食費の予算はどう立てるのが正解? 節約しやすい予算の立て方と運用のポイントを専門家が解説
2024/04/06
食費の予算は何を基準に立てるのが良いのでしょう?そして、節約力ややりくり力がアップする食費の使い方とは?節約アドバイザーの丸山晴美さんに、食費の予算の立て方と運用方法の基本を聞きしました。
なお、今回ご紹介する情報はすべて2024年3月時点の取材情報を基にしています。
監修: 節約アドバイザー 丸山晴美
22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...
みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。
お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「食費の立て方&使い方」!
食費の予算を立てるときに最も重要なポイントとは
食費の予算の立て方には、いくつか方法があります。一般的なのは手取り収入を基準に算出するもので、収入の15~20%が目安と言われています。例えば、手取り40万円なら6~8万円が目安です。
でも、同じ収入でも家族構成などによってかかる食費は違います。そこで、私が以前からおすすめしているのが、「1人月2万円、家族4人なら月8万円」という予算です。
これは基本的に自炊をメインにやりくりをしている家庭が前提で、米代は別です。食費をしっかり節約してやりくりしたいという人は、この予算で自炊を頑張ってみることをおすすめします。
ただし、仕事が忙しくてどうしてもデリバリーが多いという家庭もあるでしょう。料理のスキルや近くに安いスーパーがあるかなどによっても、必要な食費は変わってきます。食費が多くなる場合は、別の費目の予算を減らすなどして調整をしましょう。
「1人月2万円」はあくまで目安ですので、生活スタイルに合わせて調整をしてください。その際に必ず気をつけてほしいポイントがあります。それは「その金額でバランスの良い食事ができるかどうか」という点です。
節約にばかり目が向いていると、おかずの品数や量が減ってバランスの悪い食事になりがちです。それで健康が損なわれては「食」本来の意味が果たせませんし、体調を崩して病院にかかれば出費も増えます。
食費の予算を立てるときは、「健康が保てるバランスの良い食事が用意できて節約にも繋がる金額」にすることが大切です。ただし、食材の質にこだわり過ぎると食材費が高額になる傾向がありますので、その場合は収入とのバランスも考えましょう。
食費は週単位で管理。余っても翌週に繰り越さないで
月の食費が決まったら、それを5で割り、1週間分の予算を出します。4人家族8万円の場合、1週間の予算は1万6,000円です。
次のステップは、この1万6,000円を固定にして毎週やりくりすることです。
もし1週目の食費が1万円で収まり、6,000円が残っても、その6,000円を翌週の予算に加えないでください。残ったお金はやりくりの成果として別に取り分けておき、月の最後にまとめて銀行で積み立て、レジャー費にするもよし、外食に行くもよし。好きに活用しましょう。
なぜなら、予算を固定化することが大切だからです。予算が一定だと買い物のペースや買うものも固定してきて、管理がしやすくなります。それを続けることで、やりくり力がアップしていくのです。
逆に誕生日などのイベントがあり、1万6,000円では足りない週は、足りない分を予備費から出します。予備費は食費だけでなく、日用品やレジャーなど何に使っても良いフリーのお金。毎月2万円程度の予備費を用意しておくと安心です。月の最後に予備費が余っているときは、これも貯蓄するなり使うなり自由に活用しましょう。
月の最後の5週目は、たいてい7日間より少ないもの。そのときに普段はなかなか買うタイミングがない調味料や冷凍食品、缶詰や乾麺などのお助け食材を買っておくのがおすすめ。予算が無くてもあるものでひと踏ん張りしやすくなりますし、上手な買い回し、使い回しができます。
2022年から食材の値上げラッシュが続き、そろそろ食費を上げたいと思っている人も多いでしょう。しかし、こういうときだからこそ、1人2万円目安の予算をキープして頑張ることが大切。限られた予算の中で必要なものを買ってやりくりすることで、無駄が減り、節約体質の食費になっていくのです。
取材・文/かきの木のりみ