【管理栄養士監修】「穴子」の主な栄養素とカロリーまとめ!おすすめな調理方法は?
2021/01/29
穴子はさまざまな栄養成分を含む優秀な食材です。穴子を食べたことはあっても、栄養価を理解したり、日々の食事に活かせたりしているひとは少ないのではないでしょうか。こちらでは穴子の栄養素とカロリー、穴子を使ったおいしいレシピを紹介しています。ぜひご家庭で活用してください。
穴子の種類
穴子は世界に約150種類、日本の海域にはマアナゴ、クロアナゴ、ハナアナゴなど約30種類の穴子が生息していると言われています。
食用として売られているのは、主にマアナゴ、クロアナゴです。特にマアナゴは味が良いので、天ぷら、蒲焼き、寿司の材料として用いられています。穴子の形は細長くてうなぎとよく似ていますが、うなぎよりも脂質が少なく、さっぱりとした味わいが魅力です。
穴子のカロリーと栄養素
穴子にはたんぱく質のほか、カリウム、ビタミンA、脂質、カルシウムなども含まれています。
生の穴子のカロリーは100gあたり161kcal、たんぱく質は100gあたり17.3g、カリウムは370mg、ビタミンA(レチノール活性当量)は500µg、脂質は9.3g、カルシウムは75mgです。
ここからは、穴子に含まれる栄養素について詳しく説明しましょう。
穴子の栄養素
・たんぱく質
・カリウム
・ビタミンA
・脂質
・カルシウム
穴子の栄養素1:たんぱく質
たんぱく質は、体内で筋肉や臓器、皮膚や髪、血液や酵素などの材料となって、健康な体を維持してくれます。また、エネルギー源としても使われ、ホルモンや免疫物質を作ったり、体中へ栄養素を運ぶ働きもあります。
たんぱく質は筋肉量や筋力の維持にも関わるため、不足しないように摂取する必要があります。
穴子の栄養素2:カリウム
カリウムは細胞の状態や血圧を調節しながら常に一定した良い体の状態を維持する役割のある栄養素です。体内のナトリウムの排出を促して、高血圧を防いだり、むくみを解消します。
近年の食生活の変化やナトリウムの過剰摂取などにより、カリウムの摂取は重要視されています。また、多量の汗をかくとカリウムが失われやすくなるため、運動時や暑い時期には意識して摂るようにしましょう。
穴子の栄養素3:ビタミンA
ビタミンAは、皮膚や粘膜を健康に保ち、細菌やウイルスに対する抵抗力を高めたり、薄暗いところで視力を保つ働きがあります。
不足すると、成長障害や、皮膚や目の乾燥、角質化などが起こるといわれています。ビタミンAは肝臓で蓄えられることもあり、過剰症によって肝障害や妊娠中の胎児への影響があるため、摂り過ぎにも注意しましょう。
穴子の栄養素4:脂質
穴子の脂質には不飽和脂肪酸の割合が高く、その中には青魚に多いDHAやEPAも含まれています。
DHAやEPAには、中性脂肪やコレステロールを下げたり、血栓ができるのを防いで血液の流れを改善する効果が期待できます。このほか、穴子に含まれている脂溶性ビタミンのビタミンA・D・E・Kは、脂質と一緒になることで吸収が促進されます。
穴子の栄養素5:カルシウム
カルシウムは、摂取したうちの多くが骨と歯の構成成分になります。それ以外にも、止血の働きをする血液凝固因子や筋肉運動、神経の働きなどに関わり、生命維持に不可欠な栄養素となっています。
常に骨の中にカルシウムは蓄えられており、カルシウムが不足すると骨からカルシウムを放出し、体中に補うといわれています。食品からのカルシウムの吸収率は低いのですが、穴子には吸収率を高めるビタミンDが含まれているので、カルシウムの利用効率が高い食材と言えます。
穴子はダイエットに効果がある?
近年ではダイエットをする際のたんぱく質摂取の重要性が唱えられており、カロリー制限などで食事量が減ることでたんぱく質が不足しやすくなると言われています。そのため、たんぱく質を多く含んでいる穴子はダイエット中におすすめです。
また、穴子に含まれるカリウムは余分な水分を排出する働きもあるため、むくみの解消・予防にも効果が期待できます。
穴子を使ったおすすめのレシピ
栄養価の高い、穴子を使ったおすすめレシピを紹介しましょう。淡泊な味の穴子は、天ぷらやお寿司などの和風メニューのほかにもさまざま料理に活用できます。
今回紹介するレシピは、「アナゴの卵焼き」「アナゴとホウレン草のクリームパスタ」「アナゴポテトグラタン」の3点です。
3点とも違った味わいで、穴子をおいしく食べられます。気になったレシピは、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
穴子のおすすめレシピ1:アナゴの卵焼き
最初に紹介するのは穴子の蒲焼きが入った卵焼きです。行楽のお弁当やいつもの食卓にも合うでしょう。
大根おろしを添えるとさっぱりとしていて、老若男女に喜んで食べてもらえるメニューです。
穴子のおすすめレシピ2:アナゴとホウレン草のクリームパスタ
続いて紹介するのは、穴子とほうれん草のクリームパスタです。穴子を洋風にアレンジした、ランチや軽食にも気軽に食べやすい一品です。
ビタミンDが含まれる穴子と一緒に合わせることで、ソースの材料の乳製品に含まれるカルシウムの吸収率を高めることができます。
穴子のおすすめレシピ3:アナゴポテトグラタン
最後に紹介するメニューは、穴子とじゃがいもを使ったグラタンです。ポテトグラタンは、寒さが気になる時期にぴったりの温かい一品です。
ホワイトソース不要で、作り方が簡単な点も嬉しいポイントです。大葉の代わりに、お好みのハーブを加えてみても美味しく食べられるでしょう。
穴子をおいしく食べよう!
穴子にはたんぱく質やカリウム、ビタミンA、脂質、カルシウムといったさまざまな栄養素が含まれています。
今回紹介したアナゴの卵焼き、クリームパスタ、ポテトグラタンのほかにも、和風洋風を問わず穴子のレシピはたくさんあります。お気に入りのレシピで、栄養成分豊富な穴子をいつもの献立に取り入れてみてはいかがでしょうか。
監修者ミニコラム:生の穴子には毒がある?安全に「刺身」で食べる方法とは?
穴子を含むウナギ目の仲間には、血液やぬめりに毒性が含まれています。(ウナギ、ハモ、ウツボなど)
しかも、それらは粘性が強く、生臭さも含まれていることから、あまり生食として扱われていないと言われています。
それでも、活き締めでしっかりと血抜きをしたり、特別なさばき方をするなどの工夫で、刺身として提供している店も存在しています。(個人でさばく際は、目や傷口に毒が付着しないように注意してくださいね)
その身は、ふぐに似た見た目とコリコリした食感があり、ヒラメのえんがわに似た味わいがあるのだとか!
天ぷらや煮たり焼いた穴子からは想像も付かない食感と味わい、ぜひ新鮮な穴子が仕入れられる地域やお店で味わってみてくださいね!