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食べ続けると痩せ体質に⁉脂っこい食事がやめられないダイエッター必見の食材

2024/01/12

「ダイエットをしたいけれど、つい脂っこいファストフードやスナック菓子に手が伸びてしまう……」とはよく聞く話ですが、我慢する以外に方法はないのでしょうか?

なんと、ある食材を食べ続けると、そんな食の好みが変わる可能性があるのだとか!

管理栄養士と食生活アドバイザーの資格を持つライターのゆかりさんに、脂っこい食事がやめられない仕組みと、ふだんの食事に取り入れるべきおすすめの食材について紹介してもらいます。

管理栄養士、食生活アドバイザー。一女のママで出張料理、料理教室、講演、栄養相談も手掛けるほか、ライターとして...

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なぜ、脂っこいものはやみつきになるのか?

日本のフライドチキン。
KPS/gettyimages

まず、こってりとした脂質の多い食事を好む理由について紹介していきます。

脂質とは、三大栄養素のうちの一つで、1gあたり9kcalのエネルギーに変わる栄養素です。他の炭水化物(糖質)やタンパク質が5kcalであるのに比べ、2倍以上のカロリーを持っています。このことから、脂質はより多くのエネルギーを取り入れることができ、生命を維持していくために体が必要とするものであるともいえます。

また、脂質は体の細胞やホルモンをつくるうえでは欠かせない成分となっています。このほか、体脂肪として体内に蓄えることで内臓を守るクッションの役割を果たしたり、体熱が奪われないように体温を保持することにも役立ちます。

ダイエット中には、高カロリーになりやすく避けられがちな脂質ですが、体にとっては多くの役割があることから本能的に求めてしまうのです。それを裏付けるかのように、最近の研究では基本的な5つの味覚(塩味、甘味、酸味、苦味、うま味)以外にも「脂肪味」を感じる感覚があることが発見されています。

脂肪味は感じ方に個人差が大きく、ふだんから脂質の多い食事を摂る人ほど鈍感になり、脂質の多い食事でないと満足感を得にくくなり、摂りやすくなる傾向があると考えられています。

食の好みに影響を与える食材とは?

ローストライスふすま
noriver/gettyimages

ふだんの食事で脂質を減らすようにし続ければ、少しずつ脂肪味に対しての感度が向上し、脂っこいものを食べ過ぎないようになることが期待できます。しかし、習慣づいてしまった感覚は急に変えられるものではありませんし、そもそも脂っこいものをやめられない人にとっては脂質の少ない食事をすること自体にストレスを感じる可能性が……。

そこで、おすすめなのが「米ぬか」を食事に取り入れること。

米ぬかとは、米を収穫してもみ殻と呼ばれる外側の皮を外すと表に出てくる部分で、玄米の栄養素の9割以上が含まれています。なお、精米する際に出てくる粉末が米ぬかなので、白米に近くなるほど米ぬかが含まれていない状態になっていきます。

米ぬか単体で食用として販売されているものもあり、炒ったものをきなこ感覚で飲み物に混ぜたり料理に振りかけて摂ることができます。

琉球大学の研究によると、米ぬかを食事に取り入れると米ぬかに含まれている「γ(ガンマ)-オリザノール」という成分が脳に作用し、ストレスを抑えて普通脂肪食でも満足できるようになることが報告されています。

また、食の好みの変化以外にも、レプチンというホルモンの効きを高め、満腹感を感じさせやすくして食欲を抑えることも期待できるといわれています。

「米ぬか」にはどんな食べ方があるの?

米ぬかが手に入る場合は、米ぬかをサプリメント感覚で日常的に摂り入れてもいいですが、手に入らない場合は米ぬかが含まれている「玄米」を食べることも有効です。

ただし、玄米には“ぬか臭さ”と呼ばれる特有の臭いがあったり、水に浸ける時間を長くしないとふっくらと炊き上がりにくいことがあります。また、よく噛まないで食べてしまうと消化に負担をかけてしまうため、これらの理由から人によっては食べにくさを感じたりお腹の調子が乱れることもあります。

玄米以外では「玄米甘酒」、「こめ油」、「ぬか漬け」などもおすすめです。

玄米甘酒

出典:Amazon

一般的な甘酒は、米麹と白米と水を発酵させてつくられますが、その白米を玄米に代えると玄米甘酒になります。

麹に含まれている酵素によって、発酵中に玄米がやわらかく消化のよい状態へ変わります。もちろん、玄米を丸ごと使うのでγ-オリザノールも含まれています。

玄米甘酒は、飲み物としてそのまま飲むことができますが、牛乳や豆乳と割って飲むと甘酒特有の香りや甘さを抑え、すっきりとした味わいになります。また、砂糖やみりん代わりに料理に使うことも可能です。粒感が気になる場合は、あらかじめミキサーなどで滑らかにすると使い勝手がよくなります。

ただし、飲料として飲む場合、同じ量の牛乳や豆乳よりも甘酒の方が高カロリーになりやすいので、飲み過ぎには注意しましょう。メーカーによってカロリーに差はありますが、1日200g程度までにしておくと安心です。(目安:日本食品標準成分表における100gあたり甘酒76kcal、牛乳61kcal、豆乳44kcal)

こめ油

出典:Amazon

こめ油とは米ぬかを絞って得られる油で、米ぬか油、米胚芽油、玄米油とも呼ばれることがあります。米ぬか中のγ-オリザノールは、こめ油にも豊富に含まれます。

こめ油は食用油の中でも口当たりがさっぱりとしており、クセがなく、加熱調理をしても酸化しにくい特徴があります。揚げ物に使う油としてや、生でサラダのドレッシングとしてなど、使い方を選びません。

ただし、こめ油も他の食用油とほぼ同じカロリーを含んでいるので、通常の食事にこめ油を追加して摂るのではなく、置き換えて使うことがおすすめです。活動量が中程度の20~50代女性の場合、脂質の摂取量は65g程度までにしておくと安心です。(日本人の脂質摂取目標量:1日摂取カロリーの20~30%)

ぬか漬け

日本の伝統食品、ぬか漬け野菜自家製糠漬け
bonchan/gettyimages

米ぬかの使い道としてよく知られているぬか漬けからも、γ-オリザノールを取り入れることができます。

ぬか床に野菜を短時間漬け込んだ浅漬けよりも、長期的に漬けたぬか漬けほどγ-オリザノールが多く含まれることがわかっています。ただし、ぬか漬け自体に塩分が多く含まれることがあるので、摂取量を増やす目的で食べ過ぎないようにする必要があります。

ぬか漬けの種類によって、100gあたり2~7gほどの塩分が含まれています。ぬか漬けの大きさにもよりますが1切れ10g前後あるので、他の食事と合わせて食べる量はほどほどにしておくのが安心です。(日本人の食塩摂取目標量:男性7.5g未満、女性6.5g未満/いずれも15歳以上の数値)

毎日の食生活に取り入れてみよう!

「米ぬか」に含まれている成分を継続的に摂取することで、脂っこい食事でなくても満足しやすくなることが期待できます。それに伴って脂質の摂り過ぎを抑え、総摂取カロリーを抑えたり、食事の食べ過ぎを抑えることも可能です。

ただし、どんな食材にもいえることですが、単純にこれらの食材の摂取量を多くすればいいというわけではありません。それによって通常の食事が満足にとれなくなってしまうと、栄養バランスが崩れたり体調を崩す原因となりかねません。あくまでも、ふだんの食生活の一部に置き換えたり、負担のない範囲でプラスするなどして活用することをおすすめします。


手に入りやすいもの、好みに合うもの、使いやすいものを考慮して自分に合った食材を選び、日々の生活に「米ぬか」を取り入れてみてはいかがでしょうか?



■執筆/監修・・・

管理栄養士・ゆかりさん

管理栄養士、食生活アドバイザー。一女のママで出張料理、料理教室、講演、栄養相談も手掛けるほか、ライターとしても活動。

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