「マヨネーズ」がないときの代用レシピを検証!おすすめの組み合わせも紹介【管理栄養士が解説】

2022/07/21

レシピをチェックしていざ料理をつくろうとしたところ、必要な調味料が切れていた……なんてこと、だれしも一度は経験があるでしょう。でもその調味料、もしかしたら代用できるかもしれません!

今回ご紹介するのは「マヨネーズ」の代用アイデア。

こってり濃厚な味わいで、サラダに使ったり、ドレッシングやソースに使われ、料理にボリューム感とコクを添えてくれるマヨネーズ。

味付けだけでなく、ふんわりとした食感に仕上げる効果もあるため、卵焼きやオムレツに加えられるなど、幅広い使い方に利用される調味料でもあります。

管理栄養士と食生活アドバイザーの資格を持つライターのゆかりさんに、マヨネーズの代用アイデアをレシピつきで紹介してもらいます。

管理栄養士、食生活アドバイザー。一女のママで出張料理、料理教室、講演、栄養相談も手掛けるほか、ライターとして...

>>>管理栄養士 ゆかりの記事をもっと見る

「マヨネーズ」の原材料は?

使い勝手の良いマヨネーズですが、どのような原材料でつくられているかご存じでしょうか?

一般的には、

・油
・卵(※国内では、卵黄のみを使ったタイプが主流)
・酢
・塩
・香辛料

などでつくられています。

日本農林規格(JAS)のマヨネーズの規定では、そのほかにも

・でんぷん
・砂糖類
・はちみつ
・うま味成分

などが含まれているものも認められています。

マヨネーズの原材料である卵黄には、レシチンという成分が含まれています。その乳化作用によって、油と水分が均一に混ざり合い、トロっとしたクリーム状を保っているのが特徴です。

マヨネーズの代用になる調味料は?

そんなマヨネーズの大さじ1杯(約15g)あたりのカロリーは100kcalもあります。その理由は、なんといっても油の使用量の多さ。全体に占める割合が65%以上でなければ、日本国内ではマヨネーズと呼ぶことはできないのだとか……。

しかし、油を減らし、別の食材を使ってマヨネーズに近いものをつくることもできるんです!そんな代用マヨネーズをつくるための食材の組み合わせは、何通りもあります。

筆者の自宅にあった食材の中で代用マヨネーズに使える食材は、以下の通り。

<ベース食材>
・絹ごし豆腐
・ヨーグルト
・牛乳
・豆乳
・卵黄

<酸味食材>
・調味酢
・ヨーグルト(※)
・酢
・レモン果汁
・マスタード

<油>
・オリーブオイル

<調味料>
・塩
・砂糖

<香辛料>
・こしょう(粉末)
・マスタード(あらびき)(※)

これらの中から、それぞれ組み合わせて代用マヨネーズをつくってみることにしました。

※……それぞれ、複数の役割を果たす食材に該当。

5通りの組み合わせで代用マヨネーズを考案

ここでは、5つのベース食材ごとにそれぞれ酸味食材などの組み合わせを変え、5通りの組み合わせを厳選しました。

括弧内は、実際につくった際の分量(g)となっています。使用量が0.1g未満の食材は計量できないため、少々という表記にしています。

【1】絹ごし豆腐:調味酢:オリーブオイル:塩(10:1:6:0.2)

【2】ヨーグルト:オリーブオイル:塩:砂糖:こしょう(15:2:0.4:0.3:少々)

【3】無調整豆乳:酢:オリーブオイル:塩:こしょう(10:3:4:0.4:少々)

【4】牛乳:レモン果汁:マスタード:油:塩:こしょう(10:1:0.2:4:0.4:少々)

【5】卵黄:酢:レモン果汁:油:塩(4:1.5:0.3:5:0.2)

つくり方は、最初に油以外を混ぜ合わせ、そこへ数回に分けて油を加えながら都度よく混ぜ合わせます。粒感がなくなるまで全体がなめらかになれば、完成としました。

代用マヨネーズ調理時のポイント

・木綿豆腐に比べて大豆の風味が抑えられ、なめらかなペースト状にしやすいことから、絹ごし豆腐を選びました。

・調味酢は、酢に砂糖、塩、レモン果汁などが含まれている商品を利用しました。マリネやピクルスをつくるときにそのまま使用できるタイプです。

・ヨーグルトは時間をかけて水切りせず、容器の中でできるだけ水分を除いて使用しました。

・甘味の付いている調整豆乳を使うこともできそうですが、甘味が強くなることが予想できたため、甘くない無調整豆乳を選びました。

代用マヨネーズが完成!

完成した代用マヨネーズを並べてみました。画像一番左が市販のマヨネーズ、上段その隣から順に【1】【2】【3】、下段左から【4】【5】となっています。

ゆるさがマヨネーズに近いものは【1】

まずは一般的なマヨネーズのように、ある程度形を保つことができるかどうかを比較してみました。

最初は、すべてすり鉢とすりこぎを使用して乳化させたのですが、一部ですぐに油と水分が分離してしまうものも見られたため、それらはブレンダーを使用してより強力に乳化を促進させることに。

すると、短時間でもゆるめのポテッと感が生まれました。そのため、マヨネーズに近いゆるさにしたいのであれば、ブレンダーや電動ホイッパーなどを使って十分に混ぜ合わせることをおすすめします。

今回の検証では、マヨネーズに一番近かったゆるさは【1】という結果に。画像ではわかりにくいですが、【5】が次に近い状態となりました。
そのほかは、いわゆるドレッシングのような、傾けるとゆっくり流れるような状態でした。

味見をした結果……

次に、切った生のキャベツにつけて、本物のマヨネーズと味を比べてみることにしました。マヨネーズは、油をとても多く使用しているわりに、乳化によって舌に直接油が触れにくいことから油っこさを感じにくくなっています。さらに、酸味、塩味のバランスがとれていて、どんな食材にも合わせやすいことが特徴です。

筆者個人の感想としては、それぞれ次のようになりました。

【1】あっさり。オリーブオイルの風味のお陰で、豆腐の大豆感が和らいでいる印象。
【2】クリーミーでコクを感じる。白いフレンチドレッシングのような印象。
【3】ややこってり。どこかバーニャカウダソースのような印象。
【4】酸味や香辛料の存在感あり。個性的な印象。
【5】この中では一番こってり。こんなマヨネーズがありそう。

ということで、味に関しては【5】が一番優れているという結果に。

ただし、個人の好みや、使い方、合わせる料理によっては、【1】~【4】もおいしく食べられると感じました。実際には、マヨネーズ単体だけでなく、他の調味料を合わせて使われることもあるため、そういった使い方であればより違和感なく利用できるのではないでしょうか。

代用マヨネーズの結論

ゆるさは、
【1】絹ごし豆腐:調味酢:オリーブオイル:塩

味わいは、
【5】卵黄:酢:レモン果汁:塩:油

が一番という結果になりました。

なお、紹介したレシピにつきましては、事前に予定していた油の使用量の、いずれも1/3ほどに減らしてつくっていることお断りしておきます。理由としては、せっかく自作するのであればヘルシーにしたい、と考えたためです。

このことから、よりマヨネーズに近づけたいのであれば、提示した分量の3倍以上を目安に油を増やしてつくることをおすすめします(油の重量比65%以上がマヨネーズの基準のところ、今回は最大で40%ほどになっています)。

乳化がうまくできている目安は、口にしたときに油っぽさが感じにくいこと。本来のマヨネーズは2/3が油で占められているにも関わらず、ギトギト感が少なめなことも乳化が決め手なのです。

代用マヨネーズの楽しみ方は?

今回の検証では【5】のレシピがイチオシの代用マヨネーズという結果になりましたが、それ以外の組み合わせについても、ドレッシングやソースにするのであれば十分実用に耐えうるものです。

筆者おすすめの利用法は、刻んで塩もみしたキャベツなどの野菜と代用マヨネーズを和えてなじませたコールスローサラダ。以前から、筆者が何度も豆腐を使ったマヨネーズ風のものを使ってつくっていたこともあり、簡単でたっぷりの野菜をおいしく食べるお気に入り料理でもあります。

なお、卵を使った代用マヨネーズをつくる場合、卵を生食することになるため、食中毒予防の観点から必ず冷蔵した賞味期限内のものを使用してください。また、割ってからしばらく置いておいたものも安全とはいえないため、調理直前で割ること、余った代用マヨネーズはその日のうちに使い切ってしまうこと、なども安心して食べる上で覚えておいてくださいね。

代用マヨネーズでは、使いたい量に合わせてつくる分量を調整できますので、つくり置きではなくつくりたてのものを毎回楽しみましょう。

マヨネーズがないときはもちろん、油の使用量を調整してお好みの代用マヨネーズをつくってみてはいかがでしょうか。

■執筆/監修・・・

管理栄養士・ゆかりさん

管理栄養士、食生活アドバイザー。一女のママで出張料理、料理教室、講演、栄養相談も手掛けるほか、ライターとしても活動。

 
 

PICK UP ピックアップ

TOPICS 人気トピックス

RECOMMEND