【管理栄養士監修】賞味期限切れの「シュトーレン」はいつまで食べられる?冷凍したものは?傷んだときの特徴や保存方法を解説!
2020/10/20
日本でもクリスマスシーズンに見かけるようになったお菓子、シュトーレン。本場ドイツの食べ方や、保存の方法などについてまとめてみました。クリスマスシーズンが近づいてきたらぜひ参考にしてみてください!今までとはひと味違った楽しみ方ができると思います。
シュトーレンの賞味期限は?
シュトーレンとはドイツ発の伝統的なクリスマスのお菓子です。シュトーレンの生地にはナッツやドライフルーツが練りこまれており、表面にはたっぷりの溶かしバターと砂糖がまぶされてます。ずっしりと重いパウンドケーキやパンのような見た目をしていて、日持ちするのも特徴です。
本場ドイツでは、各家庭で手づくりしたシュトーレンをクリスマスイブの約4週間前から少しずつ食べて熟成を楽しむ風習があるため、日持ちするように工夫を凝らしてつくられています。
パン屋さんなどで包装されずにそのまま陳列されて販売されているシュトーレンには、賞味期限が記載されていないことがあり、その場合は正しい保存方法を守って自己判断で食べる必要があります。
手づくりシュトーレンの賞味期限の目安は?
ラム酒などのアルコールに浸けておいたドライフルーツやナッツを、大量のバターといっしょに練りこんで発酵させ、しっかりと水分が減るまで焼いているため、日持ちがすると言われています。
シュトーレンの賞味期限は素材の配合などで変わりますが、ドイツの伝統的な手づくりだと、1カ月~3カ月と言われています。本場ドイツでは、シュトーレンの材料の配分が規定されている都市もあります。
賞味期限と消費期限の違い
ここで、賞味期限と消費期限の違いについてまとめます。
賞味期限とは、未開封で保存方法をしっかり守って保存した場合に、記載されている年月日、または年月まで「おいしく食べられる」期限のことです。
賞味期限はスナック菓子・インスタントラーメン・缶詰など、製造・加工されてから、おおむね6日以上期限のある傷みにくい食品に記載されています。またこの期限を過ぎても、すぐに食べられなくなるわけではありません。
消費期限とは、賞味期限と同じように保存していた場合、記載されている「年月日」まで「安全に食べられる」期限になります。
お弁当・サンドイッチ・生菓子など、製造・加工されてから、おおむね5日以内の傷みやすい食品に記載されています。
もちろん賞味・消費期限ともに、開封してしまうことで、食品の保存状態が変化してしまうため、表示されている期限に関わらず、できるだけ早めに消費するようにご注意ください。
シュトーレンが日持ちする理由
シュトーレンは長い歴史があり、冷蔵庫がない時代から存在していたと言われます。そして、ドイツではクリスマスイブの約4週間前から少しずつ食べるという風習もあるそうです。では、なぜシュトーレンは通常のパンに比べて日持ちがするのでしょうか。
ドイツでは、シュトーレンのガイドラインがあります。
一般的なシュトレーンの場合、小麦粉100%に対し、ナッツやドライフルーツなどの乾燥物が、最低60%含まれており、乳脂肪分82%以上のバターが30%以上、乳脂肪分100%の純正バターなら24.6%以上、マーガリンでは、30.75%以上の乳脂肪分が含まれているものとされています。
それらを通常のパンよりも少ない水分量まで焼き上げ、ラム酒などのアルコールに浸けておいたドライフルーツやナッツを使用することで、アルコールの効果により雑菌の繁殖を抑えられると言われています。
さらに表面には、溶かしバターをかけて、仕上げに砂糖でコーティングしています。砂糖には、細菌やカビが繁殖するために必要な水分と結びつき、繁殖しにくくする作用があります。
これらのことから、シュトーレンは日持ちすると言われています。
賞味期限が過ぎて傷んだシュトーレンの特徴
日持ちするシュトーレンですが、時間が経てば傷んでくるのは当然です。ここからは、その特徴について解説していきます。
特徴1:虫が発生する
保存場所や包装状態などにより、まれに虫が発生することもあるでしょう。乾燥した小麦やとうもろこしなどの穀物を始め、菓子なども好んでパッケージを食い破って侵入するシバンムシなどもいるため、プラスチックの密閉容器に入れるなどして保存するようにしましょう。
特徴2:変色する
シュトーレンは分厚い砂糖でコーティングしてありますが、時間が立つとこの砂糖が水分を含んで透明になってきます。
傷んでいるわけではないですが、砂糖が水分を吸い、水分量が増えてきている可能性があるため、なるべく早く食べるようにしましょう。水分量が増えると、保存性が低下し、カビが繁殖しやすい環境になります。
シュトーレンの保存方法
これまでシュトーレンの日持ちする理由などについて説明してきましたが、保存方法を間違えてしまうと早く傷んでしまうこともあります。
シュトーレンは、温度が低く、風通しがよく湿気のない場所で、直射日光を避けて保存しましょう。また、なるべく空気に触れないようにラップなどで包むことも大切でしょう。
常温で保存する
シュトーレンは、ドイツのクリスマスシーズンの寒い時期に食べることが多いです。そのため保存方法としては、常温保存が一般的になります。ただし、部屋の湿気や温度などに注意が必要でしょう。
大きめにカットしたラップでできるだけ空気に触れないようにぴったりと二重に包みこんで、なるべく湿気の少ないところが理想的な保存場所です。しかし、保存場所の室温が10℃〜15℃より高くなる場合は冷蔵庫で保存する方がよいでしょう。
冷蔵庫で保存する
賞味期限が近づいてきたシュトーレンや、季節などにより、冷暗所での保存がむずかしい場合、虫が気になる場合は、冷蔵庫での保存がよいでしょう。
しかし、冷蔵庫保存だと生地が硬くなったり、ほかの食品などの臭いが移る可能性もあるため、常温保存同様にしっかりとラップをして、さらに密閉容器やジッパーつきポリ袋へ入れ、外気に触れないように保存しましょう。
おいしいシュトーレンの食べ方
これまで、シュトーレンの保存方法について説明してきました。では、シュトーレンはどのような食べ方がよいのでしょうか。ここからは、シュトーレンの食べ方についてご紹介していきます。
シュトーレンは薄くスライスし、少しずつ食べるのがドイツでは一般的です。まず、中央から半分に切り、そこから外側に向かい、そのときに食べる分だけを薄くスライスします。
そのあとは、残りのシュトーレンの切り口を合わせ、 ラップで巻いてからさらにアルミホイルで包むと、内側が空気に触れるのを防ぎ、光による劣化も抑えることができます。
また、ドイツではクリスマスイブにかけて約4週間前から食べられているようです。 時間をかけて食べ進めていくことで、シュトーレンが徐々に熟成されていく変化も楽しめます。お好みで、生クリームを添えるなどアレンジを加えてもよいでしょう。
賞味期限切れのシュトーレンには要注意!無理して食べないようにしよう!
シュトーレンは、材料の割合や保存方法などがしっかり守られていると、熟成していく味の変化を楽しむことが出来ます。
ですが、日持ちがすると言われていても、保存方法などが守られていないとほかの食べ物と同じく傷んできます。カビが生えていたり、変色などしていて味が落ちている可能性もあるでしょう。
そのため、日にちが経過している場合は、食べる前に状態をよく見て、熟成なのか傷んでいるのか、しっかりと確認し、自己責任のもと食べるようにしましょう。