今増えている「釣られ散財」とは?お金の専門家が、釣られる心理と実態を解説

2022/04/16

買う予定じゃなかったのに、何かに“釣られて”つい買ってしまうのが「釣られ散財」。「世の中には“釣られ散財”を引き起こすための仕掛けがあちこちにあり、そうと気づかずにやっているケースも多いんです」と節約アドバイザーの丸山晴美さんは言います。どんな「釣られ散財」が起きやすいか、実態を聞きました。

なお、今回ご紹介する情報はすべて2022年4月時点の取材情報を基にしています。

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て...

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みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。

お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。でも経済に関するお金の情報は、ちょっとむずかしいですよね。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「釣られ散財とは」!

「釣られ散財」のほとんどは「ムダ買い」

最近、町のお店でもネットでも「釣りワード」を多く見かけるような気がします。たとえば、「2点目以降は半額」とか、「よりどり3点1,000円」などもそうですね。

先日も子どものスクールシューズを買いにスポーツ用品店へ行ったら、「お店の専用アプリをダウンロードして会員登録したら、その場で割引します」と言われ、会員登録しました。会計の際に今度は「ワゴンの商品からどれでも3点選んで買ったら、割引金額からさらに値引きできます」と。

一瞬「お得!」と喜んでワゴンを見たのですが、欲しいものがなくて冷静になりました。そして「ほかでも安く買えるものばかりだし、こうして迷っている時間がもったいない!」と気づき、当初の目的であったスクールシューズだけ買って帰ったのです

このように、お得ワードに釣られて買ってしまう「釣られ散財」は、得なようでいて、実はムダ買いになるケースがほとんど。釣られていることに自分で気づかないことも多いので、「釣られ散財」のパターンを知っておきましょう。

釣られ散財1:今買わないと手に入らないかも!

スーパーなどで、人気の商品が残りわずかなのを見てつい買ってしまったこと、ありませんか?私の知り合いは、初めて行った韓国食材店で、話題の「マヌルパン」が残り2つなのを見て、欲しいと思ってなかったのに買ってしまったそうです。でも、ひと口食べたら口に合わず、2つとも捨てたとのこと。

また別の知り合いは、近所のDVDレンタルショップの在庫一掃セールで、「希少DVD」という文字に惹かれてB級ホラー映画のDVDを購入。それから数年経ちますが、買っただけでいまだに観ていないそうです。

このように「今買わないと今度いつ手に入るかわからない!」と思って買ってしまうのは「釣られ散財」。前から欲しかったものならラッキーですが、そうじゃないものに手を出すのは「ムダ買い」です。

釣られ散財2:お得ハンターになっている

アウトレットモールやオフプライスショップ、大型スーパーなどは、釣られ散財の楽園とも言える場所です。欲しいものを買いに行くならいいのですが、レジャー代わりに行って、ついでに「お得なもの」をゲットできれば一石二鳥と考える人も多いでしょう。

こういう場所に来ると人は、お得を探す「お得ハンター」になりがち。「せっかく車でガソリン代使ってきたんだから」「高速代も払ったんだから」「休日をつぶしてきたんだから」と、「得するもの」を無理矢理にでも見つけて買おうとしてしまいます。

また、ネットのセールなどもお得ハンターになりやすい場所の1つ。年に数回の大きなセールはもちろん、タイムセールや特定の日だけポイントが多く貯まる場合なども、「お得だから」とあまり必要ではないものまで買ってしまいがちです。
節約を意識している人ほど、お得ハンターになりやすいので注意が必要です。

釣られ散財3:知ったがゆえに消費欲が!

YouTubeやInstagramなどのインフルエンサーが紹介しているものを見て欲しくなり、買ってしまうこともありますよね。クラウドファンディングで「存続の危機です」「助けてください」と書かれているのを見て……という場合もあるでしょう。

訴えている人に「釣る」意識がなくても、「ついお金を出してしまった」場合は結果的に釣られ散財と言えます。

これらは、その情報を知ったがゆえに消費欲が刺激されて買ってしまうパターン。知らなければ買うことはなかったし、なければないで別に困らないものだったりします。

将棋の藤井聡太竜王の「勝負おやつ」や、カーリング女子日本代表チームの「もぐもぐタイム」のおやつがすぐに売り切れるのも、このパターンの1つ。そう考えると、通販番組やお取り寄せサイトなど、釣られ散財を招く情報はとても多いことがわかります。

あなたが実際にやっている「釣られ散財」はいくつありましたか?本当に節約したいのなら、「買わない」ことがベスト。釣られ散財のしすぎに注意しましょう。

教えてくれたのは・・・

丸山晴美さん

22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て2001年、節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザーなどの資格を取得。身の回りの節約術やライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどを、テレビやラジオ、雑誌、講演などで行なっている。著書は「シングルママの『お金に困らない』本」(徳間書店)、「50代から知っておきたい!年金生活の不安、解消します」(共著)(幻冬舎)など多数。

取材・文/かきの木のりみ

 
 

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