【二十四節気一覧】意味・季語・行事まで簡単に解説!2021年・2022年早見表付
2021/12/19
二十四節気(にじゅうしせっき)とは、古くから伝わる季節をあらわす言葉。春や春分、夏至など、現代の私たちの生活にも根付いています。
今回の記事では、二十四節気とはどのようなものなのかについて、簡単にわかりやすく解説します。
それぞれの季節があらわす意味や、行事・過ごし方、季語なども一緒にご紹介しますので、二十四節気への理解を深め、日本ならではの美しい季節の移ろいを感じてみましょう。
二十四節気 早見表
まずは2021年と2022年の二十四節気の日付を一覧にまとめました。日付は年によって1日程度前後するため、その年ごとにご確認ください。
なお、二十四節気とは、そもそも一年を24等分した「期間」をあらわすものですが、そのはじまりの「1日」のみを指して呼ぶことも。たとえば、「今日は立春です」といったニュースを耳にしたら、その日から立春がはじまると考えてください。
2021年 二十四節気
2021年(令和3年)の二十四節気は次の通りです。
(クリックすると詳細にジャンプします。)
2022年 二十四節気
2022年(令和4年)の二十四節気は次の通りです。
※2023年の二十四節気はまだ決まっていないため、冬至の期間終了日は掲載していません。二十四節気の日付は、前年2月の官報で発表される「暦要項」で決定します。
二十四節気とは?わかりやすく解説
二十四節気とは、古代中国で生まれた「季節の変化をあらわす指標」です。太陽の動きに合わせて一年を24等分し、24の季節をあらわしています。
旧暦(太陽太陰暦)では月の満ち欠けを基準として月日を決めていたため、暦(月日)と実際の季節にずれがありました。そこで、農業や日々の生活で使える季節の指標として、二十四節気が考えられたのです。
七十二候とは?
七十二候(しちじゅうにこう)とは、二十四節気をさらに細かく分けたものです。
二十四節気の一つひとつを「初候」「次候」「末候」の3つに分け、72の季節をあらわしています。
季節ごとの気象や生き物、植物などの変化を短い言葉で表現したもので、繊細な季節の移り変わりをイメージすることができます。
一年を4つの季節に分けたものが「四季」、24の季節に分けたものが「二十四節気」、72の季節に分けたものが「七十二候」と覚えてください。
子どもに伝えるなら
子どもに「二十四節気」や「七十二候」について伝えるには、どのように説明すれば良いでしょうか。小さな子どもにも分かるように、簡単な言葉でまとめてみました。
「日本には春・夏・秋・冬の4つの季節があって、季節によって暑くなったり寒くなったりするよね。でも、ある日突然、春から夏に変わるわけではなくて、毎日少しずつ暑くなっていくのは知っているかな? それで、昔の人たちは春夏秋冬をもっと細かくして、24の季節をあらわす言葉と、72の季節をあらわす言葉を作ったの。昔は今みたいにカレンダーがなかったから、この季節の言葉で、種まきをする時期や、収穫する時期を確認していたんだよ」
実際の季節感とずれがある理由
二十四節気は、実際の季節感とは少しずれがあります。たとえば、春のはじまりと言われる「立春」は2月4日頃なので、実際はまだ寒さが厳しい季節ですよね。
なぜこのようなずれがあるのかというと、二十四節気は古代中国の黄河中流域の気候に合わせて作られたものだからです。当時の中国と現在の日本の気候を比較すると、平均して1ヵ月ほどのずれがあります。
なお、古代中国のものをそのまま使用している二十四節気に対し、七十二候は日本の気候風土に合うように改訂されています。
二十四節気 一覧
二十四節気は「立春」からはじまり、春・夏・秋・冬のそれぞれに6つの節気があります。
一年を24の季節に分けているため、各節気の期間は約15日。たとえば、立春が2月4日、雨水が2月19日にはじまる場合、立春の期間は2月4日から2月18日までの15日間となります。
ここからは、二十四節気一つひとつについて、詳しくご紹介します。
立春(りっしゅん):2月4日頃~
意味
まだまだ寒さの厳しい時期ですが、暦の上では春のはじまりの季節です。二十四節気における最初の節気で、言い換えると一年のはじまりでもあります。立春を過ぎてから初めて吹く強い南風を「春一番」と言い、梅の花も咲きはじめ、春の気配が感じられるようになります。
行事・過ごし方
立春の日、厄除けとして「立春大吉」と書かれたお札を玄関先に貼る風習があります。
また、立春を迎えて最初に訪れる午の日は「初午(はつうま)」と言われ、五穀豊穣を祈って稲荷神社にお参りします。この日、各地の稲荷神社は「初午祭」と呼ばれるお祭りでにぎわいます。
七十二候
初候:東風解凍(はるかぜこおりをとく) 2月4日〜2月8日頃
暖かい春の風が吹いて、川や湖の氷を解かしはじめる頃。東風は「こち」と読み、春の風のことを指しています。
次候:黄鶯睍睆(うぐいすなく) 2月9日〜2月13日頃
ウグイスが「ホーホケキョ」と山里で鳴く頃。ウグイスは春告鳥(はるつげどり)とも呼ばれています。
末候:魚上氷(うおこおりをいずる) 2月14日〜2月18日頃
春の暖かい陽気で川や湖の氷が割れ、その氷の間から魚が跳ね上がる頃。
雨水(うすい):2月19日頃~
意味
雪が雨に変わり、降り積もっていた雪が解けはじめる季節。雪解け水が田畑を潤すため、昔から農作業の準備を始める時期の目安とされてきました。厳しい寒さも徐々にやわらいでいきます。
行事・過ごし方
3月3日は女の子の健やかな成長を願う「桃の節句」「ひな祭り」ですね。ひな人形には厄払い・お守りの意味があり、「雨水にひな人形飾ると、良縁に恵まれる」とされています。
また、梅の花が見頃を迎え、各地の名所では「梅まつり」が開催されます。
七十二候
初候:土脉潤起(つちのしょううるおいおこる) 2月19日〜2月23日頃
冷たい雪に覆われていた大地に、しっとりとした春の雨が降り、潤いを与える頃。
次候:霞始靆(かすみはじめてたなびく) 2月24日〜2月28日頃
霞(かすみ)がたなびきはじめ、遠くの山などの景色がぼやけてみえる頃。霞とは春に出る霧のことで、夜の霞は「朧(おぼろ)」と呼びます。
末候:草木萌動(そうもくめばえいずる) 3月1日〜3月4日頃
草木が芽吹きはじめる頃。土の中や木々の枝から、萌黄色(もえぎいろ)の新しい命が生まれます。
啓蟄(けいちつ):3月5日頃~
意味
厳しい冬を越えるため地中でじっとしていた虫たちが、春の陽気に誘われて外に出てくる季節。「啓」は「ひらく」、「蟄」は「虫が冬ごもりのため地中に隠れる」という意味です。この頃は、虫たちだけでなく植物にとっても目覚めの季節となります。
行事・過ごし方
3月16日は「十六団子の日」です。これは、東北地方や北陸地方で古くから伝わる伝統行事。この日、農耕の神様が山から降りてくるという言い伝えがあり、16個のお団子を神様にお供えして米の豊作を祈願します。
七十二候
初候:蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく) 3月5日〜3月9日頃
土の中で冬眠していた虫たちが、暖かい春の陽気を感じて、外に出てくる頃。
次候:桃始笑(ももはじめてさく) 3月10日〜3月14日頃
桃のつぼみが開き、花が咲きはじめる頃。昔は「咲く」を「笑う」と表現していたそうです。
末候:菜虫化蝶(なむしちょうとなる) 3月15日〜3月19日頃
青虫が羽化して、美しいモンシロチョウへと姿を変える頃。「菜虫」とは、大根などの葉っぱを食べる青虫のことを指しています。
春分(しゅんぶん):3月20日頃~
意味
春分のはじまりの日は、国民の祝日「春分の日」。自然をたたえ、生物をいつくしむ日とされています。この日、太陽は真東から昇って真西に沈み、昼と夜の長さがほぼ同じに。春分の日の前後3日を合わせた7日間を「お彼岸」と言い、先祖のお墓参りをする風習があります。
行事・過ごし方
春分の日を中日とした7日間は春のお彼岸で、お墓参りをする風習があります。春彼岸のお供え物といえば、ぼたもち。お供えしたものは「お下がり」として頂きましょう。
また、各地で桜の見頃を迎えるのもこの時期。待ちに待ったお花見シーズンの到来です。
七十二候
初候:雀始巣(すずめはじめてすくう) 3月20日〜3月24日頃
スズメが繁殖期を迎え、巣を作りはじめる頃。
次候:桜始開(さくらはじめてひらく) 3月25日〜3月29日頃
桜の花が咲きはじめる頃。各地から開花の便りが届き、本格的な春の到来です。
末候:雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす) 3月30日〜4月4日頃
春の訪れを告げる雷が鳴る頃。春先の雷は「春雷(しゅんらい)」と呼ばれ、ひょうが降りやすいという特徴も。
清明(せいめい):4月5日頃~
意味
清明は「清浄明潔(せいじょうめいけつ)」という言葉を略したもの。すべてのものが清らかで、明るく、生き生きとして見える季節です。花が咲いて春らしくなり、各地でお花見シーズンを迎えます。
行事・過ごし方
4月13日は「十三参り」を行う日です。十三参りとは、数え年で13歳になる子どもの成長を祝う行事。13番目の菩薩様とされる「虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)」にお参りし、知恵と福徳を授かります。関西で生まれた伝統行事ですが、近年では全国に広まりつつあります。
七十二候
初候:玄鳥至(つばめきたる) 4月5日〜4月8日頃
冬の間、暖かい南の国で過ごしていたツバメが、日本にやってくる頃。「玄鳥(げんちょう)」とはツバメの別名です。
次候:鴻雁北(こうがんかえる) 4月9日〜4月13日頃
ツバメと入れ違いで、冬を日本で過ごした雁(ガン・かり)が北へ帰る頃。雁は夏をはシベリアなどで子育てをして過ごします。
末候:虹始見(にじはじめてあらわる)4月14日〜4月19日頃
雨上がりにきれいな虹が見られる頃。春が深まるにつれて日差しが強くなり、空気が潤ってくるため、冬に比べて虹が出やすくなります。
穀雨(こくう):4月20頃~
意味
やわらかな春の雨が降り、穀物を潤す季節。この時期に種をまくと、雨に恵まれよく成長すると言われています。茶摘みの時期とされる「八十八夜」は立春から数えて88日目のことで、穀雨の終わりの5月2日頃にあたります。
行事・過ごし方
「夏も近づく八十八夜~♪」という茶摘みの歌でも知られる八十八夜は、毎年5月2日頃。霜が降りることが少なくなる時期なので、種まきや茶摘みを行います。八十八夜に摘んだ新茶を飲むと、長生きすると言われています。
七十二候
初候:葭始生(あしはじめてしょうず) 4月20日〜4月24日頃
水辺の葦(アシ)が芽吹きはじめる頃。「葭(ヨシ)」とは葦の別名で、古くから屋根やすだれに使われてきた、日本の生活に欠かせない植物です。
次候:霜止出苗(しもやんでなえいづる) 4月25日〜4月29日頃
暖かくなって霜が降りなくなり、稲の苗がすくすくと育つ頃。初夏に向けて、田植えの準備がはじまります。
末候:牡丹華(ぼたんはなさく) 4月30日〜5月4日頃
牡丹(ボタン)の花が咲く頃。美しい大輪の花を咲かせる牡丹は「百花の王」とも呼ばれています。
立夏(りっか):5月5日頃~
意味
暦の上では、夏のはじまりの季節。新緑が美しく、さわやかな風が吹き、夏の気配を感じることができます。だんだん気温が高くなっていきますが、暑すぎず湿度が低いため、一年の中で最も過ごしやすい気候といえます。
行事・過ごし方
立夏と重なることが多いのが、5月5日の「こどもの日」と「端午の節句」。端午の節句には男の子の健やかな成長を願い、こいのぼりを上げて、菖蒲湯(しょうぶゆ)に入る風習があります。
また、5月の第2日曜日は「母の日」です。日頃の感謝の気持ちを込めて、カーネーションを贈りましょう。
七十二候
初候:蛙始鳴(かわずはじめてなく) 5月5日〜5月9日頃
冬眠から目覚めたカエルが田んぼで鳴きはじめる頃。カエルの合唱は、初夏の風物詩ともいえます。
次候:蚯蚓出(みみずいづる) 5月10日〜5月14日頃
冬眠していたミミズが土の中から出てくる頃。ほかの生き物と比べると、すこし遅めです。ミミズは土を耕し、豊かな土壌を作ってくれる益虫とされています。
末候:竹笋生(たけのこしょうず) 5月15日〜5月20日頃
タケノコが土からひょっこり顔を出す頃。一般的に食べられている「孟宗竹(もうそうちく)」の旬は3月なので、ここで指しているのは5月にとれる「真竹(まだけ)」と考えられています。
小満(しょうまん):5月21日頃~
意味
太陽の光を浴びて、草木がすくすく成長し、生い茂る季節。あらゆる生命が大地に満ち、活気が溢れていきます。秋に種をまいた麦が収穫期を迎え、農家がほっと一安心(小さく満足)することから名付けられたという説も。稲作農家では田植えの準備で大忙しになります。
行事・過ごし方
6月1日は、衣替えの時期。いよいよ学校の制服も夏服になります。
また、潮干狩りのシーズンを迎えるのもこの頃。特に満月の前後は潮の干満の差が大きな「大潮」となり、多くの貝が見つかりやすいのでおすすめです。
七十二候
初候:蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ) 5月21日〜5月25日頃
卵から孵化した蚕(かいこ)が、桑の葉をたくさん食べて成長する頃。蚕がつむぐ繭(まゆ)から作られるのが、絹糸(シルク)ですね。
次候:紅花栄(べにばなさかう) 5月26日〜5月30日頃
紅花(ベニバナ)が咲きほこる頃。黄色から赤色に変わる鮮やかな花です。しかし、実際に紅花が花盛りを迎えるのは7月頃。そのため、ここでは5月末に咲く赤い花「サツキツツジ」を指しているのではないかとも言われています。
末候:麦秋至(むぎのあきいたる) 5月31日〜6月4日頃
麦が実り、黄金色の穂をつける頃。穀物の収穫時期といえば秋ですが、麦にとっての「収穫の秋」は初夏なのです。
芒種(ぼうしゅ):6月5日頃~
意味
田植えをしたり、穀物の種をまいたりする季節。「芒(のぎ)」とは、イネ科の植物の穂先にある毛のような部分のことです。この時期、西日本を中心に梅雨入りを迎えます。
行事・過ごし方
6月の第3日曜日は「父の日」です。母の日にはカーネーションを贈りますが、父の日には黄色いバラを贈るのが一般的。子どもと一緒に、お父さんの似顔絵や手形足形アートを作ってプレゼントするのもおすすめです。
七十二候
初候:蟷螂生(かまきりしょうず) 6月5日〜6月9日頃
カマキリが誕生し、姿を見せはじめる頃。卵鞘(らんしょう)と呼ばれるふ菓子のような卵から、数百匹の赤ちゃんが生まれます。
次候:腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)6月10日〜6月15日頃
湿気が多くなり蒸れて腐りかけた草の下で、ホタルが明かりを灯す頃。昔は、腐った草がホタルになると考えられていたそうで、「腐草(クチクサ)」は蛍の別名にもなっています。
末候:梅子黄(うめのみきばむ) 6月16日〜6月20日頃
梅の実が薄黄色に色づき、熟してくる頃。ちょうど梅雨入りの時期でもあります。梅雨という言葉の由来は諸説ありますが、「梅の実が熟す頃に降る雨」という意味で付けられたという説があります。
夏至(げし):6月21日頃~
意味
北半球において、一年のうちで最も高く太陽が昇り、昼の時間が最も長くなる日。これは地球が太陽に向かって傾いているためで、南半球ではこの日、昼の時間が最も短くなります。また、北極圏では太陽が一日中沈まない「白夜」、南極圏では太陽が昇らない「極夜」となります。
行事・過ごし方
一年の折り返し地点にあたる6月30日には、各地の神社で「夏越の祓(なごしのはらえ)」が行われます。これは、半年間の穢れ(けがれ)を落とし、残りの半年間の無病息災を祈願する伝統行事です。
また、夏至の日の夜には、照明を消してキャンドルを灯す「キャンドルナイト」も全国各地で行われます。
七十二候
初候:乃東枯(なつかれくさかるる) 6月21日〜6月25日頃
冬至の頃に芽を出したウツボグサが枯れる頃。「乃東(ダイトウ)」とはウツボグサの古名で、夏に枯れることから「夏枯草(カゴソウ)」とも呼ばれています。
次候:菖蒲華(あやめはなさく) 6月26日〜6月30日頃
アヤメ(ハナショウブ)が花を咲かせる頃。同じ字を書きますが、端午の節句に用いられる「菖蒲(ショウブ)」とは別の植物です。
末候:半夏生(はんげしょうず) 7月1日〜7月6日頃
烏柄杓(カラスビシャク)が生えはじめる頃。「半夏(ハンゲ)」は烏柄杓の別名です。農作業の節目として、この時期までに田植えを終えるのが良いとされていました。
小暑(しょうしょ):7月7日頃~
意味
梅雨明けが近付き、少しずつ暑さが厳しくなっていく季節。セミも鳴きはじめ、じめじめとした湿気の中に、夏の熱気を感じられるようになります。
行事・過ごし方
7日7日は「七夕」で、願いごとを書いた短冊を笹に吊るす風習があります。織姫と彦星が年に一度だけ、天の川を渡って会うことが許された日とされています。
また、日本三大祭りのひとつ「祇園祭」が行われるのもこの時期。7月1日から1ヵ月続く長いお祭りで、なかでも17日(前祭)と24日(後祭)の山鉾巡行(やまほこじゅんこう)には、多くの人が訪れます。
七十二候
初候:温風至(あつかぜいたる) 7月7日〜7月11日頃
熱い風が吹きはじめる頃。温風とは南風のことで、だんだんと蒸し暑い日が増えていきます。
次候:蓮始開(はすはじめてひらく) 7月12日〜7月16日頃
蓮(ハス)のつぼみが開き、花を咲かせる頃。水面に咲く美しい花を見られるのは、早朝から昼過ぎの短い間だけ。そして、たった3~4日で散ってしまいます。
末候:鷹乃学習(たかすなわちわざをなす) 7月17日〜7月22日頃
5~6月に孵化した鷹の雛(ひな)が飛ぶことを覚える頃。獲物の捕り方を覚え、巣立ちの準備をします。
大暑(たいしょ):7月23日頃~
意味
夏の暑さが本格的になる季節。立秋前の18日を「夏の土用」と言い、この期間中の「丑の日」にはウナギを食べる風習があります。また、夏の土用の18日間を「暑中」と呼び、一年のうちで最も暑さの厳しい時期とされています。
行事・過ごし方
土用の丑の日には、夏バテ予防として、栄養価の高いウナギを食べる風習があります。
また、暑中見舞いを出すのもこの時期。次の節気「立秋」までに届くように出すのが通例です。離れていてもメールやSNSで気軽に繋がれる時代ですが、手書きならではの温かみがあります。いつもお世話になっている方の健康を気遣い、筆を執ってみてはいかがでしょうか。
七十二候
初候:桐始結花(きりはじめてはなをむすぶ) 7月23日〜7月27日頃
春に開花した桐の花が、実を結びはじめる頃。桐は高級タンスに使われるほか、500円硬貨にも描かれています。
次候:土潤溽暑(つちうるおうてむしあつし) 7月28日〜8月1日頃
土が湿って、じめじめと蒸し暑くなる頃。「溽暑(じょくしょ)」とは、蒸し暑さをあらわす晩夏の季語です。
末候:大雨時行(たいうときどきにふる) 8月2日〜8月6日頃
夕立や台風など、ときどき激しい雨が降る頃。夏の風物詩である入道雲は、夕立のサインです。
立秋(りっしゅう):8月7日頃~
意味
まだまだ暑い日が続きますが、暦の上では秋のはじまりの季節。ふとした瞬間に、秋の気配が感じられるようになります。立秋以降の暑さを「残暑」と呼び、季節の挨拶は「暑中見舞い」から「残暑見舞い」に変わります。
行事・過ごし方
健康を気遣って送る便り「暑中見舞い」は、立秋以降は「残暑見舞い」に変わります。
また、立秋に入って1週間ほどするとお盆です。お盆とは先祖の霊を家に迎えて供養する行事。一年に一度、先祖があの世から帰ってくる日ですね。各地では盆踊りが開催されます。
七十二候
初候:涼風至(すずかぜいたる) 8月7日〜8月11日頃
涼しい風が吹きはじめる頃。日中はまだ暑い時期ですが、朝晩の風に秋の訪れを感じることができます。
次候:寒蝉鳴(ひぐらしなく) 8月12日〜8月16日頃
ヒグラシが「カナカナ」と鳴く頃。朝晩の涼しい時間に鳴き、夏の終わりを感じさせます。
末候:蒙霧升降(ふかききりまとう) 8月17日〜8月22日頃
深い霧が立ち込める頃。朝夕にはひんやりとした空気となり、霧に包まれた風景は幻想的です。春は「霞(かすみ)」、秋は「霧(きり)」と季節によって呼び方が変わります。
処暑(しょしょ):8月23日頃~
意味
「処暑」とは「暑さがおさまる」という意味。日中はまだ暑い日もありますが、朝晩には涼しい風が吹き、子どもたちの夏休みも終わりです。穀物が実りはじめる頃ですが、台風が発生しやすいシーズンに入るため、天候には注意が必要です。
行事・過ごし方
雑節の一つである「二百十日(にひゃくとおか)」は、立春から数えて210日目、新暦の9月1日頃にあたります。稲が開花するこの時期、台風が発生することが多かったため、農家にとっては警戒すべき厄日とされてきました。そこで、二百十日の前後には、農作物を風の被害から守るために神に祈願する「風祭り」が各地で行われます。
七十二候
初候:綿柎開(わたのはなしべひらく) 8月23日〜8月27日頃
綿を包む「柎(はなしべ)」が開く頃。柎とは、花のがくのことです。柎が開くと、中からふわふわとした白い綿毛が姿をあらわれます。
次候:天地始粛(てんちはじめてさむし) 8月28日〜9月1日頃
ようやく夏の暑さがおさまりはじめる頃。「粛」には、おさまる、弱まるという意味があります。
末候:禾乃登(こくものすなわちみのる) 9月2日〜9月6日頃
稲などの穀物が実り、黄色く色づく頃。「禾(いね・のぎ)」とは穀物の穂先の毛のことです。
白露(はくろ):9月7日頃~
意味
朝の草花に露がつきはじめる季節。昼と夜の気温差が大きくなり、朝晩には空気中の水蒸気が水滴になります。この露が草花に宿り、朝日を浴びて白く輝いて見えることを、昔の人は「白露」と表現しました。
行事・過ごし方
9月9日は重陽(ちょうよう)の節句。奇数は縁起が良いとされ、なかでも最も大きい9が重なる日を「重陽」と定めました。菊酒を飲むなどして、長寿を祈願する風習があります。
また、9月の第3月曜日は敬老の日。老人を敬愛し、長寿を祝う国民の祝日です。
さらに、年によって日にちが変わりますが、旧暦8月15日は満月で「中秋の名月」「十五夜」と呼びます。ススキと月見団子をお供えして、お月見を楽しみましょう。
七十二候
初候:草露白(くさのつゆしろし) 9月7日〜9月11日頃
草に降りた朝露が白く光って見える頃。朝晩に気温が下がると、空気中の水蒸気が水滴になり、陽の光を浴びてキラキラと見えます。
次候:鶺鴒鳴(せきれいなく) 9月12日〜9月16日頃
鶺鴒(セキレイ)が「チチッチチッ」と鳴く頃。水辺を好む小鳥で、長い尾を上下に振り、地面を叩くようにして歩くことから「イシタタキ」とも呼ばれています。
末候:玄鳥去(つばめさる) 9月17日〜9月22日頃
春先に日本にやってきたツバメが、子育てを終えて、暖かい南の国へ帰っていく頃。「玄鳥(げんちょう)」とはツバメの別名です。
秋分(しゅうぶん):9月23日頃~
意味
秋分のはじまりの日は、国民の祝日「秋分の日」。祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ日とされています。春分の日と同じように、昼と夜の長さがほぼ同じになり、前後3日間を合わせた7日間は「お彼岸」です。「暑さも寒さも彼岸まで」という言葉にあるように、残暑も落ち着き、季節は少しずつ冬へと向かっていきます。
行事・過ごし方
秋分の日を中日とした7日間は秋のお彼岸。先祖を供養し、お墓参りをする風習があります。お供え物には、おはぎを用意しましょう。
また、10月1日は衣替えですね。小さな子どもは成長が早いので、「冬服がサイズアウトしていた!」ということもしばしば。早めに冬服を準備しておくと安心です。
七十二候
初候:雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ) 9月23日〜9月27日頃
春から夏にかけて鳴り響いていた雷が鳴らなくなる頃。空には、夏の入道雲に代わって、うろこ雲が出るようになります。
次候:蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ) 9月28日〜10月2日頃
外で活動していた虫たちが、冬ごもりのために土にもぐり、入口の戸をふさぐ頃。春先の啓蟄(けいちつ)の頃に、再び姿をあらわします。
末候:水始涸(みずはじめてかるる) 10月3日〜10月7日頃
田んぼに張っていた水を抜き、稲刈りの準備をする頃。稲穂が黄金色に輝き、収穫の秋を迎えます。
寒露(かんろ):10月8日頃~
意味
秋が深まり、草木に冷たい露が降りる季節。朝晩はぐっと冷え込みますが、空気が澄み渡り、秋晴れの過ごしやすい日が多くなります。稲刈りが終わる頃で、その他の農作物も収穫時を迎え、農家の繁忙期にあたります。
行事・過ごし方
10月の第2月曜日は、国民の祝日「スポーツの日」です。2020年に「体育の日」から名称変更されました。
また、旧暦の9月13日に行うお月見のことを「十三夜(じゅうさんや)」と言います。中国から伝えられた十五夜に対して、十三夜は日本独自の風習で、日本では昔からどちらも大切にされてきました。年によって日にちが変わり、10月中旬から11月初旬頃となります。
七十二候
初候:鴻雁来(こうがんきたる) 10月8日〜10月12日頃
夏の間、シベリアなどの北の国で過ごした雁(ガン・かり)が日本へやってくる頃。毎年、初めて渡ってくる雁を「初雁(はつかり)」と呼びます。
次候:菊花開(きくのはなひらく) 10月13日〜10月17日頃
菊の花が咲きはじめる頃。菊は日本の秋を代表する花で、各地で菊まつりや品評会が行われます。
末候:蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり) 10月18日〜10月22日頃
蟋蟀が戸口で鳴く頃。昔は「蟋蟀(コオロギ)」のことを「キリギリス」と呼び、蟋蟀は秋に鳴く虫の総称としても使われていました。
霜降(そうこう):10月23日頃~
意味
北国や山里では霜が降りはじめる季節。空気中の水蒸気が水滴に変わる「露」に対して、氷点下になって「氷」になるのが「霜」です。秋も終わりに近づき、紅葉がはじまります。
行事・過ごし方
11月の酉の日に、関東各地の鷲(おおとり)神社で行われるお祭り「酉の市」。縁起物の熊手が露店に並び、商売繁盛を願う人々でにぎわいます。
また、山が紅葉で色づく様子をあらわす「山粧う(やまよそおう)」という言葉がぴったりの、紅葉狩りのベストシーズンを迎えます。
七十二候
初候:霜始降(しもはじめてふる) 10月23日〜10月27日頃
霜が初めて降りる頃。霜とは、空気中の水蒸気が冷えて氷の結晶になったもの。朝晩の気温がぐっと下がる時期です。
次候:霎時施(こさめときどきふる) 10月28日〜11月1日頃
ときどき小雨が降る頃。「霎」とは、秋から冬にかけて降る「時雨(しぐれ)」のこと。ぱらぱらと降り、すぐに止んでしまう通り雨です。
末候:楓蔦黄(もみじつたきばむ) 11月2日〜11月6日頃
もみじや蔦(ツタ)の葉が色づきはじめる頃。秋が深まるにつれ、山々は赤や黄色に染まっていき、紅葉狩りの季節がやってきます。
立冬(りっとう):11月7日頃~
意味
暦の上では、冬のはじまりの季節。この頃には冬型の気圧配置になり、「木枯らし」と呼ばれる北風が吹きます。冬の気配が感じられるようになり、北国からは初雪の知らせが届きはじめます。
行事・過ごし方
11月15日は七五三です。七五三は子どもの成長を感謝するために氏神様に挨拶をするイベント。数え年で、男の子は3歳と5歳、女の子は3歳と7歳の年に、神社へお参りをします。
また、立冬に近い「亥の子の日」には、こたつ開きをする風習があります。亥の子の日とは、亥の月(旧暦10月)の最初の亥の日のこと。真冬の寒さにそなえて、暖房器具の準備をしましょう。
七十二候
初候:山茶始開(つばきはじめてひらく) 11月7日〜11月11日頃
山茶花(サザンカ)が咲きはじめる頃。読みは「ツバキ」ですが、ここではツバキ科の「サザンカ」のことを指しています。
次候:地始凍(ちはじめてこおる) 11月12日〜11月16日頃
大地が凍りはじめる頃。あぜ道などでは、地中の水分が地表へと吸い上げられて凍り、霜柱ができます。
末候:金盞香(きんせんかさく) 11月17日〜11月21日頃
水仙の花が咲き、上品な香りがする頃。ここでは「金盞花(キンセンカ)」という花ではなく、真ん中にある筒状の副花冠(ふくかかん)を持つ「水仙」のことを指しています。
小雪(しょうせつ):11月22日頃~
意味
木々の葉が落ち、雪がちらつきはじめる季節。ただし、まだ積もるほども降らないため「小雪」と呼ばれるのだそうです。徐々に冷え込みが厳しくなっていきますが、日中は春のように暖かい「小春日和(こはるびより)」になることも。
行事・過ごし方
11月23日には、秋の収穫を感謝する「新嘗祭(にいなめさい)」が行われます。日本書紀にも記されている古い伝統行事で、宮中祭祀(きゅうちゅうさいし)として皇居で行われるほか、伊勢神宮をはじめとする全国の神社でも行われます。戦後は「勤労感謝の日」として国民の祝日になりました。
また、小雪はお歳暮の準備も始める時期でもあります。もとは「正月事始め」とされる12月13日から贈るのがならわしでしたが、最近では11月下旬から贈る人も増えています。
七十二候
初候:虹蔵不見(にじかくれてみえず) 11月22日〜11月26日頃
虹を見かけなくなる頃。虹は、太陽の光が空気中の水滴に反射して見えるものなので、日差しが弱まり空気が乾燥すると、虹があらわれにくくなります。
次候:朔風払葉(きたかぜこのはをはらう) 11月27日〜12月1日頃
冷たい北風が木の葉を散らす頃。「朔風(さくふう)」とは北風のことです。地面には落ち葉の絨毯(じゅうたん)ができます。
末候:橘始黄(たちばなはじめてきばむ) 12月2日〜12月6日頃
橘(タチバナ)の実が黄色く色づきはじめる頃。橘とは柑橘類の一種です。枯れることのない常緑樹のため、古くから「永遠」の象徴とされてきました。
大雪(たいせつ):12月7日頃~
意味
大雪の降る季節で、本格的な冬の到来です。山だけでなく、平地にも雪が積もるようになります。日は短くなっていき、寒さが厳しさを増して、川や池に氷が張ることも。動物たちは冬ごもりを始めます。
行事・過ごし方
12月13日は新しい年の準備を始める「正月事始め」です。一年でたまった煤(すす)やホコリを落とす「煤払い」をするほか、昔は門松やお雑煮を炊くための薪を山へ取りに行く「松迎え」をする日でもありました。煤払いとは単なる大掃除ではなく、年神様をお迎えする神聖な行事です。まずは神棚を清めることから始めましょう。
七十二候
初候:閉塞成冬(そらさむくふゆとなる) 12月7日〜12月10日頃
空を塞ぐように厚い雲が広がり、本格的な冬が訪れる頃。今にも雪が降り出しそうな、雲に覆われた空模様のことを「雪曇り」と言います。
次候:熊蟄穴(くまあなにこもる) 12月11日〜12月15日頃
熊が冬ごもりのため、穴に入る頃。実りの秋に栄養価の高い木の実をたくさん食べて、穴の中で春が来るのをじっと待ちます。
末候:鱖魚群(さけのうおむらがる) 12月16日〜12月21日頃
鮭が群がって川を上る頃。川で生まれ、海で育った鮭は、産卵のために自分の生まれた川へ里帰りします。
冬至(とうじ):12月22日頃~
意味
北半球において、一年のうちで太陽の位置が最も低くなり、夜の時間が最も長くなる日。言い換えると、太陽の出ている時間が最も短くなる日で、「寒さはこの頃から厳しくなる」とも言われています。冬至を境にだんだんと日脚が伸びていくため、かつては冬至が一年のはじまりと考えられていました。
行事・過ごし方
冬至には、栄養価の高いかぼちゃを食べたり、柚子を浮かべたお風呂「ゆず湯」に入ったりして、無病息災を願う風習があります。柚子は血行促進や冷え性改善の効果があり、「ゆず湯に入ると風邪をひかない」と言われています。
次の節気「小寒」までの期間は、クリスマス、大晦日、お正月と、イベントが目白押しです。
七十二候
初候:乃東生(なつかれくさしょうず) 12月22日〜12月25日頃
ウツボグサが芽を出す頃。冬至の頃に芽が出て、夏至の頃には枯れてしまうことから「夏枯草(カゴソウ)」とも呼ばれています。
次候:麋角解(おおしかのつのおつる) 12月26日〜12月30日頃
大鹿の角が落ちる頃。メスには角はありませんが、オスの角は一年に一度、根元から抜け落ち、春にはまた新しい角が生えはじめます。
末候:雪下出麦(ゆきわたりてむぎいづる) 12月31日〜1月4日頃
降り積もった雪の下で麦が芽を出す頃。麦は秋に種をまき、冬を越して、初夏に収穫する越年草です。
小寒(しょうかん):1月5日頃~
意味
寒さが次第に厳しくなっていく季節。川や湖の氷も厚みを増します。小寒のはじまりの日を「寒の入り(かんのいり)」、小寒から大寒までの約1ヵ月間を「寒中」「寒の内」と言い、一年で最も寒さの厳しい時期とされています。
行事・過ごし方
1月7日は「人日(じんじつ)の節句」です。この日の朝は、春の七草を入れた「七草粥」を食べて、一年の無病息災を願う風習があります。
また、寒中見舞いを出すのもこの時期。正月を祝う期間とされる松の内(1月7日まで)を過ぎてしまった場合や、喪中にもらった年賀状への返事は、寒中見舞いとして立春までに出しましょう。
七十二候
初候:芹乃栄(せりすなわちさかう) 1月5日〜1月9日頃
芹(セリ)がすくすくと育つ頃。芹は「春の七草」のひとつで、1月7日に七草粥に入れて食べます。
次候:水泉動(しみずあたたかをふくむ) 1月10日〜1月14日頃
地中で凍っていた泉の水が解けて、動きはじめる頃。「水泉」とは、湧き出る水のことです。
末候:雉始雊(きじはじめてなく) 1月15日〜1月19日頃
雉(キジ)が鳴きはじめる頃。オスの雉が「ケーンケーン」と甲高い声で鳴き、メスに求愛します。
大寒(だいかん):1月20日頃~
意味
二十四節気における24番目の節気で、一年で最も寒さが厳しい季節。大寒が終わることを「寒の明け(かんのあけ)」と言い、暦上の春がやってきます。大寒の最後の日が「節分」で、翌日からは立春です。
行事・過ごし方
大寒の最後の日は「節分」で、豆まきをして、恵方巻を食べる風習があります。
また、一年で最も寒いとされるこの時期には、寒さに耐えて精神を鍛える「寒稽古」や「寒中水泳」が行われるほか、寒天・酒・味噌などの寒さを利用した食べ物を仕込みます。
七十二候
初候:款冬華(ふきのはなさく) 1月20日〜1月24日頃
雪の下から、ふきのとうが顔を出す頃。ふきのとうとは、蕗(ふき)のつぼみのこと。ほろ苦い風味が特徴です。
次候:水沢腹堅(さわみずこおりつめる) 1月25日〜1月29日頃
寒さが厳しく、沢の水が厚くはりつめる頃。一年で最も寒い時期となり、氷点下に達する地域も。
末候:鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく) 1月30日〜2月3日頃
鶏が春の気配を感じて、卵を産みはじめる頃。養鶏が中心となった現代では年中鶏卵が出回っていますが、鶏の産卵期は本来、春から夏にかけてです。
二十四節気に季語はある?
続いて、それぞれの季節に使える「季語」をご紹介します。
季語とは季節をあらわす言葉で、時候や地理、人々の生活、動植物などに関する言葉を用いて「春・夏・秋・冬・新年」の5つの季節を表現しています。俳句に用いられるだけでなく、手紙の冒頭で「時候の挨拶」として使われるものも。
季語は全部でおよそ8000個あると言われていますが、ここではその一部をご紹介。二十四節気を理解してから見てみると、それぞれの季節の情景をイメージしやすくなりますよ。
春の季語
春(立春、雨水、啓蟄、春分、清明、穀雨)に使える季語は次の通りです。
春の日、春の夜(はるのよ)、麗か(うららか)、日永(ひなが)、春暁(しゅんぎょう)
長閑(のどか)、淡雪(あわゆき)、朧月(おぼろづき)、陽炎(かげろう)、霞(かすみ)
東風(こち)、春雷(しゅんらい)、春雨(はるさめ)、山笑う(やまわらう)、春の海
春愁(しゅんしゅう)、春眠(しゅんみん)、摘草(つみくさ)、遍路(へんろ)、鶯(うぐいす)
雉(きじ)、囀(さえずり)、蝶(ちょう)、蛤(はまぐり)、雲雀(ひばり)
木の芽(このめ)、菫(すみれ)、椿(つばき)、芹(せり)、若布(わかめ)
夏の季語
夏(立夏、小満、芒種、夏至、小暑、大暑)に使える季語は次の通りです。
暑し、涼し、短夜(みじかよ)、青嵐(あおあらし)、風薫る(かぜかおる)
虹、夕立、雲の峰(みね)、雷、南風
夏野(なつの)、夏の山、滝、鵜飼(うかい)、扇(おうぎ)
蚊帳(かや)、草刈(くさかり)、簾(すだれ)、心太(ところてん)、風鈴
浴衣、祭り、蝸牛(かたつむり)、鮎(あゆ)、金魚
目高(めだか)、時鳥(ほととぎす)、青葉、夏草(なつくさ)、万緑
秋の季語
秋(立夏、小満、芒種、夏至、小暑、大暑)に使える季語は次の通りです。
秋の暮(くれ)、爽やか、夜長(よなが)、秋風、天高し
秋の雨、秋晴(あきばれ)、秋の声、鰯雲(いわしぐも)、稲妻(いなずま)
霧、月、露、山粧う(やまよそおう)、水澄む(みずすむ)
花野(はなの)、秋思(しゅうし)、案山子(かかし)、虫、渡り鳥
鰯(いわし)、鮭、蜻蛉(とんぼ)、芋、梨
稲、芒(すすき)、狗尾草(えのころぐさ)、菊、露草
冬の季語
冬(立冬、小雪、大雪、冬至、小寒、大寒)に使える季語は次の通りです。
霜夜(しもよ)、冷たし、寒し、凍る、冴ゆ(さゆ)
短日(たんじつ)、冬の夜(ふゆのよ)、冬の月、北風、空風(からかぜ)
霜(しも)、霰(あられ)、霙(みぞれ)、枯野(かれの)、冬の山
水涸る(みずかる)、山眠る、炬燵(こたつ)、雑炊(ぞうすい)、焚火(たきび)
冬籠(ふゆごもり)、湯豆腐、牡蠣、狐(きつね)、河豚(ふぐ)
鰤(ぶり)、落葉(おちば)、木の葉(このは)、大根、蜜柑(みかん)
新年の季語
新年(1月1日から1月15日ごろまで)に使える季語は次の通りです。
初春(はつはる)、正月、元日、元旦、三が日
松の内、初空(はつそら)、初日(はつひ)、初富士、初景色
初夢、初詣で、十日戎(とおかえびす)、かまくら、初市(はついち)
初鏡(はつかがみ)、初湯(はつゆ)、お年玉、年賀、寝正月
福笑い、独楽(こま)、羽子板(はごいた)、歌留多(かるた)、福引
鏡餅、雑煮、数の子、伊勢海老、七草(ななくさ)
二十四節気 覚え方
最後に、二十四節気の覚え方をご紹介します。
「たくさんあって覚えられない」という方も、コツをつかめば意外と簡単です!
季節ごとの情景をイメージしながら、楽しく覚えましょう。
覚え方① リズムに乗せて覚えよう
24個を一気に覚えようとすると大変なので、覚えやすい節気から覚えます。
四立(しりゅう):立春・立夏・立秋・立冬
二至二分(にしにぶん):春分・夏至・秋分・冬至
三大小:小暑・大暑、小雪・大雪、小寒・大寒
まずは四立。「立」という字には「始まる」という意味があり、各季節がはじまる日です。
次に、各季節の4番目にあたるのが二至二分で、どれも聞き覚えがあると思います。
そして、三大小と呼ばれる6つは、「小」と「大」がセットになった節気です。
ここまで覚えたら、残るは10個だけ。リズムに乗せてラップのように唱えてみましょう。テンポよく繰り返すと、頭に入りやすくなりますよ。
「うすい・けいちつ・せいめい・こくう!
(雨水) (啓蟄) (清明) (穀雨)
しょうまん・ぼうしゅ・しょしょ・はくろ!
(小満) (芒種) (処暑) (白露)
かんろ・そうこう!
(寒露) (霜降)」
最後に、これらを季節ごとに並べます。四立は1番目、二至二分は4番目。三大小は「暑」「雪」「寒」という気候のイメージで順番を覚えましょう。あとは残った10個を穴埋めすれば完成です!
【春】 立春・雨水・啓蟄・春分・清明・穀雨
【夏】 立夏・小満・芒種・夏至・小暑・大暑
【秋】 立秋・処暑・白露・秋分・寒露・霜降
【冬】 立冬・小雪・大雪・冬至・小寒・大寒
覚え方② 季節のイメージで覚えよう
一つひとつの節気があらわす意味を理解して、2節気ずつ(1ヵ月ごと)に季節の移り変わりをイメージしながら覚えましょう。言葉とイメージの結びつきが明確になると、覚えるのが簡単になりますよ。
2月 | 立春・雨水 | 春がはじまり、雪が雨に変わる
3月 | 啓蟄・春分 | 虫が出てきて、春本番
4月 | 清明・穀雨 | 明るく清らか、穀物に雨
5月 | 立夏・小満 | 夏がはじまり、すこし満足
6月 | 芒種・夏至 | 種をまいたら、夏本番
7月 | 小暑・大暑 | 暑さがだんだん厳しくなる
8月 | 立秋・処暑 | 秋のはじまり、まだ暑い
9月 | 白露・秋分 | 露がついたら、秋本番
10月| 寒露・霜降 | 露が冷たくなり、霜に変わる
11月| 立冬・小雪 | 冬がはじまり、雪が降りはじめる
12月| 大雪・冬至 | 大雪が降ったら、冬本番
1月 | 小寒・大寒 | 寒さがだんだん厳しくなる
まとめ
あまり聞きなれなかった二十四節気も、その意味を知ることで、今までよりも身近なものになるのではないでしょうか。
季節は日々変化しています。日々の暮らしの中でほんの少し意識してみると、きっと新たな発見があるはずです。日本ならではの繊細で美しい季節の移ろいを、ぜひ楽しんでください。