やらないと家計破綻の危険も!?お金の専門家が3月中にやっておくべき「お金計画」を解説
2024/03/06
4月は入学・就職、転勤など生活が変化するタイミング。生活が変われば、家計の収支も変化します。「その前の3月に、今年度予想される大きな出費を洗い出して準備しておくと、1年の家計がぐっと安定します」と、節約アドバイザーの丸山晴美さんは言います。大きな出費とは何か、どうやって準備するのかなどを聞きました。
なお、今回ご紹介する情報はすべて2024年2月時点の取材情報を基にしています。
監修: 節約アドバイザー 丸山晴美
22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...
みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。
お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「大規模出費の備え方」!
3月に洗い出しておきたい「5つの大規模出費」とは
家計の支出には、家賃や食費のように月単位で考えるものの他に、年単位で考えるべき費用があります。これらのなかには、月の収入のなかでは対応しきれない金額のものが少なくありません。
年単位で考えるべき5つの大規模出費をご紹介します。
大規模出費1:4月に必要な「新生活を始めるための費用」
年度初めの4月は、大きな出費があるタイミングです。
お子さんが入学・就職をする場合は、そのための服や道具類をこまごまとそろえなければなりませんし、子どもが一人暮らしを始める場合は、生活用品一式を用意する必要が。
また、自分たちが転勤や引っ越しをする場合も、新しい家での生活用品を揃えなくてはなりません。これらの出費は、10万円程度ですむ場合もあれば、100万円単位の出費になることも。
来年にこうした予定がある人は、今から必要なお金を見積り、毎月の積み立てやボーナスでの取り分け額、解約をする定期をどれにするかなど、あらかじめ準備をしましょう。
大規模出費2:GW・夏季休暇・年末年始などの旅行や帰省
ゴールデンウィークや夏季休暇、年末年始などに、家族での旅行や帰省をする人は多いでしょう。とくに2024年は3連休が多いので、小旅行を何回もする人もいるかもしれません。
旅行は早く予定を立てて手配をすることで、交通費や宿泊代の割引サービスを利用でき、おトクになる場合が多くあります。今からいつ、どこに、何日間行くのかなど、1年の旅行計画を立てましょう。
大規模出費3: 誕生日やクリスマスなど日程が決まっているイベント
上と似ていますが、こちらは日程がすでに決まっていて、おもに家で行うイベントです。誕生日やクリスマスはプレゼントも必要なので、費用もそれなりにかかるもの。前もって予算を見積もっておきましょう。
子どもの年齢によっては、桃の節句や5月の節句、七五三などのお祝いごともあります。写真を撮ったり親族で食事会をしたりする場合はそれなりの予算が必要です。
あらかじめ準備をすることで、早割やレンタル、クーポンなどを駆使しておトクに利用することもできるでしょう。こちらも今から計画を立てて情報を集めましょう。
大規模出費4:税金や住宅の更新料、車検代など
税金や住宅更新料、車検などは、その年にあるかどうか、いくらぐらい必要かが、あらかじめわかるお金です。前回支払った記録を確認するなどして、支払い時期と金額を洗い出しておきましょう。
国民年金保険料は、一定期間の保険料をまとめて前払い(前納)することができ、まとめて前払いすると割引になっておトクです。
その他の住民税や固定資産税、自動車税などは、一括でも1回ごとでも、トータル金額は変わらない場合がほとんど(自治体によって異なる場合があるので、詳しくは確認しましょう)。やりやすい方法で支払えばOKですが、払い忘れると延滞金が発生しますので気をつけましょう。
大規模出費5:冠婚葬祭、家電の買い替えや修繕、医療費など
こちらは、いつ、どのくらいの費用が必要かわからない突発的な出費です。かといって、先延ばしできない必要な出費でもあります。
いつ発生しても対応できるよう、「特別費」として予算をとって準備しておくことが大切。だいたい50万円くらいを専用口座にプールしておくと、大抵のことには対処できて安心です。
大規模出費専用の銀行口座を作って管理するのがおすすめ
備え方としては、これらの大規模出費専用の口座を作ってお金をプールもしくはストックしておくと、ほかのことに使ってしまうのを防ぐことができ、さらに口座引き落としも活用できておすすめです。
「住信SBI ネット銀行」や「GMOあおぞらネット銀行」、スマートフォンアプリで管理する「みんなの銀行」などは、自分の口座のなかで「旅行用」「住宅用」など目的ごとに貯蓄を分けることができる機能があって便利。
「七十七銀行」もアプリで同様のことができるなど、同様のサービスが増えていますので上手に活用しましょう。
これら大規模出費をトータルしてみると、かなり大きな金額になります。これをあらかじめ用意していなかったためにお金を借りなければならなくなり、結果、家計が破綻してしまうケースも決して少なくありません。そうならないために、「使うための貯蓄」を家計の1つに加えておくと安心です。
取材・文/かきの木のりみ