家電の買い替えや冠婚葬祭費など、急に発生する高額の出費。これに家計を乱されないためには、「特別費」を用意することが大切です。でも、いくらぐらいを、どうやって準備すればよいのでしょう?節約アドバイザーの丸山晴美さんに、特別費の上手なつくり方を聞きしました。
なお、今回ご紹介する情報はすべて2022年2月時点の取材情報を基にしています。

監修: 節約アドバイザー 丸山晴美
22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...
みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。
お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。でも経済に関するお金の情報は、ちょっとむずかしいですよね。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「特別費のつくり方」!
「特別費」として準備したい金額は「50万円」程度
特別費とは、普段の生活費の中ではやりくりがむずかしい、突然の支出や高額な支出のための費用のこと。冠婚葬祭が続いたときや、高額な家電が急に壊れたときなどの支払いに備えるものです。特別費を用意しておくことで、突然の出費にも慌てず、貯蓄を切り崩さずに対処できます。
特別費の金額は決まっていませんが、私は「50万円」程度をおすすめしています。50万円あれば、たいていのできごとに対処が可能だからです。
とはいえ、急に50万円と言われても困りますよね。そこで今回は、普段の生活への負担を最小限にしつつ、上手に早く特別費を貯める方法をご紹介します。
毎月「予備費」を設け、特別費の貯蓄をスピードアップ
まず、特別費のための口座をつくることをおすすめします。口座をつくることで積み立てがしやすくなり、ほかの目的に使ってしまうのを防ぎやすくなります。
その口座に、毎月5,000円でもいいので積み立てていきましょう。それだけではなかなか50万円にならないので、さらに毎月の生活費の中から別途「予備費」を設けます。
予備費とは、日々の生活の中でのイレギュラーな小さな出費に備えるものです。たとえば、家族で外食して食費がオーバーしたときや、風邪で病院に行ったときの受診料など。いわば特別費の小型版で、予算は2万円程度です。
月の初めに予備費として2万円取り分けておき、残ったお金を食費や生活費などの予算に分け、その中でやりくりするようにします。
予備費は毎月必ず使うわけではないので、月によっては全額残ることもあるでしょう。特別費の口座に毎月積み立てし、予備費が残ったら全額入れるようにすれば、比較的早く貯めることができます。
なお、ボーナスを特別費に回すことが可能ならば、そうしてもOK。その場合はあらかじめ「◯割は特別費に回す」など決めておくと、計画的にボーナスを使うことができます。
使う時期や金額がわかっている費用は別途に積み立てて
特別費を何に使うかは、家庭事情にあわせて自由に決めて大丈夫。ただ、賃貸住宅の更新料や車検費用、帰省費用などは、あらかじめいつ、どのくらいの金額が必要かわかります。そういう費用は別途に積み立てをしておくのがおすすめ。そうすれば特別費の減りを抑えることができ、本当に必要なときに十分な対応ができます。
特別費を使ったら、その内訳をノートなどに記録しましょう。それを見直すことで、より計画的に特別費を使えるようになります。
使用した分はできるだけ早く補填し、常に50万円をプールしておくようにしましょう。
生活を守る備えには、保険や年金などいろいろありますが、直接生活に影響するのはやはり「貯蓄」です。生活をしっかり守るために、毎月の予備費と年間の特別費を準備し、両輪を回していくことが大切です。
取材・文/かきの木のりみ