増えつつある「相談女」の脅威、家族を守るために妻はどうすればいい?
2024/07/15
「相談女」なる存在に悩まされる妻が増えているそうです。「恋人・夫婦仲相談所」の所長である三松真由美さんに、「相談女」の実態と対策について解説してもらいます。
日常が戻るとともに増えつつある「相談女」の脅威
まずは、私の相談所に寄せられた以下の相談をご覧ください。
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夫が最近、会社の後輩の女性と頻繁に食事に行っています。外泊をしたり、休日に出かけたりすることはないのですが、この1カ月で3回も、会社の帰りに2人で飲みに行っています。
夫は正直に「今日は会社の後輩と食事をするから」と連絡をくれるので「まさか、浮気じゃないよね」と冗談めかして聞いてみたんです。すると「会社の後輩から『彼氏とどうしたら仲直りできるか相談したい』って言われてるんだ。自分の彼氏と仲直りしたいって話だから、俺は全然恋愛の対象外だよ」と言います。
とはいえ1度ならともかく、月に3度も食事なんて、ちょっと怪しいと思うのですが……どう思われますか。私は夫にどんな対応をすればいいでしょうか?
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みなさんはこれを読んでどう感じましたか。これは典型的な「相談女」の事例であると、私は判断しました。
「相談女」とは、狙った相手に「〇〇さんに聞いてもらいたい相談があるんです」と持ち掛けて誘い込む女性のこと。相手のことが本気で好きだから仕掛けてくる女性もいれば、単に狙った相手を落とすことだけをゲームのように楽しむタイプもいます。
この「相談女」に関わる問題、近年にわかに増えてきているようで、何度かテレビ番組からもコメントを依頼されました。
今回はそんな「相談女」の傾向と対策についてご紹介します。
「相談女」の特徴をタイプ別に解説
まずは「相談女」のタイプについて知っておきましょう。
タイプ1.承認欲求が強い女王様
インスタには「〇〇カフェに行っちゃいました~」などと人気の映えスポットの写真がずらり。自分が一番目立ちたい。イイねとたくさん言われないと気が済まない性格で、常にちやほやされたいタイプ。周囲にマウントを取るような言動もよく見られます。芸能人、モデルに憧れているかたが多い。
タイプ2.ネガティブ思考のかまってちゃん
TwitterなどのSNSで「消えたい」「もう無理」「毎日眠れない」「助けて」など、病みツイートを頻繁に投稿。とにかくネガティブなことを言って、みんなからの心配されるリアクションを欲しがる傾向があります。心配されると安心する。気持ちがやすらぐ。彼にどっぷり頼る。依存型恋愛にはまってきたタイプです。
タイプ3.ハンター
すでに彼女がいる男性、既婚男性にターゲットを絞って奪いに来るハンター型です。本気で妻から取ってやると燃える人もいますが、手中に入った達成感で満足し、あっさりサヨナラするタイプが多数。「え?俺はなんだったの」とキョトンとなる男性の話をよく聞きます。
タイプ4.自称サバサバ
脳内でイメージしているのは米倉涼子さんや篠原涼子さんに代表されるようなサバサバした女性像。「女性はネチネチしていて自分と合わないの。男性の方がさっぱりしてて考え方が合うの」とサバサバした性格を売りに、男性に対して同士のようにグイグイ来る特徴が見られます。
恐るべき「相談女」の手口
上記のとおり、「相談女」にはさまざまなタイプがありますが、相手を陥れるパターンはほぼ共通しています。
まず、彼女たちは「自分には夫や彼といったパ―トナーがいる」という「浮気ではない」が前提とあったうえで、「パートナーに関する悩み」という形で相談を仕掛けてきます。
すると相談されたほうは「すでに相手がいるので、自分に対して恋愛感情はないはず」と警戒心を解き、簡単に誘いに乗ってしまいがちです。また、相談テーマを男性に設定することで「男性の意見を聞きたいから」「女性に相談してもわからないので」などと、男性に近づく理由づけもしやすくなります。
そして最初は会社内での相談からスタートし、そのうちに「会社では話しづらいので、別のところで……」と1対1でのカフェや食事などに持ち込んでいきます。
相談された男性は「困っている女性から信頼され、頼りにされている自分」という満足感と“酷いパートナー”から被害を受けているという相談女への同情が、いつしか愛情に変わっていきます。
そしてそうなったときには、すでに「相談女」の術中にはまってしまっているのです。
「相談女」の脅威に対して、妻はどうすればいい?
最後に、自分の夫が「相談女」のターゲットになっているかも!?と気づいたときに、妻がどのように対応すべかを考えます。
まず前提として、夫に「相談女」の影を感じたときはまず、「相談女」という存在がこの世にはいる、という事実をしっかりと伝えましょう。そのうえで、以下のアドバイスに従って行動してみください。
1.相手の相談に本気にならないように伝える
「相談女」の術中にはまり本気で心配しているパートナーに、冷静になるように声をかけてあげましょう。
たとえば「彼女と彼氏の両方の話を聞いてみないと、真実はわからないよね。あんまり彼女の言葉だけを信用しないほうがいいんじゃない?」と客観的に事実をとらえるようにアドバイスするとよいでしょう。
ただし、あまり相手を悪く言うと「○○さんは本気で困っているのに、お前はそんなことを言うのか」と、こちらがいかにも冷酷でひどい人である、あるいは嫉妬にかられて適当なことを言っていると受け取られる可能性があります。
それを避けるためには「相談女」の言葉を尊重するふりもしながら「でも、そういう相談は会社でもできるよね」「1対1で何度も食事をしたら、相手女性の彼氏もよく思わないんじゃない?」など、“相談の内容”ではなく“相談のしかた、シチュエーション”について、やんわりと釘を刺しましょう。
2.相談のときにほかの人も入れるように提案
恋愛関係豊富な男友だちや、同じ職場の同僚など相談相手を2人にするという手法もあります。そのほうが、意見に偏りがなくなると言って、夫にほかの人を誘ってもらいます。2人きりでそういう関係になりたい「相談女」の罠から抜ける一手になるでしょう。
3.相談へのアドバイスに自分も加わると提案
対策としてもっとも効果的なのは「私も一緒に相談に乗ってあげるよ。今度3人で食事をしようよ」という提案をしてみることです。
もし、パートナーに浮気心がないのであれば「それもいいね」となるはず。逆にパートナーが下心を持っていた場合は、浮気心を封じる決定打になります。
「相談女」のほうも、もし「妻も君の力になりたいそうだから、今度は3人で食事をしよう」と言われれば、「これはダメだ」とあっさり手を引く可能性があります。
男性の親切心や頼られたい気持ちを巧みに利用して近づいてくる「相談女」たち。パートナーがその罠に陥る前に、早めの対策を打つことが肝心です。
◆監修・執筆/三松 真由美
会員数1万3,000名を超えるコミュニティサイト「恋人・夫婦仲相談所」所長として、テレビ、ラジオ、新聞、Webなど多数のメディアに出演、執筆。夫婦仲の改善方法や、セックスレス問題などに関する情報を発信している。『堂々再婚』『モンスターワイフ』など著書多数。