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「特別費」がない家計の悲惨な末路……突然の高額出費で生活が破綻してしまう理由とは

2022/03/07

突然の大きな出費に備えるための「特別費」、準備していますか?節約アドバイザーの丸山晴美さんは「特別費がなかったために家計が破綻してしまった、というケースが少なくありません」と注意を促します。「特別費」とは何か、準備しないとどういう事態を招きやすいのか聞きました。

なお、今回ご紹介する情報はすべて2022年2月時点の取材情報を基にしています。

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...

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みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。

お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。でも経済に関するお金の情報は、ちょっとむずかしいですよね。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「特別費は必要?」!

特別費は、ある日突然起こる不定期な支出への備え

特別費とは、毎月あるわけではないけど、年間で考えるとある不定期な支出のための費用です。小さいものならプレゼントを買う費用など、大きいものでは冠婚葬祭に関するお金や高額家電の買い替え費用などです。ある日突然に必要となる場合が多いのが特徴です。

突然の出費は、一度もない年もあれば、逆に立て続けに必要となることもあります。冠婚葬祭が続く、家電が1つ壊れたらほかの家電も次々と……なんていう話はよく聞きますよね。

特別費はこうした不測の事態から、家計や生活を守るための備え。たいていのことに対応できるよう、50万円程度用意し、常にプールしておくと安心です。

急な出費で貯蓄を切り崩すのは、破綻への第一歩

私は多くの家計診断をしてきた中で、特別費を用意していなかったために家計が破綻した家庭をたくさん見てきました。一体なぜ、そのようなことになってしまうのでしょう?

たとえば、洗濯機が突然壊れてしまったとき、ドラム式洗濯機に買い換えようと思うと20~40万円ほどかかります。これを月の生活費の中から全額出すのはむずかしいですよね。

すると多くの人は、貯蓄の一部を切り崩して対応しようとします。しかし、貯蓄は教育費や老後の資金、住宅資金など、目的をもって貯めている場合が多いもの。切り崩せば、当然、目的の達成は遠くなります。

一度切り崩すと貯蓄へのモチベーションが下がり、なし崩し的に残りの貯蓄も使ってしまいがち。これを繰り返せばいずれ貯蓄がなくなり、家計も将来設計も崩壊してしまうのです。

ボーナスでどうにかしても家計にダメージが

ボーナスがある場合は、急な出費分や切り崩した貯蓄分をボーナスで補填することも可能です。ボーナスの使い道が決まっていなくて、全額貯蓄に回すつもりだったならそれも問題ないでしょう。

しかし、家計が危険な状態になりやすい家庭は「住宅ローンのボーナス払いが高額」「毎月の生活費の赤字分を補填している」など、貯蓄にならないボーナスの使い方をしています。ボーナスを急な出費などに充てるとそれらの支払いや補填ができなくなり、けっきょく家計が大きく乱れるのです。

また、ボーナスは貯蓄を一気に増やすチャンスでもあります。それを急な出費に充てることで、貯蓄を増やす機会をも逃すことになります。

破綻へ近づく「リボ払い」「分割払い」「キャッシング」

「だったら急な出費をリボ払いや分割払いで対応すればいいのでは?」と思う人もいるでしょう。確かにそうすれば、その月は家計を守れます。でも、今度は「金利、手数料」という、本来払う必要のなかったお金を毎月払っていかなければなりません。しかも、リボ払いの金利手数料は、約15%と高額です。

こうしたことが続けば家計がまわらなくなり、キャッシングなどで補填するという自転車操業に陥ることに。そこから抜け出せなくなって破綻するパターンが、実はとても多いのです。

日々暮らしていれば、「突然の高額出費」が起こることは必ずあります。だからこそ、特別費を用意してしっかり備えましょう。

教えてくれたのは・・・

丸山晴美さん

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て2001年、節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザーなどの資格を取得。身のまわりの節約術やライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどを、テレビやラジオ、雑誌、講演などで行なっている。著書は「シングルママの『お金に困らない』本」(徳間書店)、「50代から知っておきたい!年金生活の不安、解消します」(共著)(幻冬舎)など多数。

取材・文/かきの木のりみ

 
 

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