【管理栄養士監修】「大葉」の主な栄養素とカロリーまとめ!ダイエットに効果がある?
2020/10/16
大葉は薬味やつけ合わせのイメージが強いですが、じつは豊富な栄養素を持つ優秀な野菜です。大葉がもつ身体にうれしい効果と、それを活かしたおいしいレシピをご紹介いたします!ふだんの料理にプラスすることで、健康で美しい身体つくりを目指しましょう。
大葉の種類
大葉とは、シソ科シソ属に分類される「青じそ」の別名を指します。
芳香あおしそや、青ちりめんしそなどがあり、日本では古くから親しまれ、栽培されております。豊かな香りから、和風ハーブと呼ばれることもあります。
しそには、紅紫色の赤じそと、緑色の青じその2品種があり、一般的に赤じそのことをしそと呼び、青じそは変種とされています。青じそは、大葉とも呼ばれ、薬味として主に使われており、赤じそは薬効が高いのに対して、青じそは栄養価が高いと言われています。
大葉のカロリーと栄養素
大葉100gあたりのカロリーは、37kcalです。β-カロテンが11,000μg、ビタミンB1が0.13mg、ビタミンB2が0.34mg、ビタミンEが3.9mg、カルシウムが230mgなどの栄養素が含まれています。とくに、β-カロテンは、野菜のなかでもトップクラスの含有量となっています。
大葉の栄養素
・β-カロテン
・ビタミンB群
・ビタミンE
・カルシウム
・ぺリルアルデヒド
大葉の栄養素1:β‐カロテン
β-カロテンは、色鮮やかな緑黄色野菜などに多く含まれ、人体の免疫機能を正常に維持するために必要不可欠な栄養素です。
抗酸化作用があり、活性酸素から細胞を守ることで、がんの予防効果が期待されています。また、体内では必要に応じてビタミンAに変換されることで、肌の健康を維持して、美肌効果も期待できると言われています。
大葉の栄養素2:ビタミンB群
ビタミンB群は、タンパク質・脂質・糖質から身体を動かすエネルギーをつくり出す重要な役割があります。
ビタミンB群は、ビタミンB1やビタミンB2などが含まれる8種の水溶性ビタミンの総称です。エネルギー源となるタンパク質、脂質、糖質のみを摂取しても、ビタミンB群が不足していると代謝がスムーズに行われず、疲労や肌荒れなどの原因になると言われています。
ビタミンB群は、汗や尿などで失われやすいので、毎日積極的に摂取していく必要があります。
大葉の栄養素3:ビタミンE
ビタミンEは脂溶性ビタミンの1つです。「若返りのビタミン」とも呼ばれるほど強い抗酸化作用を持ち、紫外線などの刺激から細胞の酸化を防いで、老化防止や美肌効果が期待できます。
ほかにも、血液中のコレステロールが酸化することによりリスクが高まる動脈硬化を防ぎ、血管の健康を保つとされています。
大葉の栄養素4:カルシウム
カルシウムは、骨や歯の構成成分で、健康な体づくりには欠かせない栄養素です。
カルシウムは身体の中で1番多いミネラルとして知られており、骨や歯の形成のほか、血液中・細胞内にも分布し、筋肉の収縮、神経興奮の抑制、血液凝固作用の促進などにも関与する重要な栄養素の1つです。
そのため、不足すると骨や歯が弱くなるだけでなく、震えやイライラなどさまざまな不調をきたすとされています。
大葉の栄養素5:ペリルアルデヒド
ぺリルアルデヒドはシソ科の野菜が持つ独特な香り成分で、大葉のさわやかな風味の正体です。強い防腐作用・抗菌作用を持つため、刺身のつまや薬味として大葉を利用されています。
また胃液の分泌を促し、食欲増進・消化吸収を助け、胃腸の調子を整えてくれると言われています。
大葉はダイエットに効果ある?
大葉である青じその旬は、夏とされていますが、栽培技術の発達により一年中手に入れられる食材となりました。大葉は低カロリーでありながら、多くの栄養素を含んでいて、料理に加えることでさわやかな香りを添えてくれます。
β-カロテンによる抗酸化作用、ビタミンB群による代謝促進作用、ビタミンEによる血行促進作用などが期待できるほか、ダイエット中に不足しがちなカルシウムや食物繊維も含まれています。
また、大葉に含まれるカリウムの体内の塩分を排出する作用により、浮腫みを改善する効果があると考えられています。これらのことから、ダイエットに向いている食材と言われています。
大葉を使ったおすすめのレシピ
ダイエット中の低カロリー食は、味が単調ですぐに飽きがきてしまう人も多いのではないでしょうか。大葉に含まれる香りを上手に取り入れて、無理なく楽しみながらダイエットを続けましょう。
ここからは、ふだんの料理にプラスすることで、さわやかな香りを最大限楽しめるレシピをご紹介します。
大葉のおすすめレシピ1:ゆかりと大葉のおにぎり
短時間でパパっとつくれてさわやかな香りが食欲をそそる「ゆかりと大葉のおにぎり」は、大葉を手軽に取り入れられる片手でも食べやすいおすすめレシピです。
防腐作用を持つ大葉を丸ごと1枚使ったおにぎりは、大葉の栄養がそのまま摂れて、お弁当にもピッタリです。
大葉のおすすめレシピ2:すり鉢いらず!リピ必須の『冷や汁』
アジの脂とさわやかな大葉の相性がとてもよく、大葉はこまかく刻むことでよりいっそう香り高く食べられます。すり鉢いらずで簡単にできるおいしい冷や汁は、暑い夏にはもちろん日々の食卓に取り入れて欲しい逸品です。
味噌を焼くひと手間を加えることで香ばしさが加わり、よりおいしさを引き立ててくれます。
大葉のおすすめレシピ3:豚肉と大葉のくるくる巻き
見た目もかわいらしくお弁当にもおすすめです。塩とこしょうのシンプルな味つけが、大葉のさわやかな香りを引き立てます。赤身肉か脂身つきの肉かによって、仕上がりの濃厚さを変えることができ、肉の部位によっても味わいの違いを楽しむことができます。
お好みでワサビや柚子胡椒、梅ペーストをつけて食べることで、さまざまな味のバリエーションが楽しめ、おつまみにもよいでしょう。
大葉をおいしく食べよう!
このような料理を参考にして、おいしく食べて健康的な身体づくりをしましょう。
大葉には、ふだんの食事にも不足しがちな栄養素が含まれているので、ダイエット目的でなくても、薬味やつけ合わせにしたり、メイン料理や副菜に加えてみるなど、毎日の食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。
監修者ミニコラム:大葉だけじゃない⁉長く楽しめる青じその楽しみ方
青じそは、葉以外も味わう食べ方があることから、それらと区別するために、大きくなった葉を「大葉」と呼ぶように。
夏を過ぎると穂が長く伸びてつぼみが膨らみ、花が3割ほど開いたものを「花穂じそ」として収穫し、刺身のつまや料理のあしらいに。
さらに、花が落ちて実が未熟なうちに収穫したものは「穂じそ」として、同じく刺身のつまにしたり、天ぷらに利用されることも。
他にも、成熟した実は「しその実」として、料理の香り付け、塩漬けや佃煮などの加工品にしたり、若い芽を「芽じそ」として刺身のつまや薬味に利用するなど、余すことなく青じそは生かされているのです。
ぜひ、添えられているこれらの青じそも、丁寧に味わってみてくださいね!