【管理栄養士監修】「モロヘイヤ」の主な栄養素とカロリーまとめ!おすすめな調理方法は?
2020/09/09
モロヘイヤはあまり馴染みがない食材だという方もいらっしゃるでしょう。他の緑黄色野菜と比べても栄養価が高いと言われ、体の健康づくりやダイエットにも効果が期待されています。素材を活かした調理方法を知り、モロヘイヤをおいしく食べましょう。
モロヘイヤの種類
モロヘイヤには、「カプスラリス種」と「オルトリウス種」の2種類があり、多くの栄養素が含まれています。
ミネラルやビタミンが多く含まれ、特にカロテンの含有量は野菜の中でトップクラスと言われています。モロヘイヤの葉の独特なヌメリには、水溶性食物繊維が多く含まれています。他の緑黄色野菜と比較しても高い栄養価をもち、健康効果も期待されている野菜です。
モロヘイヤのカロリーと栄養素
生のモロヘイヤ100gあたりのカロリーは38kcalで、栄養素は他の緑黄色野菜と比較して高いと言われています。
生のモロヘイヤ100gあたりに、カリウムが530mg、カルシウムが260mg、β-カロテンが10,000μg、ビタミンB2が0.42mg、ビタミンKが640μgなど、健康に良いとされる多くの栄養素を含んでいます。
・カリウム
・カルシウム
・β-カロテン
・ビタミンB2
・ビタミンK
モロヘイヤの栄養素1:カリウム
カリウムは、ナトリウムを体外へ排泄する働きがあり、生命を維持する上で欠かすことのできない栄養素です。
近年の食生活の変化やナトリウムの過剰摂取などにより、カリウムの摂取は重要視されています。ナトリウムとカリウムが体内でバランスを保つことで、高血圧やむくみを予防・改善したり、筋肉を正常に保つ効能があると言われています。
モロヘイヤの栄養素2:カルシウム
カルシウムは、骨や歯の構成成分で、健康な体づくりには欠かせない栄養素です。カルシウムを十分に摂取すると、骨粗しょう症や認知症の予防、精神を安定させるなどの効能が期待できます。
特に発育期の子ども、妊婦、高齢者は、カルシウム不足により骨の発育障害や成長不良、骨折をしやすくなるなどの症状を引き起こすこともあるので、積極的に摂取していきたい栄養素と言えるでしょう。
モロヘイヤの栄養素3:β-カロテン
β-カロテンは、色鮮やかな緑黄色野菜などに多く含まれ、人体の免疫機能を正常に維持するために必要不可欠な栄養素です。 β-カロテンは、強い抗酸化力をもっているため、ガンを予防する効能があるとされています。
また、体内では必要量に応じてビタミンAに変換されることで、目や皮膚の粘膜を健康に保って美肌効果も期待できると言われています。
モロヘイヤの栄養素4:ビタミンB2
ビタミンB2は、体の代謝や細胞の再生を促し、体の健康や成長には欠かせない栄養素です。発育を促進する役割を果たすことから、発育のビタミンとも呼ばれています。
健康な皮膚や粘膜を維持し、口角炎、口内炎、舌炎などを防ぐ効能があるとされています。
また、体内でエネルギーを生み出すたんぱく質、脂質、糖質からエネルギーをつくり出すのに関わり、新陳代謝を促します。
モロヘイヤの栄養素5:ビタミンK
ビタミンKは、骨の健康を保つ働きのある栄養素です。血液を凝固させ止血する効能があることから、止血のビタミンとも呼ばれています。
また、骨にカルシウムが沈着するのを助け、骨からのカルシウムの流出を防ぐ働きもあるため、骨の健康のためにも欠かせない栄養素と言えるでしょう。
モロヘイヤはダイエットに効果がある?
モロヘイヤを食事の最初にとることで、脂肪がつきにくい体質にするダイエット効果を期待できます。モロヘイヤの独特なヌメリには、水溶性食物繊維が多く含まれています。糖質の吸収を抑えて血糖値の上昇を抑え、コレステロールを排出して、腸内環境を整えます。
また、モロヘイヤに多く含まれるビタミンB群には、脂肪の燃焼を助ける働きがあります。 普段の食事の最初に食べるだけなので、ダイエットに取り入れやすいでしょう。
モロヘイヤを使ったおすすめのレシピ
モロヘイヤはあまり馴染みがないという方や、毒性について耳にした方もいるのではないでしょうか。スーパーに流通しているモロヘイヤには毒性がなく、葉も茎も食べられます。
モロヘイヤは栄養豊富で、健康な体づくりやダイエットの効果も期待できるので、普段の料理に取り入れてみてはいかがでしょうか。
ここから、モロヘイヤの素材を活かしたレシピを3つ紹介していきます。
モロヘイヤのおすすめレシピ1:モロヘイヤととろろの冷やしうどん
モロヘイヤと長芋を使った冷やしうどんは、栄養豊富でスルスルと食べられる一品料理です。
電子レンジを使って温泉卵やうどんを準備するので時短ができ、モロヘイヤと長芋のネバリは好みに合わせて調整できます。
モロヘイヤと長芋のネバネバコンビで、食欲不振なときや疲労を回復したい時におすすめのレシピです。
モロヘイヤのおすすめレシピ2:モロヘイヤのおひたし
モロヘイヤのおひたしは、葉だけではなく茎も利用することで、おいしさと栄養アップを期待できます。
茎を先に茹で、葉は後から加えてサッと茹でるのがポイントです。ヌメリがあるため、他の葉物野菜と比べて、だしや醤油の味が絡みやすくなります。
茎のシャキシャキ感と、葉のネバネバ感を同時に楽しめ、モロヘイヤの素材そのものを味わえる、シンプルな副菜としておすすめのレシピです。
モロヘイヤのおすすめレシピ3:モロヘイヤのポタージュ
モロヘイヤのポタージュは、トロミと栄養が凝縮された、少し手の込んだ料理です。玉ねぎや豆腐なども加えたり、ミキサーを使ったりすることで、濃厚な味を楽しめます。
食卓をいつもより少しオシャレに彩りたいときにおすすめのレシピです。
モロヘイヤをおいしく食べよう!
栄養豊富なモロヘイヤをよりおいしく食べるためには、良品を選び、上手に保存や調理をすることが大切です。
モロヘイヤを選ぶときは、葉先や茎の切り口が変色していない、濃い緑色のものを選びましょう。保存する場合は、新鮮なうちにサッと下茹でして冷凍することで、おいしさをキープします。葉の刻み方でヌメリを調整することもできます。
茎のシャキシャキ感と葉のネバネバ感を楽しみながら、モロヘイヤをおいしく食べましょう。
監修者ミニコラム:難病を治した緑黄色野菜の王様「モロヘイヤ」は、あの世界的美女も食べていた!
モロヘイヤは古代エジプトで栽培されていて、当時、何をしても治らなかった王様の病が、豊富な栄養素を含むモロヘイヤのスープを飲んで良くなったという逸話から「緑黄色野菜の王様」という代名詞が付くように。世界3大美女の1人、エジプトのクレオパトラも好んで食べていたと言われています。
そんなモロヘイヤ、実は生食もできるのです。ただし、鮮度が落ちるほどに硬くなるので、新鮮なうちにいただくのがポイント!尿路結石の原因となるシュウ酸も含まれますが、青じそと同じくらいとされているので、えぐみは強くなく、食べ過ぎなければ大丈夫。
気になる場合は、サッと熱湯にくぐらせる程度にして、たっぷりの栄養を減らさず食べてみてくださいね!