ニンニククローブとスパイスをボウルに入れたニシンを塩漬け。

【管理栄養士監修】「ニシン」の主な栄養素とカロリーまとめ!おすすめの調理方法は?

2021/01/30

ニシンは、私たち日本人にも身近な存在で、お正月にお節料理で見かける人も多いのではないでしょうか?この記事では、ニシンの種類から栄養素と特徴、おすすめレシピまで紹介します。ニシンについて知りたいかたや、レシピに困っているかたはぜひ読んでみてください。

管理栄養士、食生活アドバイザー。一女のママで出張料理、料理教室、講演、栄養相談も手掛けるほか、ライターとして...

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ニシンの種類

Eskemar/gettyimages

ニシン(鰊)は生息域や生態の違いによって2種類に区別され、日本でも獲れる太平洋側の「タイヘイヨウニシン」、大西洋沿岸で獲れる「タイセイヨウニシン」と呼ばれています。

国産のニシンはほとんどが北海道で獲れますが、昔に比べて数は少なくなってきています。私たちが、店頭で見かける丸干しや身欠きにしんなどの干物・燻製などの加工品の多くは、アメリカ・カナダ・ロシア・ノルウェーなどから輸入された「タイセイヨウニシン」です。

ニシンのカロリーと栄養素

古くからお節料理だけでなく、総菜などとしても食べられてきたニシンですが、同じ青魚であるサバやサンマなどと比較すると、家庭で調理する頻度は少ないかもしれません。

ニシンには、EPAやDHAといった不飽和脂肪酸やタンパク質が豊富です。脂質が多く、ほかの魚に比べてカロリーは高めですが、新陳代謝に必要なビタミンやミネラルを含んでいます。

ここでは、そんなニシンのカロリーと栄養素について紹介します。

ニシンの栄養素
・EPA・DHA
・ビタミンB6
・ビタミンB12
・カリウム
・亜鉛

ニシンの栄養素1:EPA・DHA

EPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)は、ニシンなどの青魚に多く含まれる栄養素として知られています。

EPAは血液をサラサラにする働き、DHAは脳の働きを活発にして、記憶力や学習能力を上げる働きがあるとされています。どちらも不飽和脂肪酸の一種で、ニシンの脂肪分に多く含まれています。

ニシンの栄養素2:ビタミンB6

ビタミンB6は、タンパク質からエネルギーを作り出したり、血液や筋肉をつくるのに必要な栄養素です。

ビタミンB6が不足すると皮膚炎や口内炎、湿疹など、皮膚や粘膜に変化が起こりやすくなります。タンパク質を効率よく利用するためにビタミンB6が欠かせないため、とくに運動をする人や成長期の子どもは積極的に摂取するようにしましょう。

ニシンの栄養素3:ビタミンB12

ビタミン12は、赤いビタミンとも呼ばれており、神経や脳の機能を正常に保つ働きがあります。

また、ビタミンB12は正常な赤血球をつくり出す働きがあります。ニシンには赤血球の材料となる鉄分も含まれているため、貧血予防に効果的とされています。

ニシンの栄養素4:カリウム

カリウムは、細胞の状態や血圧を調節しながら常に一定したよい体の状態を維持する役割のある栄養素です。体内のナトリウムを排出する働きがあり、高血圧を防いだり、むくみを解消します。

また、カルシウムを骨に蓄積する効果を高めることで、骨粗しょう症の予防効果も期待できます。

ニシンの栄養素5:亜鉛

亜鉛の働きで最も重要なのは、新陳代謝に関わる酵素の成分になることです。

古い細胞を分解し、新しい細胞を合成することから、成長期には欠かせない栄養素のひとつであると言えるでしょう。亜鉛が不足すると、肌荒れや味覚障害、免疫力の低下、亜鉛欠乏による貧血などが引き起こされることがあります。

ダイエットなどで食事量が少なくなったりする場合は注意が必要です。

ニシンはダイエットに効果がある?

分離されたニシンのフィレ
hydrangea100/gettyimages

生のニシンのカロリーは、可食部100gあたり216kcalとなっています。

マウスを用いた実験では、DHA、EPAには中性脂肪や体重を減らす働きがあるという研究結果があります。ダイエット効果も期待されますが、一尾当たりのカロリーも高く、食べすぎてしまうと逆効果になってしまう恐れがあります。

調理方法によってカロリーが変わってくるので、食べ方を選ぶようにするといいでしょう。

ニシンを使ったおすすめのレシピ

ニシンは、鮮魚としては流通量が少ないですが、刺身や焼き魚として食べることができます。また、生の状態では日持ちしないため、昔ながらの保存食として、身欠きにしんなどの干物、燻製、ぬか漬けなどに加工されることが多いです。

身欠きにしんは水で戻して調理し、昆布巻きやにしんそばの上に乗せられる甘露煮などにするのが有名です。ここでは、そんなニシンのおすすめレシピ3選を紹介します。

ニシンのおすすめレシピ1:圧力鍋で時短!ニシンの昆布巻き

出典:E・レシピ

まず1つ目のレシピは、ニシンの昆布巻きです。

ニシンの昆布巻きといえば、おせち料理として親しまれていますが、比較的簡単に調理することができ日持ちもするため、北海道などの産地ではふだんから食べられているそうです。

醤油と砂糖の甘辛い味つけで、お酒のおともにもおすすめの一品です。

ニシンのおすすめレシピ2:ニシンの煮つけ

出典:E・レシピ

2つ目のレシピはニシンの煮つけです。

煮つけ料理で有名な魚といえば、タイ、サバをはじめブリ、カレイなどを連想する人も多くいるのではないでしょうか。ニシンも身が柔らかく、骨まで食べやすい魚であるため、煮つけによく合う食材です。

脂がのったニシンの煮つけもまた格別なお味です。

ニシンのおすすめレシピ3:ニシンナス

出典:E・レシピ

今回、最後のおすすめレシピとなるニシンナスは、「鰊(ニシン)そば」に並んで京都府の郷土料理としても有名です。

ソフトニシンを使用しているので工程が簡単で、身が柔らかく、甘辛い味つけは白いご飯にもよく合います。脂がのったニシンと油分を吸うナスの組み合わせは、互いにおいしさを引き立てます。

夕飯のおかずが決まらない人や、ニシンになじみのない人にもぜひつくってみていただきたい一品です。

ニシンをおいしく食べよう!

煮つけや塩焼きなど様々な料理に活用できるニシンは、そのおいしさだけでなく栄養価の高さでもおすすめの魚です。

DHAやEPAなどの栄養素が豊富に含まれているだけでなく、エネルギーをつくり出すのに必要なビタミン類や、カリウムや亜鉛などのミネラルも含まれています。ぜひ、ニシンの栄養素の特徴を理解し、いつもの食生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

監修者ミニコラム:ニシンの塩漬けは納豆の18倍クサい!?

スウェーデンのニシンの保存食には、少量の塩で漬けた「シュールストレミング」があります。腐敗は抑えても発酵が続くことで、卵やバターが腐った臭い+酸味や刺激のある臭いが混じり、強烈な悪臭を放つ「世界一臭い食べ物」としても有名。

人の五感は、味覚より嗅覚からの情報割合が高いため、水や牛乳で洗うなどして臭いを抑えないと、本来の味を感じることは難しいのかもしれません。いかの塩辛に例えられることもあり、パンやゆでたじゃがいもと合うのだとか。

発酵による爆発の恐れがあるので、危険物扱いで輸送されたり常温保存厳禁という注意書きもあり、部屋や服から臭いが取れなくなるほどの威力ですが、興味のある人は体験してみては?

※参考にしたサイト

 
 

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