あなたも間違えてるかも!?やってはいけない「さつまいも」の保存方法
2024/10/03
秋になると子どもも大人も食べたくなる、さつまいも。長期保存ができるイメージを持たれがちですが、意外と繊細な野菜で、やってしまいがちなNG方法で保存している人も多い野菜でもあります。
今回は、野菜ソムリエ・食育インストラクター・気象予報士として活躍する植松愛実さんに、さつまいもの意外なNGと保存のコツを教えてもらいます。
土がついた状態で入手した場合
スーパーで売っているさつまいもは土が洗い落とされた状態のものが多いと思いますが、それでもときどき土つきの状態で売っていることがあるほか、子どもがお芋掘りで取ってきたさつまいもには土がついています。まずは、土つきの場合ならではのNGを見ていきましょう。
【NG1】土を洗い流して保存
さつまいもは、土を洗い流してしまうと一気に保存期間が短くなってしまいます。おまけに、水にぬれることに弱い野菜なので、洗うことで傷みやすくなってしまうという難点も。
そのため、土つきで手に入れたさつまいもは、土を洗い流すことはせず、土つきのまま保存しましょう。とくに、お芋掘りで持って帰ったさつまいもは、すぐに食べるよりもしばらく置いたほうがおいしくなるので、このあと説明するポイントを守って1カ月ほど保存してから食べるのがおすすめです。
【NG2】湿った土がついた状態で保存
土つきなら何でもいい…というわけではなく、湿った土はさつまいもが傷んでしまう原因になります。かと言って、さきほど説明したとおり、水で洗うのはNGです。
そのため、さつまいもについた土が湿っている場合は、1~2日ほど天日干しをして、土を乾かしましょう。なお、土が大量についている状態だと保存するのに邪魔な場合もあると思いますが、乾かしたあとであれば、ある程度は土を手で払い落としても問題ありません。
洗われた状態で入手した場合のNG
店頭で見かけるさつまいもは、たいてい洗われて土が落とされた状態ですよね。この状態のさつまいもにも、保存の際に気をつけるべきポイントがあります。なお、土つきで手に入れた場合は、前述のように乾燥などの処理をしたあと、以下のポイントもあわせてチェックしてください。
【NG1】秋に常温で保存
さつまいもは常温で保存するイメージがあるかもしれませんが、適温は20℃以下と考えられています。それより高い気温の場所で置いておくと、発芽してしまうことが多いのです。
東北の北部や北海道を除いて、秋の気温は日中に20℃を超えることが多く、さつまいもの常温保存に向いていません。多少の個人差はありますが、長袖1枚ではちょっと寒くてカーディガンが欲しくなる気温がだいたい20℃くらいですので、それより暑いと感じる時期は、さつまいもは冷蔵庫の野菜室に入れておきましょう。
【NG2】密閉して保存
さつまいもを密閉した袋の中に入れておくと、中で蒸れてしまい、カビが生えたり傷んだりする原因になってしまいます。そのため、ポリ袋に入れて保存する際は、袋の口をしっかり結ぶのではなく、ゆるく結んでおきましょう。あればポリ袋より紙袋のほうが向いています。
また、段ボールなどの箱に入れる際も、箱をぴっちり閉じるのではなく少しすき間をつくっておくようにしましょう。涼しい時期に常温保存する場合の置き場所も、廊下や床下収納などの風とおしのよい場所がおすすめです。
コツをおさえて、さつまいもを長く楽しもう!
さつまいものように土の中で育つ野菜は、常温で簡単に長く保存できるような印象を持たれがちですが、意外と繊細な面も。ただ、コツをおさえれば収穫したあと長く楽しむことが可能です。
おやつに丸ごと食べてもよし、晩ご飯のおかずや炊き込みご飯にしてもよし、さらにはスイーツにも使えるさつまいも。ぜひおいしい状態を長く楽しんでくださいね。
■執筆/植松愛実さん
気象予報士と出張料理人の両面で活動中。気象・防災に関するヒントのほか、野菜ソムリエ・食育インストラクターとしておいしい食材のおいしい食べ方を発信中。
編集/サンキュ!編集部