和食にも中華にも洋食にも合う、使い勝手のいいキノコであるエリンギ。食卓によく登場するという家庭も多いと思いますが、知らず知らずのうちに「もったいない」食べかたをしている場合も…。
今回は、野菜ソムリエ・食育インストラクター・気象予報士として活躍する植松愛実さんに、エリンギの「もったいない」食べかたと、おすすめの解決策について教えてもらいます。
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【1】根元をカットするのは「もったいない」
エリンギを調理する際、根元の「石づき」の部分を切り落としてから使っていませんか?じつは、通常のスーパーで売っているエリンギは、パック詰めされた時点で「石づき」がありません。つまり、全部食べられる部分なのです。
エリンギの根元の、少しくびれている部分を「石づき」だと思ってカットする人もいますが、「もったいない」!ぜひ丸ごと食べてください。
ちなみに、ごくまれに「石づき」ありのエリンギも流通しています。だいたい4~5本のエリンギがまとまって1つの大きな根元につながっているのが「石づき」なので、その場合は切り落としましょう。
【2】洗うのは「もったいない」
キノコは洗わずに調理してよい…と聞いたことがありませんか?多くのキノコ類は工場で菌床(きんしょう)栽培という方法で生産されているので、もともと汚れが少なく、洗わずに食べることができるのです。ちなみにエリンギはシイタケや舞茸と異なり日本で原木栽培(森の中で育てる方法)ができないので、国内産はすべて菌床栽培になります。
そして、じつは洗ってしまうと風味が落ちたり食感が悪くなってしまう、というデメリットも。そのため、洗うのではなく汚れをふき取る程度にして使いましょう。
【3】短時間で加熱するのは「もったいない」
キノコ類は野菜よりもやわらかく、とくにエリンギはうすくスライスして調理することが多いので、サッと短時間焼くだけで食べる人もいるかもしれませんが、「もったいない」!
というのも、キノコの旨味成分はじっくり加熱するほうが旨味成分がたくさん引き出されておいしくなるのです。もし、ふだんはいそがしくて時間をかけて調理する余裕がない…という人は、あらかじめ冷蔵ではなくカットして冷凍しておくと、短時間でも旨味を引き出しやすくなりますよ。
年間をとおしてお買い得なエリンギをしっかり活用しよう
ヨーロッパ原産のエリンギは、1990年代に日本で流通するようになった日本人にとってわりと「新しい」キノコですが、今やナメコやヒラタケよりも多く生産されている「定番」キノコでもあります。しかも、前述のとおりすべて菌床栽培なので価格が安定していて、年中お手頃に買えるのも魅力のひとつです。
ぜひ今回ご紹介した「もったいない」を避けるコツをおさえて、エリンギをおいしくかしこく活用してくださいね!
■執筆/植松愛実さん
気象予報士と出張料理人の両面で活動中。気象・防災に関するヒントのほか、野菜ソムリエ・食育インストラクターとしておいしい食材のおいしい食べ方を発信中。
編集/サンキュ!編集部