出血しやすくなったり、だるくなって力が入らなくなるリスクも!?じつは怖い「ビタミンC」不足
2024/08/27
健康を維持したり、病気の予防に欠かせない栄養素。その中でも、「ビタミンC」にはどういった働きがあるのかご存じでしょうか?
必要量がたりているからこそ、わたしたちは当たりまえに毎日を過ごせるのですが、不足してしまうといくつものデメリットが出てくることに……。
管理栄養士と食生活アドバイザーの資格を持つライターのゆかりさんに、ビタミンCが不足することでどのようなことが起きるのかと、効率よくとるための食べ方について紹介してもらいます。
ビタミンCの働きとは?
ビタミンCとは、水に溶けやすい性質(水溶性)を持つビタミンの一種です。
わたしたちの体内ではビタミンCを合成することができないため、食品から取り入れなければなりません。
皮膚、腱、骨、軟骨、血管などを丈夫に保つコラーゲンをつくるために欠かせない成分であり、活性酸素の害から細胞を守る抗酸化作用や、ミネラルの吸収を高める働きなども持っています。
そのほか、ビタミンCはつぎのようなことにも役立ちます。
・老化や生活習慣病の進行を抑える
・皮膚のメラニン色素(※)の生成を抑え、日焼けを防ぐ
・ストレスやかぜなどの病気に対する抵抗力を強める
・鉄の吸収を促進して貧血を防ぐ
・肝臓の解毒酵素の働きを助ける
このようにビタミンCは、全身の内外に深く関わっており、若々しく健康でいるために大いに役立つ栄養素となっているのです。
※……しみ、そばかすの原因となる成分。
ビタミンC不足になると起きることとは?
ビタミンCが不足すると、子どもでは骨や歯の発育障害、骨折、出血などが見られ、大人では、歯肉炎、貧血、全身倦怠感、脱力、食欲不振などの症状が起こり、長期にわたると壊血病という命に関わる病気になることも……。
令和元年国民健康・栄養調査におけるデータを見てみると、食品からのビタミンCの1日の摂取量は男女ともどの年代にも不足傾向にあることがわかっています。
長期に不足が続かなければ欠乏症は起こりにくいといわれていますが、偏食していたり食事量が少ない場合には注意が必要です。
なお、喫煙をしたりその副流煙にさらされる場合や、感染症にかかる、強いストレスを受けるなどの環境下ではビタミンCの消費量が通常時よりも増大します。
このような場合には、より意識してビタミンCの多い食品をとるようにしましょう。
ビタミンCを多く含む代表的な食材や、おすすめの食材
ここからは、ビタミンCをとくに多く含む食品についてご紹介します。
・ゆず、すだち、レモンの皮
・ブロッコリー
・ピーマン
・パプリカ
・キウイフルーツ
・パセリ
・メキャベツ
・なばな
・焼きのり
基本的には、野菜や果物全般にビタミンCが多く含まれています。
また、あまり身近な食品ではありませんが、ケール(青汁も含む)、アセロラ、せん茶や玉露の茶葉、グァバなどにもビタミンCが豊富です。
健康な人の場合、余分なものは尿で排泄されるため、ビタミンCのとり過ぎは問題ないとされています。ただし、サプリメントなどで一度に多くとり過ぎてしまうと、吐き気、腹痛、下痢が起こるとされているので注意しましょう。
効率よく摂取するための調理方法や食べ方
ビタミンCは、水に溶けやすい、という性質があります。
少しでもむだなくとりいれたい場合には、鮮度のよいうちに生のまま食べるようにしたり、蒸したり電子レンジを利用した加熱調理で食べるのがおすすめです。
煮るなどの水を使った調理をした場合であっても、煮汁ごと食べるようにすればよいでしょう。
なお、ビタミンCは食品の切り口から流れ出やすくなるため、できるだけ断面を少なくすると◎。ほかにも、食品を洗うときや切ったあとで水にさらす時間を短くすることも、むだなくビタミンCをとりいれることに役立ちますよ。
ちなみに、ビタミンCは体内に多くためておくことができず、短時間で排出されやすいという特徴もあります。
一度にまとめてとるよりも、1日のうちで2~3回に分けるなどしてこまめにとったほうが、体内の濃度を高く保ちやすくなるでしょう。
ただし、特定の栄養素のことばかりに目を向けて、基本の食事がおろそかになっては元も子もありません。
主食・主菜・副菜をそろえ、炭水化物・脂質・たんぱく質が偏らないような食事を意識し、その上でご紹介した栄養豊富な食品をとりいれるようにしてみてはいかがでしょうか。