夫を不幸にする「ポイズンワイフ」って!?子どもへの理想が高すぎる妻は要注意です

2023/10/05

夫を不幸にする妻の特徴について、「恋人・夫婦仲相談所」の所長である三松真由美さんに解説してもらいます。

会員数1万3,000名を超えるコミュニティサイト「恋人・夫婦仲相談所」所長として、テレビ、ラジオ、新聞、We...

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毒親ならぬ、毒妻(ポイズンワイフ)が夫を不幸にする

「マザコン」「一卵性母娘」「母子カプセル(母子密着)」など、子どもと母親との密着ぶりを表す言葉はたくさんあります。少子高齢化の近年、親離れできない/子離れできない「共依存関係」の母と子が増えていると言われています。

密着度合いが高じて、さらに子どもを支配するようになる親を「毒親」などとも言いますが、「毒親」判定の母親は、じつは夫に対しても「毒妻」になることが少なくありません。筆者はそれを「ポイズンワイフ」と名づけましょう。

夫を不幸にするポイズンワイフとはどんな妻なのでしょうか。事例と合わせて考えてみましょう。

ケース1:家庭内順位は愛犬よりも下の夫

悲しい男
kieferpix/gettyimages

みちるさん(48歳仮名)の毎日は、1人息子の蒼太朗くん(仮名)のためにあると言っても過言ではありません。10年間の不妊治療の末にやっと生まれた一人息子は、みちるさんにとって、「10年かけてこの世に送り出した努力の結晶」であり、思いの強さはハンパではありません。

みちるさんにとって、息子を産み育てることは、不妊治療を始めたときからずっと彼女の人生の目的であり、彼女にとって世界のすべては蒼太朗君を中心に回っています。

夫のひろきさん(仮名)曰く「家の中で1番偉いのは蒼太朗、続いて妻、その次がわが家の愛犬ココア、そして1番身分が低いのは僕なんです」。

例えば、みちるさんが腕を振るう日々の食事は、息子の好きなメニューを中心にしつつ、ちょっと太目な彼の体形を改善するために、ローカロリー高たんぱくな食材が並びます。ひろきさんが「脂身たっぷりの豚バラ肉でも食べたいな」と思っても言っても無駄なので、黙って1人で焼肉屋へ行きます。

「どうせ家の中では僕の意見はスルー。主張するだけ無駄なんです」

ひろきさんにとってさらに辛いのは、息子に卵のアレルギーがあるため、自宅では一切卵料理が食べられないこと。1度、こっそり目玉焼きを作って自分1人で食べようとしたところ、みちるさんに見つかり、大騒ぎになったそうです。

「卵が食べられない蒼ちゃんのことを知っていながら、自分だけ卵を食べるのは、息子への精神的虐待!」と激怒したみちるさんは、「夫が息子へのDVを行う」と警察へ通報すると騒ぎ立てました。

みちるさん一家の毎日のスケジュールも、もちろん息子中心。学校がある日の放課後は月曜がバイオリン、火曜日は英会話、土曜の午後は家庭教師、隔週日曜日はパーソナルトレーナーとの筋力と柔軟性を高めるエクササイズ。10歳にしてこれだけ予定が全部埋まっている超多忙な日々を送る息子に「蒼ちゃんは、きっと日本一忙しい小学生よ」とみちるさんはうれしそうに話しかけます。

しかし、そんなたくさんの習いごとに、じつは息子の希望は1つも反映されていません。
彼が希望したサッカーは

「怪我をするといけないから危ない。それに、サッカーは乱暴で、品のない子が多いから」というみちるさんの独断とすさまじい偏見で却下。ひろきさんは「それは違う」と告げましたが、その日から絶交状態が1週間継続。

どの習いごともほぼ個人レッスン。費用がかさむだけでなく、先生の自宅や会場など、送迎が毎回発生します。自動車の免許を持っていないみちるさんに代わって、ハンドルを握るのはひろきさん。ときには、コインパーキングがいっぱいなため、息子がレッスンを受けている2時間を、路上駐車の車中でずっと待っていることもあると言います。

夫を犠牲にしてまでもすべての情熱を息子に傾けるみちるさんですが、そろそろ反抗期を迎えた彼が、最近は「バイオリンに行きたくない」と駄々をこねています。

息子が彼女の思い通りの「理想の男性」に育つのかどうかは、まだまだ未知数のようです。夫ひろきさんは「辛い不妊治療に耐えたのは認めてあげたい。戦っている妻を見ていたから」と言います。今は爆発していませんが、息子さんの反抗期とともに一気に爆発する予感がします。

ケース2:仕事と介護の両立に苦しむ夫を見て「良い結果」と話す妻

自宅の男は疲れとストレスを感じています。
kieferpix/gettyimages

かなこさん(45歳仮名)は、学生時代にミス・キャンパスに選ばれたほどの、目鼻立ちのはっきりした美貌の持ち主。複数の雑誌に読者モデルとして登場したこともあったそうです。

「その当時は、週末に原宿で遊んでいると、毎回スカウトに声を掛けられましたし、自分でもモデルか女優になりたいと思っていました。でも、両親が猛反対で芸能界はあきらめたんです」。

そんなかなこさんは、昨年秋から夫を日本に残し、1人娘を連れて、LAに移住しています。目的は「娘の国際的女優化計画」のため。

1人娘は、かなこさんの強い意志もあって、乳児のころから赤ちゃんモデルとしてCMなどに出演。その後も児童劇団に所属しています。しかし、中学校に入ったころから伸び悩み、オーディションを受け続けるものの、なかなか役をもらえる機会がなくなってきたのだそうです。

自分が果たせなかった芸能界での活躍の夢の実現を、全面的に娘に託しているかなこさんは、娘に必要なのは更なるレッスンと判断。中学卒業のタイミングで拠点を海外に移し、ダンスと演技とボーカルレッスン、さらに英語力をつけさせることで、「歌って踊れて、バイリンガルな国際女優」として日本の芸能界に降臨させるという計画を立てたのです。

今回、オンラインでかなこさんに話を伺っていても、一切パートナーの話題が出てこないので「旦那さんはそちらに同行されなかったのですか?」と聞くと、「夫は仕事があるので当然日本にいます。現地では私たちは仕事をできませんから、夫に仕送りしてもらわないと。移住の初期投資で結構貯金も取り崩したので、今後はさらにしっかり働いてもらわないと困ります」と答えたかなこさん。2人の生活資金は、日本に残った夫の稼ぎですべて賄っているそうです。

移住先では、2人暮らしには十分すぎる部屋。移住前はコロナ禍で現地の下見もままならなかったそうですが、知人の紹介で知り合った現地コーディネーターの方を通じて、最適な娘のレッスン先や高校を確保できたのだそう。

「娘が高校を卒業するまでは、私たちはこちらにいるつもりです。私はビザの関係で仕事はできないので、家事全般や娘の送迎などの支援をしながら、自分も現地の語学学校に通っています。今後、現地で娘がオーディションを受けたりすることも視野に入れているので、娘のマネージメントをするには、英語力も必要だと考えています。いろいろな夢が、こちらなら叶いそうな気がして、ワクワクしています」。

昨年秋に渡米して以降、一度も日本に帰っていないというかなこさん親子。じつは2人が渡米後、夫の母親が要介護状態になり、1人っ子の夫には仕事と介護がのしかかっているとのことですが、海の向こうにいるかなこさんにとっては全く他人事。

「夫の実家が仙台なので、金曜の夜に実家に戻って週末は介護。月曜朝に東京に戻って仕事をしているって言っていました。最近は在宅勤務もできるから、『いっそのこと実家にずっといて、テレワークさせてもらうように会社に頼めばいい』って、一度アドバイスしたんです。でも、『テレワークだと昇進しにくくなる』って夫が言うので、じゃあテレワークは止めてね、って言ったんです。私たち、まだまだお金がかかるので、夫のお給料が上がらないのは困るじゃないですか。ここだけの話、別居のおかげで介護をしなくてよかったなって思っています。でもこれは介護を夫に押しつけたわけではなく、子どものために、わが身を犠牲にしての移住をしたことが幸いしたわけで、私の娘への熱い愛情が、結果的に良い結果を生んだのだと思っています」。

夫が日本で仕事と介護に苦しんでいる状態を「良い結果」と称するかなこさんのメンタルに筆者は呆れ果てました。娘への過剰な愛情が夫を苦しめているという風には全く考えていないようです。

子どもに愛情を注ぎすぎると、仮面夫婦の未来が待っている!?

子どもに愛情を注ぐあまり、夫のことを顧みない妻たち。自分たちが夫を不幸にしていると気づくのは、いつか子どもたちから、親離れを告げられたときなのかもしれません。筆者の見解としては「果たして夫はそんな妻と添い遂げる気持ちがあるか」ということです。

夫の愛情が薄れ、円満とは程遠い仮面夫婦になる可能性を多大に秘めています。

「こんなひどい妻なら、すぐ離婚すればいい」と感じたかたもいると思います。しかしポイズンワイフだから即行離婚するというわけにはいかないのが現実。子どものこと、慰謝料のこと、財産分与のこと、世間体。離婚をあきらめている男性も水面下には多数います。実際に男性側からの相談では「半分あきらめている」という声があがります。 

結婚で女性の人生は大きく変わると言いますが、男性もしかり。

結婚で幸せになった夫婦の話題はさほど噂になりません。浮気、離婚、DV、帰宅拒否症などネガティブなことほど噂の的になります。

「自分は夫を不幸にしていないか?」こんなことを考えられる妻は、その時点で良妻です。ポイズンワイフは1ミリも気づかないので、夫側は辛い日々が続くのです。


◆監修・執筆/三松 真由美
会員数1万3,000名を超えるコミュニティサイト「恋人・夫婦仲相談所」所長として、テレビ、ラジオ、新聞、Webなど多数のメディアに出演、執筆。夫婦仲の改善方法や、セックスレス問題などに関する情報を発信している。『堂々再婚』『モンスターワイフ』など著書多数。

三松真由美さん最新刊「夫とだけ、感じません」発売中

出典:Amazon

 
 

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