木の背景にイチョウの実の画像

「銀杏(ぎんなん)」は食べすぎると中毒になる可能性も。知っておきたい銀杏のメリット&デメリット

2023/10/22

銀杏(ぎんなん)の食べすぎはカラダによくない……とはよく聞く話ですが、なぜ悪いのか理由をご存知でしょうか?

銀杏に含まれる成分には、役立つ作用を多く持つ反面、とり方を間違えてしまうと体調をくずす危険性もあるのだとか!

管理栄養士と食生活アドバイザーの資格を持つライターのゆかりさんに、銀杏の食べ方によって体にどのような悪影響が及ぶのかと、1日に食べてもいい量の目安について紹介してもらいます。

管理栄養士、食生活アドバイザー。一女のママで出張料理、料理教室、講演、栄養相談も手掛けるほか、ライターとして...

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健康増進や疲労回復に!銀杏を食べる「メリット」

銀杏とは、いちょうの木の実のことを指しますが、食用となるのは皮や種子の殻を取り除いた胚乳の部分です。ムニムニとしたやわらかい歯ごたえがあり、特有の風味やわずかな苦味を含むという特徴があります。

栄養学では種実類に分けられますが、アーモンドやくるみなどのナッツ類ほど脂質は含んでおらず、100gあたりのエネルギーは170kcalにも満たないほど低カロリーです。

銀杏にはビタミンE、銅、ビタミンB1、カリウムなどが比較的多く、種実類の中では一番豊富にβ-カロテンを含んでいます。

これらの栄養素のおもな働きは、つぎのとおりです。

・非常に強い抗酸化作用で細胞を守り、老化予防に役立つ
・体内酵素の材料となって、貧血や動脈硬化などを防ぐ
・糖をエネルギーに変換させ、疲労を回復させる
・心臓や筋肉の機能を調節したり、血圧を下げる
・目、皮膚、粘膜の健康を維持して免疫力を向上させる

このように、銀杏を上手に取り入れることで、健康維持や生活習慣病の予防に役立つことが期待できます。

中毒によるけいれんや重症化も?銀杏を食べすぎる「デメリット」

心の痛みを持つ若い女性
metamorworks/gettyimages

多くのメリットが得られる銀杏ですが、過剰に摂取すると生活習慣によっては思わぬデメリットが生じることもあります……。

中毒になる

銀杏には、メチルピリドキシン(メトキシピリドキシン)という成分が含まれています。

この成分は体内での神経伝達物質をつくるビタミンB6の働きを抑え、脳を異常な興奮状態にして、嘔吐、下痢、めまい、けいれん、呼吸困難などの症状を引き起こすことがわかっています。

⽇本中毒情報センターの報告によると、中毒症状を起こす方の7割近くを5歳以下の子どもが占めており、年齢が下がるほど発症しやすくなっています。そのため、小さな子どもは銀杏を食べないように呼びかけられているのです。

なお、大人であっても、日常的に偏⾷があったり飲酒などでビタミンB6が不足した状態にあったりする人ほど、中毒を起こしやすいといわれています。それ以外の人であっても、⼤量に⾷べることで中毒を起こす可能性があるため、食べる量には十分に注意しましょう。

銀杏を楽しむ量とおすすめの食べ方は?

銀の子の塩雲
Promo_Link/gettyimages

上記のとおり、銀杏に含まれる栄養素にはメリットとデメリットの両方があります。

そこでここからは、銀杏を楽しむ量とおすすめの食べ方について解説していきます。

健康な成人は1日にどれくらい食べても大丈夫?

銀杏の中毒になる危険な量については、明確な基準があるわけではありません。先述したとおり、子どもほど中毒になりやすい傾向があり、偏食や飲酒習慣がある人の場合にはビタミンB6が不足していて中毒症状が現れやすくなったりすることが考えられます。

記録によれば、子どもでは7粒、大人では40粒で発症したこともあるのだとか。銀杏を食べるときは、年齢や体調を考慮して食べすぎないよう注意しましょう。

どんな食べ方をするのがいい?

銀杏による中毒を防ぐためには、銀杏と一緒にビタミンB6を多く含む食品をとることがおすすめです。

実際に、中毒になった際にはビタミンB6を体に補給することで症状を改善させることができることからも、食事で多めにとっておくことで中毒のリスクを軽減してくれることが期待できると考えられるのです。

ビタミンB6が多く含まれる食品には、
・野菜類(ブロッコリー、パプリカ、モロヘイヤなど)
・精製されていない穀類(米ぬか、小麦胚芽、玄米など)
・魚類(まぐろ、かつお、さば、さけなど)
・種実類(ピスタチオ、ひまわりの種、ごまなど)
などがあります。

銀杏を食べる際は、これらの食品を使った料理も一緒に食べるようにすることで、ビタミンB6以外の栄養バランスも整えやすくなり、健康的に銀杏を楽しむことができるでしょう。

安全な量や食べ方さえ把握できていれば、銀杏はメリットが多い食品です。銀杏のメリット・デメッリトを理解し、上手にとり入れてみてくださいね。

■執筆/監修・・・

管理栄養士・ゆかりさん

管理栄養士、食生活アドバイザー。一女のママで出張料理、料理教室、講演、栄養相談も手掛けるほか、ライターとしても活動。

参考サイト

 
 

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