封筒に10,000円

「食費月2万円台」は本当に目指すべき?節約のプロがすすめる節約効果大の食費目標額とは?

2022/01/22

食費を「月2万円台」に収められたら家計的にはすごくラク。でも、達成するのはすごく大変と感じている人が多いのではないでしょうか。家計診断を長くしている節約アドバイザーの丸山晴美さんも「食費月2万円台を実現するには特殊技能が必要。一般的な目安とは言えません」と言います。

特殊技能と何か?一般的な目安はどのくらいなのか?など、食費節約の気になるところを聞きました。

なお、今回ご紹介する情報はすべて2022年1月時点の取材情報を基にしています。

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...

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みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。

お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。でも経済に関するお金の情報は、ちょっとむずかしいですよね。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「食費月2万円の理由」!

税金や物価は上がっているのに、給与は30年前から変わらない!

10~20年ほど前は珍しくなかった「食費月2万円台」の家庭。当時は、外食費込みで月2万円台(20,000~29,999円の範囲内)という家庭もけっこうありました。

しかし、今では食費を月2万円台に収めるのはかなり困難。なぜなら、消費税は、3%、5%、8%、10%と徐々に上がり、自炊の材料となる肉、野菜、魚、卵、牛乳、小麦製品、大豆製品、調味料なども値上げの連続で、購入価格自体が高くなっているからです。

つまり、同じ予算で買える食材が少なくなっているということ。これまでと変わらない食事を用意したいと考えるなら、予算を増やす必要があるでしょう。

一方で、給与はほとんどあがっていません。2021年10月に国税庁が発表しところによると、2020年の日本人の平均給与は433万円。なんと30年前からずっと横ばい状態が続いているのです。
この残念な状況が続く限り、食費2万円台はますます遠のくばかりです。

とはいえ、食費月2万円台の家庭が全くなくなったわけではありません。家計診断をしていると、ごくたまにですが、食費月2万円台に収めている人に会います。

ただ、そういう人にはちゃんと理由があります。まず、やりくりがめちゃくちゃ上手で、しっかり予算立てができています。

料理のスキルも高く、献立レパートリーが豊富。食材は全てムダなく使い切れますし、調味料が切れていたら他の調味料で代用して、同じ食材でも味付けを変えるなど応用力も高めです。

そのやりくり力、工夫力は、ある意味、特殊技能の持ち主と言えるほど。逆に言えば、そういう技能がなくては、食費月2万円台を達成するのは困難な世の中になったと言えるでしょう。

こうした状況では、月2万円台という数字に囚われすぎるとストレスを溜めるばかり。それよりも、誰もが頑張れば実現できて節約効果も高い数字を目標にすることをおすすめします。

ストレスを溜めず節約効果も高い食費の目安は「月に1人2万円未満」

では、どのくらいを目標にするのがいいのでしょう?
私がおすすめしているのは、米代&外食費込みで「月に1人2万円未満」。家族4人なら「月8万円未満」です。

外食費込みですから、節約レベルは決して低くありません。実際にやってみると、家族での外食が月に1〜2回できるかどうかくらいの予算です。
これならストレスを溜めすぎず、バランスの良い健康的な食生活をキープしながら、家計にも安心な範囲と言えるでしょう。

最も効果的な節約は「健康」でいることであり、健康を崩したら検査や治療、保険などさまざまにお金がかかってしまいます。家族みんなが健康でいるために、食費はある程度の予算を確保し、栄養バランスを第1に考えることが大切だと思います。

教えてくれたのは・・・

丸山晴美さん

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て2001年、節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザーなどの資格を取得。身の回りの節約術やライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどを、テレビやラジオ、雑誌、講演などで行なっている。著書は「シングルママの『お金に困らない』本」(徳間書店)、「50代から知っておきたい!年金生活の不安、解消します」(共著)(幻冬舎)など多数。

取材・文/かきの木のりみ

 
 

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