10年ごとに発生する大型出費!?困らないための準備&利用できる補助金を知っておこう
2022/04/09
賃貸はずっと家賃の支払いがあるけど、家を買ったら後はお金がかからない、と思っていませんか?実は買ったあとも「メンテナンス」でかなり大きなお金がかかります。いつごろ、どのくらいのお金が必要なのか、そのお金はどう準備するのがいいのか、節約アドバイザーの丸山晴美さんに聞きしました。
なお、今回ご紹介する情報はすべて2022年3月時点の取材情報を基にしています。
監修: 節約アドバイザー 丸山晴美
22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...
みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。
お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。でも経済に関するお金の情報は、ちょっとむずかしいですよね。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「家のメンテナンス費用」!
築10年を過ぎると、住宅設備の同時多発故障が勃発!
キッチンやトイレ、給湯器といった住まいの設備商品は、多くが10年を過ぎると交換が必要になります。交換にかかる費用は、設備の種類やグレードによりますが、たとえば便座本体とタンクで20~40万円、給湯器では20~70万円。キッチン本体や浴室のユニット全体となると、それぞれ100~300万円ものお金がかかります。
家電類も10年前後で故障が出始めますし、戸建て住宅は屋根や外壁なども自分で管理しなければなりません。マンションも10~15年周期くらいで大規模修繕をする必要があり、その積立金なども必要です。
つまり、築10年を過ぎると家のさまざまなものや家電、設備などが故障し始め、同時多発的にメンテナンスが必要になるということ。これが10年前後の周期で起こるのですから、住まいのメンテナンスにかかる費用は莫大です。だからこそ、前もって準備しておくことが大切です。
家を買ったらその翌月から「メンテナンス積み立て」を始めるのがベスト
家計を守るテクニックとして、冠婚葬祭や医療費など不定期に発生する支出のための費用「特別費」を準備する、というものがあります。
メンテナンス費用も特別費で対応できればいいのですが、かかるお金の規模が違います。特別費ではまかない切れませんので、特別費とは別途に「メンテナンス貯蓄」をしておくことが必要です。
専用口座などをつくって、毎月積み立てをする方法が確実でしょう。家を購入したら、その次の月から住宅ローンとは別に、メンテナンス積み立てを始めるのがベスト。すでに購入していてメンテナンス貯蓄ゼロという人は、月1万円でもいいので、今すぐできる範囲で始めましょう。
給湯器を交換したらその翌月から、次の交換に備えて給湯器メンテ貯蓄をするという方法もよいでしょう。交換が近そうなものから具体的に金額を計算し、1つ1つ確実に積み立てるのもひとつの方法です。
国や自治体からの補助金を活用してメンテナンスする方法も
メンテナンスの種類や内容によっては、国や自治体から補助金を受け取れる場合があります。
たとえば東京都では、エアコンや冷蔵庫、給湯器を省エネ効果が高い新品の対象家電などに買い替えると、商品券とLED割引券に交換できる「東京ゼロエミポイント」が付与されます(※1)。こうした制度を活用して、メンテナンスや設備商品の入れ替えをするのも一案です。
「東京ゼロエミポイント」の事業は2023年3月末で申請受付期限が延長されましたが、ほかにもさまざまなものがあります。助成制度は自治体によっても内容が異なり、毎年4~6月ごろに告知されます。4月になったらお住まいの自治体のホームページをチェックしてみましょう。
また、メンテナンス費用が数百万円という高額になる場合は、ローンを検討するのもありでしょう。ただし、住宅ローンを支払っている場合は、もう1つローンを抱えることになります。払い続けられるのかなど、よく考えて計画を立てることが必要です。
なお、メンテナンスはしょっちゅうあることではないので、料金は定期的に確認を。設備の機能によっても価格が異なりますから、交換する前に自分の家に必要な機能や予算の範囲を、しっかり調べることが大切。業者を選ぶ際は数社から見積もりを取り、よく比較検討することも重要です。
賃貸住宅であればメンテナンスは大家さんがやってくれますが、購入したらすべて自分の責任です。メンテナンス費用もしっかり家計に組み込んで、ライフプランを立てましょう。
取材・文/かきの木のりみ