【管理栄養士監修】「さわら」の主な栄養素とカロリーまとめ!おすすめな調理方法は?
2021/01/31
さわらは、スーパーなどでも手軽に手に入る魚です。鯛やマグロと比べると食べる機会が少ないかもしれませんが、さまざまな栄養を含んでいます。この記事では、さわらのカロリーや主な栄養素について紹介します。おすすめのレシピを参考に、食卓に取り入れてはいかがでしょうか。
さわらの種類
さわらはスズキ目、サバ科の海水魚です。細長い体で、大きいものは1m以上にもなる大型魚です。 成長するにつれて呼び名が変わる出世魚でもあります。
日本近海には、ほかにもヨコシマサワラ、ヒラサワラ、ウシサワラ、タイワンサワラがいますが、あまり多く見かけることはありません。
さわらは、北海道南部から沖縄まで各地に生息していますが、主に北陸から山陰にかけての日本海側で多く漁獲されます。関西では春から初夏、関東では晩秋から冬に旬を迎えます。
さわらのカロリーと栄養素
生のさわら100gあたりのカロリーは177kcalです。また、焼くと202kcalになります。生の天然真鯛のカロリーが142kcalで、生のキハダマグロが112kcalのため、魚のなかでは低カロリーとは言えないでしょう。
さわらはたんぱく質やビタミン類など、さまざまな栄養素を含んでいます。
さわらの栄養素
・たんぱく質
・ビタミンB12
・ビタミンD
・脂肪酸
・カリウム
さわらの栄養素1:たんぱく質
たんぱく質は、体内で筋肉や臓器、皮膚や髪、血液や酵素などの材料となって、健康を維持してくれます。また、ホルモンや免疫物質をつくったり、体中へ栄養を運ぶ働きもあります。
近年では、ダイエットをする際のたんぱく質の十分な摂取の重要性が唱えられており、カロリー制限などで食事量が減ることで不足しやすくなるため、意識をして摂取する必要があります。
さわらの栄養素2:ビタミンB12
ビタミン12は、赤いビタミンとも呼ばれており、神経や脳の機能を正常に保つ働きがあります。また、ビタミンB12は正常な赤血球をつくり出す働きがあります。
また、補酵素としてたんぱく質や核酸の生合成、アミノ酸や脂肪酸の代謝にも関わっています。
さわらの栄養素3:ビタミンD
ビタミンDは、カルシウムの吸収を促して歯や骨を丈夫にする働きがあります。また、免疫力を高める働きや、血液や筋肉中のカルシウム濃度を調節してくれる重要な役割を担っています。
ビタミンDが不足すると、骨が弱くなったり筋力が低下することがあるので、美容や健康維持のためにも不足しないように注意しましょう。
さわらの栄養素4:脂肪酸
脂肪酸は脂質の主な構成成分で、さわらには不飽和脂肪酸の割合が高く、青魚に多く含まれるDHAやEPAも多く含まれています。DHAやEPAには、中性脂肪やコレステロールなどを下げたり、血栓ができるのを防いで血液の流れを改善する効果が期待できます。
このほかにも、脂溶性ビタミンであるビタミンA・D・E・Kの吸収率を高める働きもあります。
さわらの栄養素5:カリウム
カリウムは細胞の状態や血圧を調節しながら、常に一定したよい体の状態を維持する役割のある栄養素です。過剰に摂取したナトリウムの体外への排泄を促すことで、カリウムには高血圧を防いだり、むくみを解消する働きがあります。
また、カリウムはカルシウムを骨に蓄積する効果を高めてくれるので、骨粗しょう症の予防効果も期待できるでしょう。
さわらはダイエットに効果がある?
さわらには、むくみを解消する効果が期待できるカリウムが含まれています。さらに、DHAやEPAによって、中性脂肪やコレステロールを下げる働きも期待できます。そのため、さわらを食べることでダイエットに役立つ可能性はあるでしょう。
また、良質なたんぱく質も含まれているため、積極的に食事に取り入れてみましょう。
さわらを使ったおすすめのレシピ
さわらは淡泊でくせのない味のため、さまざまな料理に使えます。大型で新鮮なものは刺身にしてもよいですし、身が柔らかく味が入りやすいため、煮つけにしてもよいでしょう。
さわらは切り身で買うことが多いのではないでしょうか。その際は、皮や身がみずみずしく、背の斑点が鮮やかなものを選ぶとよいでしょう。また、血合いが鮮やかなものが新鮮とされています。鮮度が落ちやすいため、冷蔵庫で保存して早めに調理しましょう。
さわらのおすすめレシピ1:サワラの西京焼きと味噌床の作り方
さわらの代表的な料理と言えば西京焼きでしょう。西京焼きとは、魚などを西京味噌と言われる白味噌に漬け込み、焼いたものです。西京味噌が手に入らなくても、米味噌や麦味噌でも代用可能です。
漬け込み時間はかかりますが、ご家庭でも簡単につくれるでしょう。味噌床は使う分だけつくるのがポイントです。
さわらのおすすめレシピ2:サワラのキムチ煮
鯖のキムチ煮は韓国で定番の家庭料理ですが、さわらを使ってもおいしく調理できます。さわらをコチュジャンと甜麺醤、味噌で煮た、しっかり味の一品でごはんが進むでしょう。
辛み成分が体を温めてくれるため、冬の食卓にもおすすめです。
さわらのおすすめレシピ3:漬けて焼くだけ簡単調理。さわらの梅みりん
梅の風味がさわやかな焼き魚で、食欲をそそります。漬け込み時間を除くとわずか15分で調理が完了するため、時間がないときには漬け込み時間を短くして仕上げてみてもいいでしょう。
また材料も、家に常備している一般的な調味料で簡単につくれるため、あと一品ほしいときに試してみてはいかがでしょうか。
さわらをおいしく食べよう!
さわらは1年の間に旬を2回迎える魚で、年間を通して手に入りやすい魚と言えるでしょう。 焼き魚だけでなく、和洋を問わずさまざまな調理方法で楽しめます。また、身が柔らかく食べやすいため、子どもから高齢者まで幅広い年代のかたにおすすめの魚です。
アレンジレシピを参考に、さわらを食卓に取り入れてみましょう。
監修者ミニコラム:西日本と東日本では刺身の味が違う!「さわら」は時期と地域で選ぶのが◎
さわらは、イカや青魚などを幼魚の頃からエサとしていて、鋭い歯を持ち時速100kmで泳ぐ魚です。身の色は白っぽいのですが、季節ごとに回遊する生活をしていることから「赤身魚」に相当。そのため、切り身は淡白に見えがちですが、旨味が詰まっています。
さわらは、産卵後の夏以外は美味しく頂けるのですが、東西で味の好みが違うことから旬とされる時期が異なり、さわらの美味しさにも差があります。
・産卵期の春 → 関西:小さめサイズの刺身が主流、さっぱりとした旨味。
・脂肪を蓄えた冬 → 関東:霜降り状の大きなサイズの刺身が好まれる、マグロのトロを超える旨味とも称される。
時期や好みに応じて、季節ごとのさわらの美味しさを食べ比べてみては?