「節約好きの妻」と「散財好きの夫」が1000万円貯めた方法
2019/06/05
夫婦だからといってすべてを理解しあえるわけではありません。性格も違えば好きなことだって違う。それに、お金の使い方だって……。そこで今回は、妻は節約好き、夫は散財好きでも1000万円貯められたというご夫婦にお金の貯め方について聞いてみました。
<教えてくれた人>
Hさん(長野県 35歳)
夫(31歳)、長男(5歳)、長女(6カ月)の4人家族。結婚9年目。住まいは、3LDKの持ち家一戸建て。現在は育休中で、今年中に非常勤パートで復帰予定。
◎TOTAL MONEY DATA
夫月収(手取り) 29万円
妻月収(手取り) 現在育休中のため0円
夫ボーナス(年間) 100万円
夫年収(手取り) 448万円
月貯蓄額 3万5000円+残し貯め
(妻就労時 9万5000円+残し貯め)
年貯蓄額 70万円(妻就労時 142万円)
総貯蓄額 1118万円
=Hさんの1か月の家計表=
夫月収(手取り) 29万円
妻月収(手取り) 0円
先取り貯蓄 3万5000円
住宅ローン 6万5000円
夫携帯電話・Wi-Fi代 9000円
車保険料 4000円
ガソリン代 1万円
夫小遣い 4万3000円
食費(外食費含む) 3万7000円
水道・光熱費 1万2000円
日用品費 1万1000円
子ども費 1万円
被服・交際・娯楽・医療費など 1万円
妻携帯電話代 9000円
長男幼稚園代 3万5000円
妻小遣い 0円
(クレジットカードのポイントを利用)
⇒妻復帰して、月9万5000円×12カ月+ボーナスから28万円=年142万円貯蓄できる。
1000万円貯蓄ヒストリー
●2007年同棲スタート 貯蓄100万円
夫はまだ学生。家賃4万円の部屋で一緒に暮らし、妻収入から月5万円&ボーナスの貯蓄を開始
●2009年夫婦で正社員に 貯蓄550万円+α
●2011年結婚 貯蓄100万円
夫も就職し、貯蓄額は月10万円にアップするも結婚式や旅行で400万円のダウン!
●2012年妻退職パートへ 貯蓄額不明
●2013年長男妊娠 妻専業主婦に 貯蓄178万円
●2014年長男出産 貯蓄465万円
夫婦会議と出産祝いで貯蓄に潤い戻る
●2015年妻パート開始 貯蓄603万円
100万円を元手に、株式投資をスタート。利益を貯蓄に還元。
●2016年マイホーム購入 貯蓄732万円
理想の住宅を発見し購入。諸費用の200万円は貯蓄から支払い、月6万5000円のローン開始
●2017年長女妊娠 妻産休へ 貯蓄784万円
【散財夫の使い込みショック】
結婚後、貯蓄の管理は夫に一任。しかし、通帳を確認すると残高が予定の200万円近く少なく大ゲンカに!
●2018年長女出産 貯蓄1008万円
育休中も年70万円は貯蓄し、気がついたら1000万円に到達!株の資産も殖えました
●2019年現在 貯蓄1118万円
妻が仕事に復帰したら、年142万円ペースで貯める予定。6年半後には2000万円貯蓄をめざしています
貯まる家計に変わるために書き出したこと
夫婦だって、以心伝心はムリ。お互いに〝本音〞をメモしてみたら、感情的なケンカにならず、問題解決の糸口が見つかりました!
(1)それぞれの「好きなこと/物」「嫌なこと/物」を書き出す
(2)そのなかで、優先順位をつける
何が大事?何がストレス?を書き出すことで、相手の価値観を〝見える化〞していきます。「全部を満たすのはムリだから、取捨選択してお互い〝腹八分目〞の着地点を探しました。その結果、ケンカせずに見直せ、貯蓄が殖やせるようになりました」
家計管理サイクル
●PLAN(計画)
4月には毎月の予算、ボーナス時にはその使い方を夫婦で協議。「最初に2人で話し合っておけば、お互い気持ちよく暮らせます」
●DO(実行)
夫婦会議で決めた予算を目安に、夫は住居費や通信費などの固定費、妻は食費や日用品費など変動費を担当してやりくり。2人で家計を守ります。
●CHECK(評価)
家計簿を週に一度集計し、あといくら使えるかチェック。「残金を見て翌週の買い物や献立の参考に。全体でオーバーしていなければOKに」
●ACTION(改善)
毎月の集計をまとめ、夫婦会議で決めた予算とどのくらい差があるかを確認。「増やすところ、削るところを2人で考えるための資料にします」
楽しみファーストな夫に有効なテクはこれ!
節約は嫌い、でもお金を幸せに使うスキルは高い夫。ケチケチを封印し、〝お楽しみ〞をつくることで、節約にも自然に協力的に!
家で〝仕事”と〝光熱費” 〝節約”の話はNG
〝ケチケチ〞は夫が最も嫌うストレス。家ではリラックスしてほしいから、光熱費の節約は、夫の留守中だけに。仕事に対する考え方も違うので、家で職場の話はなし。ケンカの種をまかないことで、お金の話もしやすい空気になります。
小遣いは多めに渡せば責任持ってやりくりできる
楽しみは削りたくない夫。でも、生活費から出すと妻はイライラ。だから、小遣いを多めにし、使いみちには口出ししないことに。好きだからと、同じユニホームを何枚も買う心理は理解できませんが(笑)、割り切れます。
定期的に欲しいごほうびは回数を決める
家族との旅行や外食は、夫のモチベーションのもと。でも、使いすぎは困るから、出せる予算と回数を決めました。プランは夫にお任せ。予算内で目いっぱい楽しめる企画を考えてくれるので、大感謝!
家ごはんも〝たまには”贅沢
〝ごちそう〞が食べたい夫の希望を満たし、かつ予算を守るために、株主優待をフル活用。自由に豪華な食材を選べる、オリックスのカタログギフトが大助かり。食べ物系の優待は、小まめにチェックします。
心配性な妻が楽しく貯めるテクはこれ
お金を使うとすぐ不安になるくせに、細かいことはできない。そんな妻に合うテクは、達成感と新規チャレンジ。
見つけたテクはすぐに試す!
節約は好きだけど、性格はズボラ。雑誌で見たやりくり上手な人のテクをまずは完コピ。自分が続けられる部分だけ取り入れます!
*ストックは多くてOK
ストックはしないほうが貯まると聞いても、特売品は底値で買い置きしたい。買い物の時間と底値を探す手間を省くために、予算内ならストックもOK。日付と買った物を家計簿にメモしておけば、ムダ買いは防げます。
*作り置きはやめた
作り置きは大変すぎて挫折。いたみやすい葉ものは週の前半、根菜は後半と、ざっくり献立を決めるだけにしました。気分や予定に合わせて調整でき、食材も食べ切れるから問題なし!
月1の記帳で増える数字を見てモチベーションをキープ
貯蓄の残高は心のオアシス。専用通帳を作り、必ず記帳。挫折しそうになったとき見ると、100万円、200万円とちゃんと増えている数字に励まされ、やる気が高まります。これまでの努力もわかり、達成感に!
株主優待を上手に使って楽しく出費を減らす
投資を勉強し、貯蓄の一部でオリックスやゲオなど株主優待がある株を購入。食品などが受け取れ出費を減らせるし、配当金が出るのも魅力!お得感とお金を殖やす楽しみがあり、心配性な人でも楽しみながらできます。
DIYで居心地のいい空間 をつくって、ストレスを排除
中古で買った家は、壁紙やしっくいでセルフリフォーム。材料はネットで安く買え、プロに頼むより安上がり。みんなでやれば思い出にもなり、休日家で過ごすのが楽しくなります。
毎月、給料は全額下ろして費目分け
給料が出たら全額下ろし、子どもの前で〝今月もありがとう〞と言葉で伝えてから仕分け。「お互い予算を大切に使う気持ちになり、夫の仕事のやる気を高める効果も!
夫婦で目標を達成するために大切な4つのこと
(1)お互いの得意なことを分担する
節約だけはストレスだし、使ってばかりは困る。私は貯蓄、夫は楽しいお金の使い方と、得意分野を担当することで、お互いやる気が続く家計に!
(2)どんな意見でも否定しない
どんなに「え?」と思う意見でも、頭ごなしに否定せず、いったん「なるほど」と受け止めるルールに。ケンカにならず、いつも円満に話し合えます!
(3)2人だけの時間を持つ
お互いに、話を聞いてもらうだけでストレス発散に。忙しくても2人の時間を大切にすることで、本音を打ち明けやすく、お金の相談もしやすくなりました。
(4)「結局は別の人間」を忘れない
夫の理想やストレスを知れば、「私とは価値観が違うのだから、全部納得できなくても仕方ない」と割り切れるように。ムダなケンカが激減しました。
お金を楽しく使いたい夫、万一に備え貯めたい妻。互いの意見を尊重して、得意なことを担当したら、ストレスなく貯まるリズムに!お金の使い方が真逆でも、相手を認めることが貯蓄につながっていきますよ。
参照:『サンキュ!』6月号「まさか私が⁉1000万円貯まるまでの全部、公開!」より。掲載している情報は19年4月現在のものです。撮影/林ひろし 構成/出下真紀 編集/サンキュ!編集部
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