もう割引きにこだわる必要はナシ!?節約のプロが「今どきのお得な家電の買い方」を解説
2022/09/12
春以降、家電が次々に値上がりしているのをご存じですか?さらに、家電量販店で値引きできない家電も、どんどん増えています。そんな中でも家電を安く、お得に買うにはどうしたらよいのでしょう?節約アドバイザーの丸山晴美さんに「最新の家電のお得な買い方」を聞きしました。
なお、今回ご紹介する情報はすべて2022年9月時点の取材情報を基にしています。
監修: 節約アドバイザー 丸山晴美
22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...
みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。
お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。でも経済に関するお金の情報は、ちょっとむずかしいですよね。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「最新版家電の買い方」!
家電メーカーが続々値上げ&お店での値引きもできない状況に!
食料品の値上がりが続いていますが、その波が白物家電などにも広がってきています。
2022年4月には、ソニーがオーディオやカメラ、ブルーレイディスク/DVDプレーヤーなどを値上げ。日立も冷蔵庫、洗濯機などの白物家電を、バルミューダはスチームトースターや炊飯器などを、同時期に値上げしています。
原因は、主に原材料に使う銅やアルミの価格上昇や、円安などによるコスト増。その影響はまだ続いていて、パナソニックでは2022年8月から、冷蔵庫などの出荷価格を最大で約2割値上げしました。エアコン最大手のダイキン工業も、2023年3月期に出荷価格を4~5%程度値上げすると発表しています。
「だったら家電量販店で価格交渉すればいい」と思いがちですが、最近は「メーカー指定価格」の商品が増えています。メーカー指定価格とは、その名の通り販売価格をメーカーが決める方式で、どの店舗でもその価格で販売しなければいけません。つまり、家電量販店でも割引や値引きができないのです。
そのような状況の中、どうすればお得に家電を買うことができるのでしょう?
お得な家電の買い方1:10〜15年使った家電は壊れてなくても買い替える
今は電気代やガス代も上がっていて、この状況はまだしばらく続くと言われています。いったん収まっても、またいつ高騰するかわかりません。それを考えると、10〜15年使っている家電は、壊れていなくても買い換えることで結果的にはお得になることもあるでしょう。
というのも、家電の性能進化は早く、10〜15年前と今では全く性能が違うからです。例えばエアコンで同じ温度に設定していても、10〜15年前のエアコンは最新のエアコンに比べて多くの電力を必要とします。
15年近く使っていれば効きも悪くなりますから、夏場ならより温度を低くしないと涼しくならず、冬場なら高くしないと暖かくならないかもしれません。その場合は、さらに電気代がかさむことになるでしょう。
また、15年近く使っていれば、いつ壊れてもおかしくありません。もし真夏や真冬に突然壊れてしまったら、すぐに買い替え&取り付けをしないと死活問題です。
しかし、最も混んでいる時期ですから、欲しい商品が売り切れていて高額な商品を買わざるを得なかったり、取り付けまでに何週間もかかったり。急ぎになればなるほど、費用もかさみます。
大物家電や生活に欠かせない家電で10年以上使っている物がある場合は、買い替え用の積み立てを始めましょう。高額化する家電製品は、定額積み立てをしたり、家電量販店の商品券を金券ショップで買って独自の商品券積立をして備えたりすると安心です。
そして、壊れる前に買い替えるのがおすすめ。そうすれば機能や価格も、好みのものをじっくり選ぶことが可能です。
お得な家電の買い方2:ジェネリック家電を選ぶ
医薬品では、「新薬(先発医薬品)」の特許が切れたあとに販売される、新薬と同じ有効成分の薬を「ジェネリック医薬品(後発医薬品)」と言います。
「ジェネリック家電」はそれになぞらえたもので、大手家電メーカーの製品とほぼ同じ機能でありながら、価格が安い家電製品のこと。
以前は売られている店舗が限られていましたが、最近はホームセンターや家電量販店などでも多くのジェネリック家電が販売されています。
「このメーカーのこの機能がどうしても欲しい!」など、こだわりがある場合以外は、予算に合わせてジェネリック家電を選ぶのも手でしょう。
同じ理由で、家電量販店のアウトレットコーナーを利用したり、ネットなどで中古品や型落ち品を購入するのもあり。ただし、中古品はきちんとクリーニングされているか、動作に問題はないか、保証はついているかなどを、しっかりチェックしてから購入することが大切です。
お得な家電の買い方3:期間限定ならサブスクやレンタルでしのぐ
短期間しか使わないという場合は、サブスク(サブスクリプション)やレンタルもおすすめです。サブスクは月々定額の利用料を支払って利用するサービスで、レンタルは一時的に借りて利用するサービス。状況に応じて使い分けるのが良いでしょう。
家電のサブスク・レンタルができるオンラインサービスは多くあり、さらに最近は家電メーカーもサブスクを始めています。
パナソニックの「foodable(フーダブル)」は、月額3,980円(税込・送料込)で新品のキッチン家電を使うことができ、さらに毎月、その家電で調理できる食材が届くサービス。一定期間継続すれば商品を買い取ることも可能で、特に女性に人気です。
日立も2022年度後半に、サブスクリプションやリファービッシュ(メーカーによる再整備済み製品)などのビジネスを立ち上げると発表しています。
他のメーカーも追随すると見られていて、どんなサービスが立ち上がるか楽しみです。
このようにして考えると、家電は買いにくくなったわけではなく、買い方の選択肢の幅が広がったと言えるでしょう。目的や生活スタイル、状況などに合わせて、臨機応変に活用したいですね。
取材・文/かきの木のりみ