「寒中見舞い」はいつまで出していい?もう迷わないための暦の豆知識を気象予報士が解説
2024/01/16
年賀状のお返しが遅くなってしまったり、喪中はがきが間に合わずに年賀状が届いてしまったりした場合に返信として出す、「寒中見舞い」。
松の内が明けたあと、または地域によっては1月15日の「小正月」が終わったあとに出すものですが、「そういえばいつまで寒中見舞いを送っていいんだっけ?」と不安になることもありますよね。
今回は、気象予報士・防災士・野菜ソムリエとして活躍する植松愛実さんに、暦と手紙をめぐる豆知識を教えてもらいます。
寒中見舞いは「寒中」のうちに
寒中見舞いは、「寒中」と呼ばれる期間に出す挨拶状のこと。
その期間は伝統的な暦によって決められていて、1月6日の「小寒(しょうかん)」から2月4日の「立春」の前日までの約1カ月間。つまり寒中見舞いを送る期間は、2月3日までになります。
寒中は「寒の内(かんのうち)」とも呼ばれ、1年でもっとも寒さが厳しい時期。そのため、寒さの中で相手の体調を気遣う便りが、寒中見舞いの始まりです。
「暑中見舞い」と対になる季節の挨拶状ということになります。
寒中見舞いは相手を気遣うメッセージ
相手を大切に思う"温かい気持ち"が形になったのが寒中見舞いなので、何も年賀状のお返しにしか出してはいけないということはありません。
年賀状を出すことはもうやめてしまったけど今どうしているか気になる人に出してみたり、お世話になった人にお礼を兼ねて送ったり。堅苦しいもののように見えて、じつは気軽に送っても大丈夫。
寒中見舞いは意外と懐の大きい手紙なのです。
立春後に出すのは…?
寒中見舞いと比べると知名度は低いですが、立春(2月4日)以降に出す挨拶状は「余寒見舞い」といいます。
立春つまり暦の上での春が始まったあとの寒さのことを「余寒(よかん)」と呼ぶためです。
暑中見舞いの時期が過ぎたあとに残暑見舞いを出すことと対応していますね。
余寒見舞いを出す期間の終わりに明確な決まりはありませんが、おおむね2月末までで、寒さの厳しい地域では3月上旬ごろまでに出す人が多いようです。
気軽に"温かい気持ち"を送ろう
久しぶりに連絡したいけど何のきっかけもないとなかなか連絡しづらい…、そんな相手にも「今は寒中見舞いの時期だから」「余寒見舞いの季節になったから」という具合に、気軽に手紙を送ってみるのもいいかもしれません。
あまり気負うことなく、ほんの気持ちを伝えるために出してみてはいかがでしょうか。
■執筆/植松愛実さん
気象予報士と出張料理人の両面で活動中。気象・防災に関するヒントのほか、野菜ソムリエ・食育インストラクターとしておいしい食材のおいしい食べ方を発信中。インスタグラムは@megumi_kitchen_and_atelier。
編集/サンキュ!編集部