【管理栄養士監修】「バジル」の主な栄養素とカロリーまとめ!おすすめな調理方法は?
2020/12/11
バジルに含まれる栄養素についてご存知でしょうか。バジルは、種類もたくさん増えて、近年スーパーなどで手軽に入手しやすくなってきました。また、自家栽培も簡単で、甘みのあるさわやかな香りを持つハーブでもあります。毎日の定番メニューに、バジルを取り入れたレシピを活用してみませんか。
バジルの種類
バジルは、インドや熱帯アジアを原産とするシソ科の植物です。
バジルと言えば、イタリア料理に使われるスイートバジルがポピュラーでしたが、日本で食べられるバジルの種類は増えています。
ホーリーバジル、レモンバジル、ダークオパールバジル、ブッシュバジル、アフリカンブルーバジルなど、香りや見た目もさまざまで、エスニック料理によく使われたり、観賞用やポプリなどに利用されるものもあります。
バジルのカロリーと栄養素
バジルのカロリーは、100gあたり24kcalと低めのカロリーですが、いくつかの栄養素を含んでいます。
バジル100gあたりに、β-カロテンが6,300μg、ビタミンEが3.5mg、ビタミンKが440μg、カリウムが420mg、カルシウムが240mgとなっています。
バジルの栄養素
・β-カロテン
・ビタミンE
・ビタミンK
・カリウム
・カルシウム
バジルの栄養素1:β-カロテン
β-カロテンは、色鮮やかな緑黄色野菜などに多く含まれ、人体の免疫機能を正常に維持するために必要不可欠な栄養素です。
β-カロテンは、抗酸化作用があり、活性酸素から細胞を守ることで、がんの予防効果が期待されています。また、体内では必要に応じてビタミンAに変換されることで、肌の健康を維持して、美肌効果も期待できると言われています。
バジルの栄養素2:ビタミンE
ビタミンEは、脂溶性ビタミンのひとつで、抗酸化作用があります。体内の脂質の酸化を防ぐ働きのほか、細胞膜の酸化による老化や、血中LDLコレステロールの酸化による動脈硬化を予防する効果もを期待することができます。
ビタミンEは脂溶性ビタミンで、強力な抗酸化作用により「若返りビタミン」とも呼ばれています。
バジルの栄養素3:ビタミンK
ビタミンKは、脂溶性のビタミンで、血液凝固因子を活性化する働きや、カルシウムが骨に着きやすくする働きがあります。そして、ビタミンKは、緑葉野菜、鶏卵、肉類、乳製品、納豆などの食品に多く含まれます。
丈夫な骨づくりには欠かせない栄養素で、カルシウムを骨に沈着させて骨の形成を促す作用があり、骨粗しょう症の治療薬としても使われています。さらに、動脈の石灰化を抑制する作用も期待されています。
バジルの栄養素4:カリウム
カリウムはミネラルの1つで、ナトリウムとともに細胞の浸透圧を維持したり、神経刺激の伝達、心臓機能や筋肉機能の調節などの働きがあります。余分なナトリウムを体外へ排出することで、血圧の調整にも関わっています。
そのほかにも、カリウムはカルシウムを骨に蓄積する効果を高めてくれるとも言われているため、骨粗しょう症の予防効果にも期待できます。
バジルの栄養素5:カルシウム
カルシウムは骨や歯などの主な構成成分となるミネラルの1つで、骨量の維持に必要です。健康な骨と歯をつくり、血液の凝固や心機能、筋肉の収縮等に関わる働きをします。
成長期の子ども、妊婦、高齢者は、カルシウム不足により骨の発育障害や成長不良などを引き起こすこともあるので、積極的に摂取していきたい栄養素と言えるでしょう。
バジルはダイエットに効果がある?
バジルは不溶性食物繊維を100g中に3.1g含んでいます。不溶性食物繊維は、水に溶けず、水分を吸収し膨張し、腸を刺激して便の排泄を促進します。また、バジルには不足しやすい栄養素であるカルシウムや鉄が含まれ、ダイエット中の栄養バランスを整えるのに役立ちます。
これらのことから、ダイエット中にバジルをとり入れることをおすすめします。
バジルを使ったおすすめのレシピ
日本の気候では、夏から秋にかけてがバジルの旬ですが、ハウス栽培されているので年間を通して手に入りやすくなっています。
私たちに必要な栄養素を豊富に含んでいるバジルを、日常の食事に取り入れられるよう、レシピをいくつかご紹介します。
バジルのおすすめレシピ1:フレッシュバジルのグラニテ
グラニテとは、フランス料理のコースの途中で口直しとして提供される氷菓子のことです。冷たくて、シャリシャリとして、シャーベットやソルベよりもかき氷に近い食感です。
冷凍庫で凍らせて完成させるものなので、少し多めにつくっても保存ができます。また、ワインやカクテル、炭酸水に加えていただくのもおすすめで、香りといっしょにおいしくいただけます。
バジルのおすすめレシピ2:バジルトースト
バジルトーストは手軽につくれて、軽食やお酒のおつまみにも、おすすめです。
レシピで使った乾燥バジル以外にも、フレッシュバジル、市販のバジルペーストなどがありますので、どれを選ぶかによって、風味などの違いを楽しむこともできます。いろいろ試して、お好みの風味を見つけてください。
バジルのおすすめレシピ3:バジルオムレツ
オムレツにバジルを入れることで、さわやかな香りが楽しめる少し変わったオムレツに仕上がります。バジルは、トマトやチーズ、ハムなどとの相性がいいので、オムレツにいっしょに入れることもおすすめです。
ポイントは、バジルの香りが消えないように、火を通しすぎないことです。
バジルをおいしく食べよう!
バジルは香りづけや彩りだけではなく、栄養面でも優れた食材です。おいしいだけでなく、健康や美に関しても魅力的な要素があり、日常に取り入れたい食材でしょう。バジルを使うことで、豊富な栄養素がとれるだけでなく、食べなれた料理をワンランクアップした仕上がりに変えてくれます。
バジルを上手に使って健康的な生活を送りましょう。
監修者ミニコラム:バジルは薬草としても使われていた!香りに秘められた数々の効果とは?
インドでは5,000年以上も前から、アーユルヴェーダなどの伝統医療で薬草としてバジルが重宝されてきたそうです。種類によって香り成分の比率などが変わるのですが、それぞれの香りに身体への効果があることも知られています。
・エストラゴール(メチルカビコール)
・リナロール
・シネオール
・オイゲノール
これらには、鎮静・強壮効果があり、気持ちをリラックスさせたり、前向きにさせてくれるのだとか。ほかにも、抗菌・抗ウィルス効果、消化促進、月経を整える通経作用なども期待できるようです。ただし、妊婦さんはアロマなどの高濃度は要注意!
食べるときに香りを堪能するのはもちろん、ハーブティーや芳香剤として香りを生活に取り入れてみるのもおすすめです。