【水まわりは要注意】ハウスクリーニングのプロも依頼を断る汚れって、どんな汚れ?
2024/10/21
ハウスクリーニングのプロが依頼を断るような汚れってあるのでしょうか。
そこで今回は、長年ハウスクリーニングの仕事に従事している掃除のプロ、土井恵子さんに聞いてみました。「基本的にプロが汚れのひどさを理由に依頼を断ることはありません。ただし、お客さんが汚れだと思っているものが実は汚れではない場合、断ることがあります」とのこと。
汚れのように思っていても汚れではないとはどういうケースでしょうか。これまで土井さんが体験した例を話してもらいました。
バスルームの壁やバスタブの変色
「バスタブやバスルームの汚れは、たいてい水垢やカビだったりしますが、変色したものは汚れでないので、元には戻せないんです」と土井さん。
水垢やカビならば、専用の洗剤などを使って落とすことができますが、変色してしまったものはもとに戻せないようです。
「バスルームでタバコを吸う人がいるような場合、バスタブや壁が変色していてもとに戻らないことがあるので、事前にお客様に伝えます」とのこと。タバコ以外にも入浴剤などが原因で変色する場合があり、これももとには戻りづらいそうです。
バスルーム以外でもタバコによる汚れは取れないことが多いとのこと。
「程度にもよりますが、いったん変色してしまったら、取り除くのはかなり困難です」。
また、破損が汚れに見える場合もあるんだとか。たとえば、床材が剥がれてしまい、汚れのように見えている場合もあるので、こういった場合もお客さんに説明し、理解してもらうのだそうです。
パッキンやコーキングに発生したカビ
コーキングやパッキンとは壁と壁の隙間を埋める充填剤のことです。水まわりなどによく使われています。このコーキングやパッキンにカビが発生すると、除去するのは大変だそうです。
「無理にカビを除去しようとすると、コーキングやパッキンそのものを壊してしまうことがあるんです。なので、こういった場合も、作業前にお客様に説明します」。
つまり汚れを取ろうとするなら、コーキングやパッキンそのものを交換したほうがいいということ。ちなみにこれらの交換は掃除業者ではなく、内装工事を行う人に頼んでくださいとのことです。
バスルームの石化した汚れ
バスルームの入り口のドアなどで見かけるカルキ汚れが白く固まったものを石化といいます。場合によっては黒くなっているものもありますが、汚れの程度によっては断るのだそうです。
「軽いものなら洗剤などで除去できるのですが、重度のものになると、場合によってはその下の塗装や部材などもいっしょに剥がれてしまうおそれがあります」と。
下手に掃除するよりもパーツごと交換したほうがいいこともあるようです。そうなる前に、バスルームなどはこまめに掃除しましょう。
まとめ:業者NGにならないためにもこまめな掃除を!
ハウスクリーニングのプロが断る汚れといえば、部屋そのものがゴミに埋まっているゴミ屋敷のような場合を想像するかもしれませんが、これは引き受けるところも多いと土井さんは言います。
「たいていの業者は別料金というか、通常よりも多めの金額で引き受けるところも多いそうです。実際そういう依頼はけっこうあります」とのこと。
土井さんによれば、こういった業者にも断られるほどの汚れがつかないようにするためにはこまめに掃除をすることと、室内でタバコを吸わないことだそうです。
◆教えてくれたのは・・・土井恵子さん
アパートやマンションの原状回復工事、在宅ハウスクリーニングを請け負う会社に長年勤務したのち独立。現在はフリーでハウスクリーニングの業務に携わっている。
◆執筆・・・増田剛己さん
WEBや雑誌などで散歩関係の記事を書いているフリーライター。主な著書に『歩考力』(ナショナル出版)、『思考・発想にパソコンを使うな』(幻冬舎新書)などがある。