春先になると、スーパーで冬よりも少し白っぽいゴボウが並ぶようになります。「新ゴボウ」と言って、ゴボウを若いうちに収穫したもので、これから初夏にかけて多く出回りますが、ふつうのゴボウと扱い方は違うのでしょうか。
今回は、野菜ソムリエ・食育インストラクター・気象予報士として活躍する植松愛実さんに、春先にゴボウを買ったらぜひ気をつけたい保存方法のNGとおすすめ解決策について教えてもらいます。
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【NG1】乾燥対策をしない
ゴボウは土つきで売られていることも多く、放置してもあまり乾燥も劣化もしなさそうに見えるかもしれませんが、じつは乾燥に弱い野菜。というのも、全身が細いので、表面から中心までの距離が短く(断面の半径が短く)、つまり放っておくとすぐに中まで乾燥してしまうのです。
特に、これから春先~初夏に多く出回る新ゴボウは、水分が多くみずみずしいのが特徴ですから、秋冬のゴボウよりも乾燥対策はしっかりしましょう。乾燥対策のコツは、次の【NG2】の項目で詳しく説明します。
【NG2】土つきゴボウと洗いゴボウを区別しない
ゴボウの乾燥対策…と聞くと、「新聞紙でつつんでおけばいいかな?」と思われるかもしれませんが…、じつは新聞紙は万能ではありません。
新聞紙でくるむのが向いているのは、土つきで売っているゴボウの場合。土つきの場合は土を落とさずに新聞紙でくるんでから、涼しい場所(おおむね10℃以下)か冷蔵庫の野菜室に入れましょう。
一方、「洗いゴボウ」と言って、土が洗い落とされた状態で売っているゴボウの場合は、ラップのほうが有効です。ぜひ「土つき」と「洗い」で区別して乾燥対策をしてくださいね。
みずみずしい春のゴボウを楽しもう
ゴボウは、土っぽり香りが苦手だったり、アク抜きがたいへんだったりと、敬遠する人も多い野菜ではありますが、春先~初夏に出荷量が増える新ゴボウは、香りもやさしくアクも少ないため、ふだんゴボウをあまり食べない人でも試しやすいのが特徴です。
なかには、湧き水でしっかり洗ってアクをほぼ抜いた状態で出回っているものもあり、ゴボウ料理のハードルがぐんと下がります。定番のきんぴら以外にも、サラダやパスタにも合わせられる使いやすさもうれしい。ぜひ今回ご紹介したポイントを参考に、みずみずしい春の味を存分に楽しんでくださいね。
■執筆/植松愛実さん
気象予報士と出張料理人の両面で活動中。気象・防災に関するヒントのほか、野菜ソムリエ・食育インストラクターとしておいしい食材のおいしい食べ方を発信中。
編集/サンキュ!編集部