家計費を計算する人間の手

「50万円の特別費」はどう準備すればいい? 節約の専門家が教える「特別費の早く上手な貯め方」

2022/03/19

家電の買い替えや冠婚葬祭費など、急に発生する高額の出費。これに家計を乱されないためには、「特別費」を用意することが大切です。でも、いくらぐらいを、どうやって準備すればよいのでしょう?節約アドバイザーの丸山晴美さんに、特別費の上手なつくり方を聞きしました。

なお、今回ご紹介する情報はすべて2022年2月時点の取材情報を基にしています。

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...

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みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。

お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。でも経済に関するお金の情報は、ちょっとむずかしいですよね。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「特別費のつくり方」!

「特別費」として準備したい金額は「50万円」程度

特別費とは、普段の生活費の中ではやりくりがむずかしい、突然の支出や高額な支出のための費用のこと。冠婚葬祭が続いたときや、高額な家電が急に壊れたときなどの支払いに備えるものです。特別費を用意しておくことで、突然の出費にも慌てず、貯蓄を切り崩さずに対処できます。

特別費の金額は決まっていませんが、私は「50万円」程度をおすすめしています。50万円あれば、たいていのできごとに対処が可能だからです。

とはいえ、急に50万円と言われても困りますよね。そこで今回は、普段の生活への負担を最小限にしつつ、上手に早く特別費を貯める方法をご紹介します。

毎月「予備費」を設け、特別費の貯蓄をスピードアップ

まず、特別費のための口座をつくることをおすすめします。口座をつくることで積み立てがしやすくなり、ほかの目的に使ってしまうのを防ぎやすくなります。

その口座に、毎月5,000円でもいいので積み立てていきましょう。それだけではなかなか50万円にならないので、さらに毎月の生活費の中から別途「予備費」を設けます。

予備費とは、日々の生活の中でのイレギュラーな小さな出費に備えるものです。たとえば、家族で外食して食費がオーバーしたときや、風邪で病院に行ったときの受診料など。いわば特別費の小型版で、予算は2万円程度です。

月の初めに予備費として2万円取り分けておき、残ったお金を食費や生活費などの予算に分け、その中でやりくりするようにします。

予備費は毎月必ず使うわけではないので、月によっては全額残ることもあるでしょう。特別費の口座に毎月積み立てし、予備費が残ったら全額入れるようにすれば、比較的早く貯めることができます。

なお、ボーナスを特別費に回すことが可能ならば、そうしてもOK。その場合はあらかじめ「◯割は特別費に回す」など決めておくと、計画的にボーナスを使うことができます。

使う時期や金額がわかっている費用は別途に積み立てて

特別費を何に使うかは、家庭事情にあわせて自由に決めて大丈夫。ただ、賃貸住宅の更新料や車検費用、帰省費用などは、あらかじめいつ、どのくらいの金額が必要かわかります。そういう費用は別途に積み立てをしておくのがおすすめ。そうすれば特別費の減りを抑えることができ、本当に必要なときに十分な対応ができます。

特別費を使ったら、その内訳をノートなどに記録しましょう。それを見直すことで、より計画的に特別費を使えるようになります。

使用した分はできるだけ早く補填し、常に50万円をプールしておくようにしましょう。

生活を守る備えには、保険や年金などいろいろありますが、直接生活に影響するのはやはり「貯蓄」です。生活をしっかり守るために、毎月の予備費と年間の特別費を準備し、両輪を回していくことが大切です。

教えてくれたのは・・・

丸山晴美さん

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て2001年、節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザーなどの資格を取得。身のまわりの節約術やライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどを、テレビやラジオ、雑誌、講演などで行なっている。著書は「シングルママの『お金に困らない』本」(徳間書店)、「50代から知っておきたい!年金生活の不安、解消します」(共著)(幻冬舎)など多数。

取材・文/かきの木のりみ

 
 

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