居酒屋で乾杯する多くの人々の手とマグビール

「自粛反動消費」と「お付き合い消費」に要注意!【お金の専門家がアドバイス】

2021/08/07

自粛生活が続く今、あなたは出かけたくてうずうずしていますか?それとも、おうち生活をが心地よく感じていますか?どちらのタイプかによって、これから注意すべき消費パターンがあると、節約アドバイザーの丸山晴美さんは言います。

いつか訪れるアフターコロナに向けて生活が再び変わりつつある今、家計を守るために気をつけるべきことを解説します。

なお、今回ご紹介する情報はすべて2021年7月時点の取材情報を元にしています。

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...

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みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。

お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。でも経済に関するお金の情報は、ちょっとむずかしいですよね。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。

今回のテーマは「反動消費とお付き合い消費」!

「お出かけしたい」は最も危ないパターン!?

家計簿診断をしていると、コロナ禍での迷いの声を多く聞きます。なかでも多いのが、「節約して我慢して一生懸命お金を貯めても、万一、新型コロナ感染症で生命が危なくなったら元も子もない。だったら今、節約をゆるめて、生活をもっと楽しんだ方がいいのでは?」という声です。

その一方で、老後の生活を心配する声も多数。目先のことが見えにくい状況の中で、ストレスが増している現状が見て取れます。

そんな今、最も危険なのが、気持ちが消費に向かっている人。「すぐにでも出かけて、今まで我慢していた分を取り返すかのように遊びや買い物をしたい!」という「自粛反動消費」予備軍です。

テイクアウトやデリバリー利用で食費が増えた人が、外食もプラスしたら、さらに食費がふくらみます。ネット通販が習慣になった人が、外でも買うようになれば、買い物出費が増大します。

すると、がんばって貯めたお金はあっという間に減り、これまでとは違う新たなストレスや不安を抱えることに。

1年以上続く自粛生活の影響で、収入が減った家庭も少なくありません。政府は10〜11月にワクチン接種終了を目指すと言っていますが(※)、完全に元の生活ができるようになるまでには、まだしばらくかかるでしょう。

ということは、今、収入が減少していなくても、これからそうなる可能性はないとは言えないのです。ここで消費に走るのは最も危険なパターンと言えます。

自分が外出を望まなくても「お付き合い消費」の危険が!

早く外に出て楽しみたいと思う人がいる一方で、「自分は意外とおうち生活が合っている」と気づいた人もいるでしょう。そういう人は、アフターコロナに復活するであろう「お付き合い消費」に気を付けましょう。

「お付き合い消費」とは、友人や仕事関係の付き合いで飲み会や食事会に出かけ、出費が急増してしまうこと。「気は進まないけど付き合いだから」と行くことで、出費だけでなく、精神的ストレスも増えてしまいます。

自分が本当に参加したくないことであれば、アフターコロナでは流されないようにすることも大切。もちろん、仕事関係など断れない場合もありますし、状況によってはお付き合いも大切です。でも、周りに合わせて無理して参加するならば、回数を減らすなど付き合い方法を見直すのも一案です。

今のうちに「予算立て」をしてアフターコロナ生活に備えて

「自粛反動消費」や「お付き合い消費」で家計にダメージを与えないためには、アフターコロナになる前、つまり今のうちに、しっかり予算を立てておくことがポイントです。

家計の支出や出費の内容を見直し、レジャーや買い物などにいくらまでなら使えるか、いくらまでならお付き合いに使ってもいいかを考えましょう。そして、予算の中でどんな楽しみ方をするか、誰と付き合うかといった計画を立てることが大切です。

冒頭で紹介した「万一、新型コロナ感染症で生命が危なくなったら……」という声についても、予防をしたりワクチンを接種して重症化リスクを軽減することはできますが、先のことは誰にもわかりません。何もなく長生きする可能性も、もちろんあるわけです。

であれば、老後に向けて貯蓄をする方が、危機管理的には良いはず。節約して浮いたお金を全部貯蓄に回すのではなく、コロナが収束したらその一部で、年に1回旅行するなど楽しみにも使うと良いでしょう。そうして長生きするリスクに備えることが、結果的に大きな不安を解消することになります。

節約と出費を計画的に行い、メリハリのある消費でストレスを解消しながら、徐々にアフターコロナの生活へ変えていけば、家計も守ることができるはず。自粛生活で気づいた自分がしたい生活スタイルを、アフターコロナにどう活かすか、それをポジティブに考えてみることが大切です。

教えてくれたのは・・・

丸山晴美さん

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て2001年、節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザーなどの資格を取得。身の回りの節約術やライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどを、テレビやラジオ、雑誌、講演などで行なっている。著書は「シングルママのお金に困らない本」(徳間書店)、「50代から知っておきたい!年金生活の不安、解消します」(共著)(幻冬舎)など多数。

取材・文/かきの木のりみ

 
 

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