【これからの時代の家計の守り方】今知っておくべき「お金の問題」をプロに直撃取材!
2024/04/16
先行き不透明で不安をかきたてられる出来事が多い今、経済の見通しや、これからの時代の家計の守り方など、私たちが今知っておきたいことをお金のプロに直撃取材!これを読めばやるべきことがわかって将来への安心感が増すはず。
<教えてくれた人>: 家計再生コンサルタント ファイナンシャル・プランナー 横山光昭
これまでの相談件数は2万6000件超。自身も新NISAを活用して資産形成中。『はじめての人のための3000円...
監修: 節約アドバイザー 丸山晴美
22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...
物価が上昇=あなたが持っているお金の価値が落ちていく時代になったと心得て。
<教えてくれた人>
・家計再生コンサルタント ファイナンシャル・プランナー 横山光昭さん
マイエフピー代表。相談の現場にこだわるFPで、これまでの相談件数は2万6000件超。最新刊は『知識ゼロですが、新NISAとiDeCoをはじめたいです。』(インプレス)。
皆さん、物価高が家計に与える衝撃を日々感じていますよね。以前は200円で買えた牛乳が、今は230円出さないと買えない。これって「お金の価値が下がった」ということ。さらに言えば、今ある現金貯蓄の価値も前より減っています。もし物価が今のペースで年約2%上がり続けると(インフレ、下記参照)、1000万円の貯蓄が、20年後には実質約670万円まで価値が目減りすることに。それほどインパクトの大きいことが起こっているから「牛乳高いわ~」で終わらせちゃダメですよ(笑)。
<インフレとは>
「インフレーション」の略語で、物やサービスの値段(物価)が上がる傾向が続くこと。商品の価値が上がり、お金の価値が下がります。インフレの反対は「デフレ(デフレーション)」で、物価が下がる傾向が続くことです。
●自分の老後の資金は、自分で守り育てる覚悟を決めましょう
このインフレは今後も続きそうで、暮らしを守るためには、貯蓄に加えて新NISAやiDeCo(イデコ)で投資をすることがマストだと思います。特に老後資金は、投資を活用して自分でつくるのがおすすめ。年金で生活できれば理想的だけど、それは厳しいのが現実だと認識して「老後資金は自分で守り育てる」という覚悟が必要です。
●“頑固な思い込み”を捨てれば生活費は削れます
投資を始めるためには、まず家計の体制を整えることが鉄則。収入と支出を把握し、ムダな出費を見直して7・5カ月~1年分の生活費を現金で貯めましょう。手元に残るお金を増やすには「これは削れない」「これ以上働かなくていい」など自分の思い込みを疑ってみることが大事。働く、節約、投資―大変だけど、この3つをやるかやらないかで明暗がわかれるので頑張って!行動すれば未来が変わり、「そんなに暗く考えたり怖がらなくてもいいんだ」と思えますから!
今は、日本で約30年間続いた「お金とのつき合い方」が変わる大転換点です
<教えてくれた人>
・節約アドバイザー ファイナンシャル・プランナー 丸山晴美さん
20代で節約に目覚め、4年間で600万円を貯蓄。雑誌やテレビ、Webメディアなどで活躍し『知識ゼロでもまるっとわかるお金の基本』(宝島社)など著書多数。
この30年ほど、日本は“デフレ天国”で、お得な物を買って現金をコツコツ貯蓄すればよい時代でした。堅実で貯蓄好きな国民性に合っていたんですよね。でもその時代は終わりを告げ、ここ数年で驚くほど物価が上がり、デジタル化が急速に進みました。お金の払い方もスマホ決済やポイントアプリ、セルフレジなど様変わりしています。さらに今年から新NISAがスタート。デフレからインフレ、アナログからデジタル、貯蓄から投資へと、大きな変化がいくつも重なっているんです。
●不安は放置するとさらに大きくなります。すぐに対処しましょう
数十年に一度の大転換点を前に、「投資は怖い」「スマホ決済なんてわからない」とフリーズしていませんか?長年続けたお金とのつき合い方を変えるのはとても大変で、不安も大きいと思います。だけど時代は先へ先へと進むのに何もしないでいると、不安は膨らむ一方です。モヤモヤしたら行動するチャンス!新NISAやiDeCoについて調べてみる、スマホ決済にトライするなどすぐに動きましょう。
●節約、資産運用は、生活をランクアップさせる手段
教育費や老後に備えるときなど、夢や希望をかなえるのに役立つのが、節約や資産運用です。節約は決して生活の質を下げることじゃないですよ。自分に合う方法で無理なくムダを省けば、欲しい物を買えたり子どもの進路希望をかなえてあげられたりして、暮らしがランクアップします。こうして「自分の家計は大丈夫」と思えれば、先が見えない時代でも不安に流されず、自分らしく幸せに暮らせます。
参照:『サンキュ!』2024年5月号「ほぼまるごと1冊お金の大特集!」より。掲載している情報は2024年3月現在のものです。撮影/有馬秀星 取材・文/神坐陽子 編集/サンキュ!編集部