【旬食材】甘い長ネギは「メリハリ」に注目!失敗せず選ぶコツを野菜ソムリエが解説
2023/12/26
厳しい寒さのなかで甘みを増しておいしくなる長ネギ。
「白ネギ」や「根深ネギ」とも呼ばれ、もともとは関東中心に生産・消費されていましたが、今では全国的に親しまれている冬野菜の代表格です。
せっかく旬の時期に買うなら、できるだけ甘くておいしいものを選びたいですよね。
今回は、野菜ソムリエ・食育インストラクター・気象予報士として活躍する植松愛実さんに、長ネギ選びのコツを教えてもらいます。
緑と白の「メリハリ」に注目
長ネギの白い部分は、収穫までの間に土に埋まっていた部分です。そう思うと、かなりの部分が地中で育っているのですね。
そして緑色の部分だけが地上に出ていた部分ということになりますが、この白い部分と緑色の部分との境い目がくっきりしているものがおすすめ。
というのも、長ネギは通常、成長とともに地上部分が長くなっていくためくり返し盛り土をして、白い部分の比率が少なくなってしまわないように育てられています。
そのため、白と緑の「メリハリ」がはっきりしている長ネギは丁寧に育てられていて、甘みや旨みがしっかりしている場合が多いのです。
重要な鮮度は葉先で確認!
せっかくよい状態で成長した長ネギでも、鮮度が落ちてしまったらやはり味が落ちてしまいます。
そのため鮮度チェックは重要。
長ネギは時間が経つと葉先からだんだん傷み始めるので、鮮度は葉先を見るとよくわかります。
葉の先端までピンとして鮮やかな緑色のものがおすすめ。
葉の途中で色が黄色っぽくなってしまっていたり、葉の切り口が完全に乾ききってしまっているものは避けましょう。
曲がっているのは何の証拠?
きゅうりやナスなど、食べる部分の全体が地上で育つタイプの野菜は、もちろん成長の過程で曲がることがあります。
しかし長ネギは大部分が地下で育っているためまっすぐ育ちやすく、曲がっているものは収穫後に曲がったパターンが多いのです。
よくスーパーなどで斜めに寝かされた状態で陳列された長ネギを見かけると思いますが、陳列される期間が長くなると、長ネギは上へ上へと伸びようとして曲がっていきます。
つまり曲がっているネギは、陳列され始めてから長い時間が経ってしまった印なのです。
なおこの性質を利用し、長ネギをなんと寝かせた状態で植えて、曲がりながら成長させた「曲がりネギ」というタイプのネギも存在します。「曲がりネギ」の場合は曲がっていても鮮度が悪いせいではないので安心してください。
旬ならではの甘さを堪能しよう!
ネギは生でも加熱しても食べることができますが、旬の長ネギの甘みを堪能するなら、じっくり加熱して食べるのがおすすめ。
グリルやフライパンで焼くとより甘みや旨みを感じやすく、また鍋で煮る場合は甘みに加えてトロトロ感やネギ本来の風味を感じやすくなります。
冬の寒さでおいいさが増す長ネギ。ぜひお店でおいしいものを選んで、旬ならではの味わいを楽しみたいですね。
■執筆/植松愛実さん
気象予報士と出張料理人の両面で活動中。気象・防災に関するヒントのほか、野菜ソムリエ・食育インストラクターとしておいしい食材のおいしい食べ方を発信中。インスタグラムは@megumi_kitchen_and_atelier。
編集/サンキュ!編集部