生乾燥昆布海藻

【管理栄養士監修】賞味期限切れの「昆布」はいつまで大丈夫?正しい保存方法は?

2020/08/29

スーパーなどで販売されている乾燥させた昆布の賞味期限の多くは1年と記載されています。もしそれを過ぎたら食べられないのでしょうか?本記事では、昆布の賞味期限と正しい保存方法、傷んだ昆布の特徴についてご紹介します。

管理栄養士、食生活アドバイザー。一女のママで出張料理、料理教室、講演、栄養相談も手掛けるほか、ライターとして...

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昆布は賞味期限がすぎても大丈夫?

昆布は水溶性食物繊維やミネラルを含んだ海藻で、出汁や煮物などに便利な食材です。乾燥されている昆布は常温での長期保存が可能で、賞味期限が切れてしまっても食べられる可能性があります。

メーカーによって異なりますが、乾燥昆布の賞味期限は1年程度とされています。また昆布は寝かせたほうがおいしいとも言われていますが、衛生的に問題はないのでしょうか。本記事で解説していきます。

賞味期限と消費期限の違い

ここで、消費期限と賞味期限の違いについてまとめます。

賞味期限とは、未開封で保存方法をしっかり守って保存した場合に、記載されている年月日、または年月まで「おいしく食べられる」期限のことです。

賞味期限はスナック菓子・インスタントラーメン・缶詰など、製造・加工されてから、おおむね6日以上期限のある傷みにくい食品に記載されています。またこの期限をすぎても、すぐに食べられなくなるわけではありません。

消費期限とは、賞味期限と同じように保存していた食べ物などが、記載されている「年月日」まで「安全に食べることのできる」期限になります。

お弁当・サンドイッチ・生菓子など、製造・加工されてから、おおむね5日以内の傷みやすい食品に記載されています。

もちろん賞味・消費期限ともに、開封してしまうことで、食品の保存状態が変化してしまうため、表示されている期間に関わらず、できるだけ早めに消費するようにご注意ください。

【種類別】昆布の賞味期限は?

日高昆布
y-studio/gettyimages

こちらでは、種類別に昆布の賞味期限についてご紹介していきます。おいしく昆布を食べるためにも、それぞれの賞味期限について把握しておく必要があります。

生昆布やとろろ昆布、昆布の佃煮など、種類やメーカーによって賞味期限は異なるので、ぜひ参考にしてください。

生昆布の賞味期限

乾燥させていない生昆布は、刺身昆布として食べられます。生昆布は数日程度しか日持ちしないので、食べきれないと判断した場合は、早目に冷凍保存しましょう。

冷凍保存する際は、昆布を洗い水気を切ります。食べやすい大きさにカットしてから、保存袋に入れて冷凍しましょう。賞味期限の目安は1カ月程度です。

とろろ昆布の賞味期限

酢などにつけてやわらかくした何十枚もの昆布を圧縮し、削って加工されたものがとろろ昆布です。賞味期限は、メーカによって異なりますが、6~10カ月のものが一般的です。

開封後は外気に触れて赤っぽくなることがありますが、これはカロテンの色素のせいなので身体への影響はありません。腐ることはありませんが、湿気などでカビが生える可能性もありますので、開封後は密封して早めに食べ切りましょう。

昆布の佃煮の賞味期限

昆布の佃煮の賞味期限は味の濃さや販売元によって違いますが、短いものは1カ月ほど、長いものは6カ月もつものもあります。開封後は、あまり日持ちが変わらないというメーカーもありますが、乾燥したり風味が落ちやすくなるので、なるべく早く食べ切るようにしましょう。

だしを取った後の昆布を使って佃煮を手作りすることができます。その場合、水分をしっかり飛ばし、塩分を多くすることで多少日持ちはよくなりますが、冷蔵で2週間、冷凍で1カ月を目安に食べ切ることをおすすめします。

また、雑菌や水分などの混入を避けるため、直箸で食べないようにしましょう。

賞味期限がすぎて傷んだ昆布の特徴

日本食コンブ昆布
akiyoko/gettyimages

ほとんどの乾燥昆布は水分を含まないため、腐ることはありません。このことから、賞味期限も長めに設定されています。賞味期限は、おいしく食べられる目安の期限であるため、正しい保存状態であれば、多少すぎても問題なく食べられる可能性はあります。

しかし、品質が劣化しないというわけではありません。ここからは乾燥した昆布が傷んだときに見られる特徴をご紹介します。

特徴1:カビが生える

昆布の保存環境が悪い場合、賞味期限内でもカビが生えてしまい、食べられなくなる可能性があります。昆布の表面には元々白い粉がついていますが、これは「マンニット」と呼ばれている昆布に含まれる成分が結晶化したものでありカビではありません。

何らかの原因で乾燥昆布が湿ってしまい、そのまま高温多湿の場所に放置していると、白や緑色のカビが生えることがあります。カビは、ふわふわした状態で付着し、磯臭さとは異なる不快な臭いがするので、マンニットと見分けることができます。

特徴2:湿気ている

乾燥昆布にとって、湿気は大敵です。先述した通り、カビが生えたり、吸湿してしまうことで品質が落ちてしまうからです。

乾燥昆布がやわらかくなっている場合は、昆布が吸湿しているサインです。湿気ているだけでは、衛生上食べることには問題はありませんが、味や風味の劣化が著しくなってしまいますので、無理して食べないようにしましょう。

【日数別】賞味期限切れの昆布はいつまで食べられる?

スーパーなどで販売されている乾燥昆布の賞味期限はだいたいの商品で1年ほどですが、直射日光を避け、適切な温度管理と容器に入れて保存していた場合は、1年以上の保存も可能です。

温度や湿度を管理して、数年寝かせて熟成させたものを扱っている製造元もあるほどです。そうであっても、メーカーは袋詰めをした日から賞味期限をつけなければならないため、期限が切れた食品を食べる際の判断は、自己責任で行ってください。

賞味期限が1カ月すぎた昆布

賞味期限が1カ月すぎた昆布は、食べることができるでしょう。

ただし、気をつけてほしいのは湿気です。昆布を保存している場所がじめじめしている場合、昆布が吸湿して、カビがみられるかもしれません。

また、直射日光のあたる場所で保管していると、変色してしまい品質が悪くなるため、風味が落ちやすくなります。

賞味期限が1年以上すぎた昆布

賞味期限から1年以上すぎた昆布は、保存状態がよく異常がない限り食べることができるでしょう。羅臼昆布などの乾燥昆布は、2~3年寝かせた方がおいしいという説もあります。

ただ、使用する際には保存されていた環境が適切であったか、昆布にカビなどの異変がないかを十分にチェックしてください。

昆布の正しい保存方法

昆布
gyro/gettyimages

乾燥した昆布は基本的に常温で保存できますが、適した方法で保存をしなければカビが生えて食べられなくなったり、風味が落ちてしまいます。また、冷蔵や冷凍によって室温との温度差が生じ、結露が起こって水分を含んでしまうことから、常温保存以外をすすめていないメーカーもあります。

そして昆布は臭いがつきやすい食べ物でもあるため、臭いがつかないように保存する容器は臭い移りをしないような工夫も必要となります。乾燥昆布を保存するにはどのような方法で保存をすればよいのでしょうか。

保存容器で保存する

昆布の保存に適した保存容器は、密閉できるフタつきのガラスやプラスティック製の容器、チャックつきの保存袋です。直射日光と高温多湿になる場所を避け、いずれの容器に入れる際も、食品用の乾燥剤といっしょに入れるとよいでしょう。

密閉性があっても、缶などの金属製の容器は昆布の保存容器としてはおすすめしません。理由は昆布の塩分から容器が錆びることがあり、その錆の臭いを昆布が吸ってしまうためです。

常温で保存する

乾燥昆布は冷蔵庫や冷凍庫で保存する必要はありません。常温で保存が可能であり、直射日光と高温多湿を避けた冷暗所が保存に適しています。またきちんと保存容器などに保存がされていれば、湿気の多い時期でも戸棚などで保存が可能です。

もちろん冷蔵庫や冷凍庫での保存もできます。しかし冷蔵庫や冷凍庫は扉の開閉により温度差や、取り出して長時間室温へ置いておくことで結露が発生し昆布にカビが生えることがあります。メーカーによってはすすめていないので、利用する際には取り扱いに十分注意し、長期保存は避けましょう。

賞味期限切れの昆布には要注意!無理して食べないようにしよう!

昆布は賞味期限が切れていても食べることが可能です。しかし、カビや、変色、湿気ているなどの特徴がみられた場合は無理して食べない方がよいでしょう。

正しい保存方法を守って、おいしく昆布をいただきましょう。

参考にしたサイト

 
 

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