【管理栄養士監修】「銀杏」の主な栄養素とカロリーまとめ!おすすめの調理方法は?
2020/10/18
銀杏は秋の味覚として知られ、ほろ苦い風味と独特な香りが好きなかたも多いのではないでしょうか。この記事では、銀杏に含まれる主な栄養素と美味しく食べられるレシピをご紹介します。銀杏のおいしい食べ方を知って、日々の食卓に取り入れてみてはいかがでしょうか。
銀杏の種類
銀杏は、秋の味覚として知られており、ほろ苦い風味と独特な香りが特徴です。食用を目的とした種類は、「金兵衛」、「久寿(久治)」、「藤九郎」、「栄神」などがあります。
銀杏といえば、黄色いものをイメージする方が多いのではないでしょうか。しかし、新鮮な銀杏は9月下旬から10月上旬に出回り、緑色をしています。黄色い銀杏との違いは、鮮度や時期によるものだといえます。
銀杏のカロリーと栄養素
100gあたりのカロリーは、生の銀杏が171kcal、ゆでた状態では174kcalです。
私たちが銀杏として食べているのは、イチョウの木の実ではなく種の中の胚乳に該当する部分です。そのため、銀杏は種実類に分類されていて、さまざまな栄養素を含んでいます。
生の銀杏100gに含まれる栄養素は、ビタミンCが23mg、カリウムが710mg、鉄が1.0mg、マグネシウムが48mg、β-カロテン当量が290μgです。
銀杏の栄養素
・ビタミンC
・カリウム
・鉄
・マグネシウム
・β-カロテン
銀杏の栄養素1:ビタミンC
ビタミンCは、果物や野菜、いも類に多く含まれる栄養素で、肌環境を整えてくれるといわれています。
ビタミンCは、骨、関節、皮膚などの細胞と細胞をつなぐコラーゲンの生成を補助したり、シミやそばかすの原因となるメラニン色素の過剰生成を抑制するなどの働きがあります。
また、ビタミンCには抗酸化作用もあり、活性酸素の働きを抑えて、身体を若々しく保つ効果が期待できます。ビタミンCは水溶性なので身体から失われやすく、ストレスや喫煙によって消費量が増えるので、毎日積極的に摂るようにしましょう。
銀杏の栄養素2:カリウム
カリウムは、さまざまな食品に含まれる栄養素で、過剰に摂取したナトリウムを体外へ排泄する成分です。
ナトリウムとカリウムをバランスよく摂ることで、高血圧やむくみを予防・改善したり、筋肉の働きを正常に保つ働きがあるといわれています。
また、カリウムはカルシウムを骨に蓄積する効果を高めてくれるともいわれているため、骨粗しょう症の予防効果も期待できます。
銀杏の栄養素3:鉄
鉄は、赤血球に含まれるヘモグロビンの材料となり、全身の細胞へ酸素を運ぶ働きがあります。不足すると、貧血になる可能性があるでしょう。
月経、妊娠、授乳の有無に応じて、男性よりも女性の方が推奨量が多くなるため、とくに女性は鉄分を積極的にとることが理想的だといわれています。吸収率を高めてくれるビタミンCやタンパク質をいっしょに摂ると効果的です。
銀杏の栄養素4:マグネシウム
マグネシウムはミネラル成分のひとつで、骨や歯の健康維持や細胞のカリウム濃度を調節する働きがある栄養素です。
生活習慣病などの際に、細胞内のマグネシウムの低下が見られるほか、摂取量が不足すると骨粗しょう症などのリスクも高まるといわれています。
ビタミンDをいっしょに摂ることで吸収率を高めることができ、カルシウム:マグネシウム=2:1のバランスで摂ると、血管や心臓などの正常な働きを保つ効果が期待できます。
銀杏の栄養素5:β-カロテン
銀杏に含まれるβ-カロテンは緑黄色野菜などに多く含まれ、人体の免疫機能を正常に維持するために必要不可欠な栄養素です。
β-カロテンは抗酸化作用があり、活性酸素から細胞を守ることで、がんの予防効果が期待されています。また、体内では必要に応じてビタミンAに変換されるため、肌の健康を維持して美肌効果も期待できるといわれています。
β-カロテンの吸収をよくするためには、加熱したり、油を使った調理が適しているでしょう。
銀杏はダイエットに効果がある?
銀杏は小さいながらもさまざまな栄養素を含む種実類で、むくみ解消が期待できるカリウムが含まれています。
ただし、銀杏を食べすぎてしまうと、銀杏に含まれているビタミンB6に似た成分によってビタミンB6の働きが阻害され、嘔吐や下痢、呼吸困難やけいれんなど、ビタミンB6欠乏症の症状を引き起こす恐れがあるといわれています。
銀杏にはダイエット効果が期待できる栄養素が含まれていますが、大量摂取は体調不良を招くリスクがあるため、秋の味覚として楽しむのが適しているでしょう。
銀杏を使ったおすすめのレシピ
銀杏の調理は、殻を割るのが億劫だというイメージを持つかたも多いのではないでしょうか。殻をむいた銀杏も販売されていますが、殻つきのものより値段が高く、保存期間が短いため日持ちは期待できません。
ご家庭で殻つきの銀杏を調理するときは、ペンチやトンカチで殻を割るのがおすすめです。焼いたり揚げたりする料理以外は、薄皮をむきましょう。
ここでは、銀杏を使ったレシピを3つ紹介します。
銀杏のおすすめレシピ1:焼きギンナン
焼きギンナンは、ほくほくとした銀杏そのものの香りや、食感を楽しめる料理です。
このレシピでは、殻を割ったあとに薄皮をむく必要がなく、そのまま焼き上げます。手軽につくれて、おつまみにもおすすめの一品です。
銀杏のおすすめレシピ2:銀杏ご飯(炊き込みご飯)
銀杏ご飯は、昆布やかつおといった出汁を使わず、シンプルに塩と料理酒だけでつくるため、銀杏の旨みを味わえます。
銀杏をメインの料理として楽しみたいときにおすすめの一品です。
銀杏のおすすめレシピ3:手作りがんもどき
がんもどきは、がんもや飛龍頭(ひりょうず)ともいわれます。がんもどきを手作りするときに、銀杏を入れると本格的な味わいになるでしょう。
また、銀杏に含まれるβ-カロテンは、油を使った調理方法によって吸収しやすくなる栄養素です。油で揚げるがんもどきは、β-カロテンの摂取に適しているといえるでしょう。
揚げたてのがんもどきを、ショウガ醤油につけて食べるのがおすすめです。
銀杏をおいしく食べよう!
銀杏はさまざまな栄養素を含む食品で、シンプルな味つけで楽しめる秋の味覚です。ただし、食べすぎると体調不良を招く恐れがあるため、大量に摂取するのは控えましょう。
殻つきの銀杏は、家庭で調理するには下ごしらえが必要ですが、殻のない銀杏に比べて安価で日持ちもします。独特な香りとほくほくとした食感を楽しみながら、銀杏をおいしく食べましょう。
監修者ミニコラム:「銀杏」を食べるなら年の数まで?安全に美味しく楽しむための目安は?
独特の歯ごたえと風味が堪らなくて、銀杏のシーズンを楽しみにしている人もいるのでは?ついつい手が伸びてたくさん食べたくなりますが、子供も大人も食べ過ぎによる「中毒」には注意しましょう!
過去のデータでは、
・小児:7個
・大人:40個
が中毒発生の最小個数だったとされています。普段からビタミンB6を含めて、栄養が十分に摂れているかといったことも関わってきますので、あくまで1日の目安として食べる数をこれ未満にするようにしましょう。
また、中毒にならなくても、鼻血が出たり消化不良になることもあるとか……たくさん手に入ったときは、殻を割って茹でながら薄皮を剥いておけば冷凍保存も可能ですので、少しずつ楽しんでくださいね!