トマト

トマトは冷蔵保存ではなくむしろ冷凍すべき!その理由と活用法を野菜ソムリエが解説

2024/07/25

夏の食卓で大活躍するトマト。安いときに多めに買っておきたいけど、生のままでは短期間しか保存できないですよね。そんなときは冷凍がおすすめ!しかも冷凍することで、栄養面でも味わいの面でもお得なことがあるのです。

今回は、野菜ソムリエ・食育インストラクター・気象予報士として活躍する植松愛実さんに、トマトを冷凍すべき理由とコツを教えてもらいます。

サンキュ!STYLE 取材班メンバー。気象予報士として講演・執筆を行うかたわら、野菜たっぷりの作り置き料理を...

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トマトを冷凍すると何がいいの?

トマト

トマトは生のまま保存していると、だんだん甘みが減っていき、また栄養価も下がってきてしまいます。買った時点での熟し度合いにもよりますが、すでにかなり熟しているトマトだと2~3日、固めのトマトでも10日くらいが限度で、もちろんその間にも状態は次第に悪くなっていきます。

さらに栄養吸収の面にも難点が。トマトに含まれる栄養素としてリコピンがよく知られていますが、リコピンは強固な細胞壁(さいぼうへき)という壁のような組織に守られていて、そのまま食べてもあまり吸収がよくありません。
しかし冷凍することによって、細胞の中の水分が膨張して細胞壁を壊してくれるので、吸収しやすくなるのです。

また、トマトの内部にはゼリー質の部分がありますが、冷凍することによってゼリー質の部分の旨味が果肉の部分に移って、全体的に旨味を感じやすくなるという利点もあります。

【1】切ってから冷凍する方法と使い方

トマト

トマトを切って保存する場合は、洗ってから好きな切り方で切って、水分をふき取ってからジッパーつきポリ袋に入れて保存してください。筆者の場合はざく切りが使いやすいのでひとくちサイズのざく切りにしていますが、家庭ごとに使い勝手が異なると思いますので、1/4カットや粗みじん切りなど好みの切り方でOKです。

冷凍庫に入れるときのポイントとしては、ポリ袋内のトマトどうしができるだけ重ならないようにすること。とはいっても、せっかく丁寧にしまったポリ袋が冷凍庫内でズレたり折れ曲がったりすることもあるので、おすすめは金属のトレイを使うことです。トレイに平らに載せて冷凍庫に入れると、多少傾いてもトマトどうしが重なりにくく、また金属の上に載せることで冷凍時間が短縮され保存性が高まります。

冷凍トマトを使う場合は、解凍の必要はありません。袋のままパキッと折って使いたいぶんだけ取り出し、凍ったままスープや煮込み料理に入れれば短時間で火がとおって、料理の時短にもつながります。

保存期間は冷凍前の状態によって異なり、やわらかめのトマトなら2週間程度、固めなら1カ月程度です。

【2】ヘタだけ除く冷凍方法と使い方

トマト

トマトを丸ごと冷凍する場合は、ヘタを必ず取り除いてください。ヘタは雑菌が繁殖しやすく、トマトが傷む原因になってしまうためです。

ヘタを取ったあと、時間がなければ洗って水気をふいてそのままジッパーつきポリ袋へ。時間があるときは、ヘタのまわりに縦に包丁を入れてくり抜いてから同様に冷凍しましょう。そのほうが最終的に調理して食べるときの口あたりがよくなります。

使い方はざく切りと同じように、凍ったまま調理してOK。ざく切りの場合と違うのは、丸ごとの場合、凍った状態で流水にさらすと薄皮がツルンとむけるので、薄皮を取り除いて使いたいときに便利です。

ざく切りと比べると火がとおるのに若干時間がかかりますが、それでも生で使う場合よりも圧倒的に早いですし、くずしやすいのでスープなどに入れる場合も粗くほぐすだけで食べられます。

ざく切りと同様、冷凍での保存期間は2週間から1カ月です。

価格が上下しやすいトマトは安いときに冷凍がおすすめ!

トマトは植えつけから収穫までの栽培期間が短いぶん、短期的な気温や雨に左右されやすい野菜です。気温が高すぎても雨が降りすぎても価格が高騰しやすく、食卓にかかせないにもかかわらず、安定した価格で手に入れづらいという特徴があります。

冷凍することで栄養も旨味もお得に味わえるトマト。ぜひ安いときに買ってかしこく活用しましょう!

■執筆/植松愛実さん
気象予報士と出張料理人の両面で活動中。気象・防災に関するヒントのほか、野菜ソムリエ・食育インストラクターとしておいしい食材のおいしい食べ方を発信中。インスタグラムは@megumi_kitchen_and_atelier。
編集/サンキュ!編集部

 
 

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