クラフトペーパーの封筒を持っている若い女性をクローズアップサイドビュー。

レジ袋以外もつぎつぎと有料化!?増える「手数料」や「有料化」から家計を守るには?

2022/09/17

今までは無料でもらえていた銀行通帳や振り込み用紙に手数料がかかるなど、いつの間にか有料化しているものが増えています。1つ1つは小さな金額でも、まとまれば見過ごせない出費に。節約アドバイザーの丸山晴美さんに、新たに有料化されたものと、不要な出費を増やさないためにはどのような対処が必要なのかを聞きました。

なお、今回ご紹介する情報はすべて2022年9月時点の取材情報を基にしています。

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...

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みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。

お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。でも経済に関するお金の情報は、ちょっとむずかしいですよね。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「有料化の対処法」!

紙の通帳や硬貨の両替・預け入れには手数料が発生!

三菱UFJ銀行では2022年4月より、新たに口座を開設して紙の通帳を作ると手数料がかかるようになりました(2022年3月までに開設した場合は引き続き無料)。

みずほ銀行と三井住友銀行ではすでに2021年から同様のシステムを導入。三菱UFJ銀行と三井住友銀行の手数料は年間550円(税込)ですが、みずほ銀行は通帳を繰り越すたびに1,100円がかかります。

りそな銀行と埼玉りそな銀行、関西みらい銀行も、2023年1月16日以降に開設した個人の普通預金口座を対象に、年間550円の通帳利用手数料を新設することを発表しました。今後、他の銀行でもこの動きは広がるだろうと言われています。


また、多くの銀行で小銭の両替や預け入れも有料に。ゆうちょ銀行ではATMでの預け入れや払い戻しをする際、硬貨の枚数に応じた手数料がかかるように。窓口で50枚までの預け入れは無料ですが、それ以上は有料になります。

銀行だけでなく、電力会社やインターネットプロバイダなどでも……

電力会社でも検針票や領収書などの紙ものの有料化が進んでいますし、私は家で利用しているインターネットのプロバイダから「今後、紙の振込用紙を使う場合は発行手数料を取ります」というお知らせメールを受け取りました。

プロバイダに問い合わせると、支払い方法をクレジットカードの自動引き落としに替えれば今まで通り無料ということだったので、すぐにその手続きをしました。

他にも最近の出来事になりますが、郵送されてきた払込票にコンビニで支払う場合の手数料として110円がかかるとの記載があり、さらによく読むと、銀行振込の場合の振込手数料は自己負担と記載されていました。
そこで、他行振込み手数料が無料になるネット銀行から振り込み、110円の手数料を節約することができました。

また、小田急ポイントカードでは、2022年11月支払い分よりコンビニエンスストアでの払込票発行が有料に。この場合、コンビニで支払う際の振込手数料も別途かかるので、手数料を二度支払うことになります。

プラスチックごみ削減のため、無料アイテムも有料化に!

有料化は紙ものだけではありません。2022年4月からプラスチックごみ削減を目的とした新しい法律が施行され、「餃子の王将」では全店舗で、それまで無料だったテイクアウトのスプーンやレンゲを1本5円(デリバリーでは1本10円)で販売するようになりました。

「上島珈琲店」も東京の大手町フィナンシャルシティ店にて、テイクアウト用の紙コップなどを有料にする実証実験をスタート。マイボトルやマイストローを持参しない場合は、紙コップ・プラスチックコップは30円(税込)、使い捨てカトラリー類は10円(税込)、ストローは5円(税込)の料金がかかります。

「無印良品」でも2022年9月からごみ削減のため、無料で配布していた紙袋を1枚10円(税込)に。このように、環境のための取り組みによっても有料化がどんどん進んでいるのです。

手続きや問い合わせなどのアクションを起こせるかどうかがポイント

有料化のお知らせはメールやハガキなどで来る場合が多く、よく見ずに捨ててしまって有料化に気づかなかったり、引き落としがあって初めて気づいたりする人が多いようです。

気づいていても「そういうものか」と疑問に思わず素直にお金を払い続けたり、無料にする方法があっても「手続きがよくわからない」「めんどうくさい」などの理由で放置する人も少なくありません。

でも、1つ1つの金額は小さくても、積もれば見過ごせない額になってきます。「たとえ数十円でも毎月払うものなら積もれば大きい」と思うか思わないか、疑問に思った時に「手数料を安くする方法はないですか」とお客様窓口へ問い合わせるなどのアクションを起こせるかどうかで、お金の残り方は変わります。

契約している会社からのメールやハガキ、振込み用紙にはちゃんと目を通して情報をキャッチし、無料にする手続きや方法がある場合は行いましょう。手続きの方法がわからなかったら問い合わせるなど、1つ1つにしっかり対処することが、これからの払う必要のない有料化支出を抱えないことにつながります。

100万円を普通預金に預けても利息は9円の時代です。改めて明細書など細かいところも見直してみてはいかがでしょうか。

教えてくれたのは・・・

丸山晴美さん

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て2001年、節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザーなどの資格を取得。身の回りの節約術やライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどを、テレビやラジオ、雑誌、講演などで行なっている。著書は「シングルママの『お金に困らない』本」(徳間書店)、「50代から知っておきたい!年金生活の不安、解消します」(共著)(幻冬舎)など多数。

取材・文/かきの木のりみ

 
 

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