまわりの種30g中には1.08mgの鉄分が含まれています。

鉄分が不足することで貧血となり、体内に十分酸素を供給できなくなることが起こり得ます。酸素は、細胞がエネルギーを産生するのに欠かせないことから、鉄分不足は思考や記憶といった脳の機能や、運動機能を低下させる可能性があるのです。

30~49歳の成人における鉄の1日あたりの推奨摂取量は、男性で7.5mgです。女性の場合、ふだんは6.5mgですが、生理のときは10.5mgと鉄分の必要量が増加します。鉄分は、生理の出血で失われてしまうため、食事の量やバランスに注意が必要でしょう。

亜鉛

亜鉛は、体の機能維持に必要なミネラルの1つで、ひまわりの種30g中には1.5mg含まれています。

亜鉛は、タンパク質や核酸の合成に関与しており、骨の成長や体組織の生理機能維持に必須であるほか、味覚や免疫機能の維持にも欠かせません。不足することで、味覚障害や免疫力の低下、認知機能低下などのさまざまな症状が生じる可能性があると言われています。

亜鉛は、ひまわりの種以外では、かきやカタクチイワシなどの魚介類、豚や牛のレバー、焼きのりなどにも多く含まれています。いろいろな食品をバランスよく摂取することで、1日の必要量を補っていきましょう。

ひまわりの種を食べるときのポイント

ヒマワリの種
chengyuzheng/gettyimages

次からは、ひまわりの種を食べるときのポイントについて紹介していきます。ひまわりの種の選び方や食べ方など、いくつか気をつけておきたいポイントがあるため、参考にしてみてください。

殻なしのものを選ぶ

ひまわりの種は、硬い殻に覆われているため、そのままで食べることはむずかしいです。食べるためには殻をむく必要がありますが、その分手間がかかるため、ひまわりの種を食べるのが面倒になってしまうかたもいるでしょう。

ひまわりの種は、殻ありのものと殻なしのものが販売されているため、殻をむく手間を省きたいかたは「殻なし」のタイプを購入するとよいでしょう。逆に早食いで食べ過ぎてしまう。という方には、殻つきをお勧めです。殻を剥く時間があることで、満腹中枢が刺激される時間を確保することができるからです。

加熱しないで食べる

ひまわりの種は、生のままでも、加熱しても、どちらでも食べられます。種を炒めて、塩を振って味つけしてもおいしいですが、ひまわりの種に含まれる「リノール酸」は熱に弱いため、加熱しないで食べるほうがおすすめです。

リノール酸は、加熱することで酸化が進みます。酸化されたリノール酸を大量にとることで、脳卒中やがんなどの誘因となる可能性もあるため、とりすぎは避けたほうがよいでしょう。

食べすぎに注意する

ひまわりの種は、炭水化物や脂質の含有量が多く、カロリーが高い傾向にあります。食べすぎはカロリーオーバーになるだけではなく、腹痛や便通が悪くなるといった弊害が生じる可能性があるため、注意が必要です。

ひまわりの種を食べる際、袋のままからだと食べすぎにつながりやすくなります。小皿に食べる分だけをあらかじめ出すなど、食べ方に注意して、食べすぎを防ぎましょう。

サラダなどにトッピングして食べる

ひまわりの種はそのまま食べてもよいですが、サラダやシリアルなどにトッピングしてもおいしく食べられます。ほかの食材と組み合わせることで、食事の栄養バランスがよくなるのも魅力でしょう。

たとえば、ニンジンには皮膚を健康に保つのに欠かせない「ビタミンA」の元となる「β‐カロテン」が含まれています。

ひまわりの種には、皮膚の新陳代謝を高めがある「ビタミンE」などが含まれているため、ニンジンサラダにひまわりの種を加えることで、美肌効果が期待できるサラダになるでしょう。

ひまわりの種のカロリーや炭水化物量について知り食べ方を工夫しよう!

ひまわりの種は、小さい粒の中にたくさんの栄養が詰まった食材です。おやつやお酒のおつまみとして食べてもよいですが、サラダなどほかの料理に加えることでもよいアクセントになるでしょう。

ひまわりの種は、脂質の割合が高く、食べすぎはカロリーオーバーにつながるため注意が必要です。ひまわりの種のカロリーや炭水化物量、脂質量などを正しく知り、食べ方を工夫していきましょう。

※参考にしたサイト

 
 

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