【管理栄養士監修】賞味期限切れの「カレールー」はいつまで大丈夫?正しい保存方法は?
2020/07/23
カレールーは水分が少なく、加熱殺菌されて密閉容器に入って売られています。そのため、賞味期限が長く日持ちする食品として有名です。今回は、賞味期限切れのカレールーはどこまで大丈夫なのかと、傷んだカレールーの状態や正しい保存方法についても紹介していきます。
カレールーは賞味期限がすぎても食べられる?
カレールーは、製造の段階で十分な加熱殺菌がされています。しかも、水分をできる限り飛ばしてから密閉容器に入れられているので、とても衛生的です。加えて、微生物やカビなどの繁殖が極力起こらないような処置が施されているため、未開封であれば安全な状態が長期間キープできると考えられます。
賞味期限と消費期限の違い
ここで、賞味期限と消費期限の違いについてまとめます。賞味期限とは、未開封で保存方法をしっかり守って保存した場合に、記載されている年月日、または年月まで「おいしく食べられる」期限のことです。
賞味期限はスナック菓子・インスタントラーメン・缶詰など、製造・加工されてから、おおむね6日以上期限のある傷みにくい食品に記載されています。またこの期限をすぎても、すぐに食べられなくなるわけではありません。
消費期限とは、賞味期限と同じように保存していた場合、記載されている「年月日」まで「安全に食べられる」期限になります。お弁当・サンドイッチ・生菓子など、製造・加工されてから、おおむね5日以内の傷みやすい食品に記載されています。
もちろん賞味・消費期限とともに、開封してしまうことで、食品の保存状態が変化してしまうため、表示されている期限に関わらず、できるだけ早めに消費するようにご注意ください。
【保存方法別】カレールーの賞味期限は?
市販のカレールーの賞味期限は1年以上あります。カレールーは消費者の手元へ届くまでに、加熱殺菌と徹底した品質管理が行われています。そのため、常温保存ができます。
またカレールーに含まれているカレーパウダーは、微生物やカビの繁殖を防ぐ作用や油脂の酸化防止にも役立っています。
未開封のカレールーの賞味期限
前述したとおり未開封の状態で正しい保存状態にあるカレールーの賞味期限は、1年以上あります。商品や種類によって賞味期限は違いますが、水分が少なく密閉された状態で売られているカレールーは、日持ちする食品なのです。
しかし温度の高い部屋に放置しておくと、表面が溶けて形が変形する可能性が高くなります。ふたたび固まると黄色っぽく変化することもあります。この状態が長く続くと、カレールー本来の風味が損なわれてしまいます。
開封済みのカレールーの賞味期限
開封後のカレールーの賞味期限は、保存状態にもよりますが約3カ月と考えられます。開封したカレールーは密閉状態ではなくなり、微生物やカビが繁殖したり油脂が酸化する可能性が高いため、冷蔵庫での保存が基本です。
冷蔵庫に入れるとカレールーの表面が白くなる場合があります。これは、カレールーの中の油脂が冷蔵庫で冷やされて固まるからです。カレールーを溶かせばなくなるので、食べても健康に問題はないでしょう。
賞味期限がすぎて傷んだカレールーの特徴
賞味期限がすぎて傷んでしまったカレールーにはいくつかの特徴があります。以下の特徴をしっかりチェックして、賞味期限が切れたカレールーを食べる際には十分に注意しましょう。
特徴1:酸化する
カレールーに含まれる油脂成分が空気にふれて酸化が進むと、油臭くなりカレーパウダーの香りがしなくなっていきます。
【日数別】賞味期限切れのカレールーはいつまで食べられる?
賞味期限切れのカレールーはいつまで食べられるのかを、日数別に検証していきましょう。カレールーは水分が極端に少なく、加熱殺菌され、あらかじめカビや微生物などの繁殖を抑えた方法で製造して販売されています。
未開封で適切な保存が行われていた場合、ある程度は賞味期限をすぎても、口にして大丈夫だといわれています。それでは、賞味期限が切れたカレールーがいつまで食べられるのかを詳しく見ていきましょう。
賞味期限が1カ月すぎたカレールー
賞味期限を1カ月すぎたカレールーは、保存状態が良い場合に限り、食べられると考えてください。賞味期限はおいしく食べることができる期限であり、食べられなくなる期限を示した消費期限とは違います。
カレールーのように水分が少なく加熱処理がしてあり、密閉容器に入れられて衛生的に管理されている加工食品は、賞味期限が切れてから1カ月程度であれば一般的には口にしても大丈夫でしょう。
賞味期限が半年すぎたカレールー
カレールーはもともと保存がきく食品です。そのため、賞味期限切れから半年後のカレールーはまだぎりぎり食べられる範囲と考えられます。ただし、未開封で正しい方法で保存されていたカレールーに限ります。味や臭いをよく確認してから利用してください。
賞味期限が1年以上すぎたカレールー
賞味期限から1年以上が経過したカレールーは、保存状態がよければ食べられるかもしれませんが、基本的にはおすすめできません。
カレールーの正しい保存方法
カレールーは未開封で賞味期限内のものは常温で保存できます。気をつけたいのは高温になる場所です。カレールーの油脂が溶け出し変形するからです。
フレーク状態のカレールーは溶けて塊になることがあります。カレールーが溶けたり表面が黄味がかったり白っぽくなっても品質には問題ありません。
しかしそのまま放置しておくと、風味が劣化したり油脂が酸化し始めるので、高温になる場所にはカレールーを絶対に置かないようにしましょう。
冷蔵庫で保存する
開封後のカレールーは必ず冷蔵庫へ入れてください。カレールーは開封したら、ほかの食品への臭い移りを防ぐためにも、密閉できる容器や保存袋へ移し替え、冷蔵庫で保存しましょう。
冷凍庫で開封済みのカレールーを保存できるのは、約3カ月間といわれています。
賞味期限切れのカレールーには要注意!無理して食べないようにしよう!
カレールーは賞味期限が切れても食べられる可能性が高いといわれていますが、暑くなる場所に長期間放置しておくと劣化を起こしやすいので、保存場所に気をつけて賞味期限を守って食べ切るように心がけてください。
最近は温暖化で、予測もできない気温に日本は見舞われています。カレールーは常温保存ができますが、状況次第で冷暗所や冷蔵庫へ移動させる工夫も必要です。
カレールーも傷むことがあります。賞味期限を守り、古いカレールーを無理に使うことはやめましょう。