くるみといえば、ほかのナッツ類と比べると非常に栄養価が高いことで知られ、ダイエットによい食材と言われています。今回はそんなくるみの栄養素と期待できる効果、ダイエットに適している理由や、くるみを使ったレシピなどをご紹介します。

くるみの種類と栄養
くるみにはいくつかの種類があり、日本中で見かけることの多い「カシグルミ」、タンニンが少なくフルーティーな「オニグルミ」、西アジア原産の「ペルシャグルミ」、国産高級くるみとして扱われている「シナノグルミ」などがあります。
くるみは、青魚などに含まれているDHAやEPAなどの仲間であるオメガ3系脂肪酸を多く含み、さらにビタミンやミネラルなどの栄養素も豊富に含んでいます。
脂質を多く含みますが、血液中のコレステロールや中性脂肪に効果のあるとされる不飽和脂肪酸が9割を占め、生活習慣病の予防に役立ちます。そのため、ダイエット食材としても注目されています。
くるみのカロリーと栄養素
くるみのカロリーは100g当たり674kcalです。
とくに多く含まれている栄養素は、オメガ3系脂肪酸のなかに含まれるαリノレン酸、ビタミンB1、B6、E、葉酸などのビタミン、マグネシウム、銅、亜鉛などのミネラルです。くるみには人の体に欠かせない栄養素がたくさん含まれています。
くるみの栄養素
・オメガ3系脂肪酸
・ビタミンB群
・葉酸
・マグネシウム、銅、亜鉛などのミネラル
・食物繊維
くるみの栄養素1:オメガ3系脂肪酸
オメガ3系脂肪酸とは、体内で合成できないため食べ物などから摂取が必要な必須脂肪酸で、DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)、αリノレン酸などが含まれています。
EPA、DHAは脂肪の多い魚や貝類・甲殻類などの海産物に含有され、血液凝固抑制、生殖機能の維持、細胞の分裂や成長など多くの身体機能にとって、重要な役割を果たしています。
αリノレン酸は、血液中の中性脂肪を下げる効果が期待されており、一部が体内でEPAやDHAに変換されて働きます。
くるみの栄養素2:ビタミンB群
くるみには、ビタミンB1やビタミンB6などのビタミンB群が含まれています。ビタミンB1は糖質をエネルギーに変換させる働きがあるため、体をよく動かす人などは積極的に摂取したい栄養素です。
また、疲労回復の効果にも期待できます。ビタミンB6は、たんぱく質からエネルギー産生したり、筋肉や血液などをつくり、皮ふや粘膜を健康に保つ作用があります。
くるみの栄養素3:葉酸
くるみには、妊婦には欠かせない葉酸も含まれています。水溶性ビタミンであるビタミンB群の一種で、海藻・レバー・緑黄色野菜などに多く含まれます。
葉酸には造血作用があるだけでなく、胎児の脳や神経管の健康な発育に重要な役割を果たすことから、妊娠中だけでなく、妊娠を望む人や授乳中にも必要量が増加するため、積極的な摂取が必要です。
くるみの栄養素4:マグネシウム、銅、亜鉛などのミネラル
くるみには、マグネシウム・銅・亜鉛などのミネラルも多く含まれています。マグネシウムは骨や歯の成分となり、神経の興奮を抑えたり、エネルギーをつくり出したり、血圧の維持などの重要な働きをします。
銅は鉄を運ぶ働きによって、鉄から血液中の赤血球がつくられるのに欠かせない働きがあり、亜鉛はタンパク質の合成や代謝機能に関わる酵素の成分となる必須のミネラルになっています。
くるみの栄養素5:食物繊維
ダイエットには欠かせないと言われている食物繊維も、くるみには多く含まれています。
食物繊維は、腸内環境を改善して便秘を予防するだけではなく、糖の吸収を抑えたり、コレステロールの排出を促すことで生活習慣病の予防に役立ちます。
くるみはダイエットに効果がある?
くるみは食物繊維で便秘が予防できることや、多く含まれるタンパク質と合わせてとることでより満腹感が得られやすくなって食事の食べ過ぎを抑えてカロリー摂取量を減らすことができるなど、ダイエットに役立つ食材と言えます。
くるみを使ったおすすめのレシピ
ここまで、くるみが人間の健康維持とダイエットに適した食材であることを紹介してきました。そんなくるみを使った料理にはどんなものがあるのでしょうか。
くるみのおすすめレシピ1:ほうれん草のナッツ和え
ナッツとオイスターソースの旨味がおいしい簡単な和え物です。
ほうれん草は少し固めにゆでた方が食感を楽しむことができ、お弁当や食卓にもおすすめです。クルミ(素焼き)のほかにもアーモンド、カシューナッツなどお好みのナッツをお使いください。
くるみのおすすめレシピ2:にんじんの葉の手作りふりかけ
にんじん葉とクルミの手づくりふりかけです。
一般的な手づくりふりかけは、じゃこやかつお節、ごま油などを合わせることが多いですが、食材の組み合わせを変えて、独特の風味のにんじんの葉をいかしたふりかけです。ご飯にかけるだけでなく、おにぎりにしてもおいしいです。
くるみのおすすめレシピ3:クルミ汁粉
クルミと牛乳をいっしょにミキサーにかけた「クルミ汁粉」です。
くるみの香りがふわっと広がり、葛粉のとろみもあり舌触りもよいです。あつあつの汁粉に白玉をいれているので、寒い日の朝食やおやつにもぴったりなおすすめのレシピです。
くるみをおいしく食べよう!
くるみは、栄養素がふんだんに盛り込まれ、なおかつヘルシーな食材です。
ナッツ類のなかでもとくに栄養価の高いくるみは、スイーツだけではなく料理の脇役として盛り込んでもまったく違和感のない食材でしょう。
くるみを使ったレシピで栄養素満点なヘルシーな料理をつくって、楽しみながらダイエットしてみてはいかがでしょうか。
監修者ミニコラム:栄養満点な「くるみ」を使ったヘルシースナッキングのススメ
食事だけで足りない栄養を補うため、成長期の子どもは補食としておやつが必要です。でも、大人にとってのおやつは、どちらかというとリフレッシュやご褒美的な要素が強いのでは?
そんなおやつタイムを賢く利用する「ヘルシースナッキング」という考え方があります!
間食のタイミングや量を守ることで、ダイエットや健康維持によいとされ、食物繊維やたんぱく質、代謝UPに役立つ栄養を含む「くるみ」は最適!ただし、食べるときは以下の点を意識しましょう。
・10粒程度(150kcal相当)
・食事と食事の間(空腹を感じる前がベスト)
・よく噛む(満腹中枢を刺激)
空腹になりすぎることを防ぎ、食事による急激な血糖値の上昇を抑えて脂肪がつきにくくなると考えられていますよ。「くるみ」をおやつの定番にしてみては?