【管理栄養士監修】「オレンジ」の主な栄養素とカロリーまとめ!おすすめな調理方法は?
2020/12/12
オレンジは一年中手に入る身近なフルーツで、果汁が多く甘みもあるため、よく食べる人も多いのではないでしょうか。たくさんの栄養素が含まれていて、美容や健康にも効果を発揮する食材といわれています。ここでは、オレンジに含まれる主な栄養素や簡単につくれるアレンジレシピなどをご紹介します。
オレンジの種類
オレンジは、インドのアッサム地方に生えていた野生のミカンがもととなり、品種改良を重ねてできたとされています。その過程でできた主な種類に、「バレンシア」と「ネーブル」があります。
おへそ(丸いへこみ)があるのがネーブル、ないのがバレンシアです。国内だと広島や和歌山、静岡などで生産されており、ネーブルは冬、バレンシアは夏に収穫されます。
この収穫時期の違いに加えて、アメリカ、オーストラリアなど多くの国から輸入されているため、一年中手に入りやすいフルーツです。そのまま食べるほか、ジャムやソース、ジュースにするなど、さまざまな食べ方があるため、身近なフルーツの1つとなっています。
オレンジのカロリーと栄養素
オレンジ100gあたりのエネルギーは、ネーブルが46kcal、バレンシアが39kcalです。
オレンジにはビタミンCをはじめ、さまざまなミネラルやビタミン類が含まれており、生活習慣病の予防やストレスの緩和、風邪の予防、美肌など、さまざまな効果があるとされています。
オレンジの栄養素
・カリウム
・葉酸
・ビタミンC
・パントテン酸
・カルシウム
オレンジの栄養素1:カリウム
カリウムは、過剰に摂取したナトリウムを体外へ排泄する成分で、生命を維持するうえで欠かすことのできない栄養素です。ナトリウムとカリウムをバランスよくとることで、高血圧やむくみを予防・改善したり、筋肉の働きを正常に保つ働きがあるといわれています。
また、カリウムはカルシウムを骨に蓄積する効果を高めてくれるともいわれているため、骨粗しょう症の予防効果も期待できます。
オレンジの栄養素2:葉酸
葉酸は、タンパク質や細胞をつくるのに必要な核酸を合成する栄養素です。血液をつくる造血作用があり、赤血球の細胞形成を助ける役割があります。
また葉酸は、体内での細胞の分裂や成長に影響し、とくに妊娠を望んでいる人や妊娠・授乳中の人に必要な栄養素です。貧血や動脈硬化の予防効果があるともいわれています。
オレンジの栄養素3:ビタミンC
ビタミンCはコラーゲンの生成を補助したり、メラニン色素の過剰生成を抑制するなどの肌環境を整えてくれるといわれている栄養素の1つです。抗酸化作用もあり、老化や生活習慣病などの予防に効果があります。
紫外線が強くなる時期や、日差しを浴びる機会が多い人は、積極的にとりたい栄養素です。
オレンジの栄養素4:パントテン酸
パントテン酸は、いたるところに存在する酸という意味の名前をもつビタミンの1種です。さまざまな食品に含まれているほか、腸内の細菌によってもつくられて吸収されます。
パントテン酸は、エネルギーを生成する役割を担う補酵素などの成分です。脂質や糖質の代謝に関わり、抗体やホルモンの生成、善玉コレステロールを増やす役割があるといわれています。
オレンジの栄養素5:カルシウム
カルシウムは、摂取したうちの多くが骨と歯になります。そして、残りは止血の働きをする血液凝固因子や筋肉運動、神経の働きなどに充てられ、日々の生活で不可欠な役割の栄養素です。
私たちの体の中でも、常に骨の中にカルシウムは蓄えられており、カルシウムが不足すると骨からカルシウムを放出し、体中に補うといわれています。
とくに発育期の子ども、妊婦、高齢者は、カルシウム不足により骨の発育障害や成長不良などを引き起こす可能性もあるため、積極的に摂取したい栄養素といえるでしょう。
オレンジはダイエットに効果がある?
オレンジには、むくみを解消する効果が期待できるカリウムが含まれています。また、脂肪を燃焼するときに必要なアミノ酸誘導体をつくり出すためには、ビタミンCが必要です。
効率よくダイエットしたいのであれば、適度な運動とともに、良質なタンパク質とオレンジに含まれるビタミンCをいっしょにとることをおすすめします。
ただし、食べすぎると糖質のとりすぎが体脂肪の増加に繋がる可能性もあるため、注意が必要です。
オレンジを使ったおすすめのレシピ
オレンジはカットしてそのまま生で食べてもおいしいのですが、果汁をしぼってジュースにしたり、火を通してジャムやコンポートにしたりと、さまざまな食べ方ができるのも魅力の1つです。
ここでは、オレンジを使った簡単おすすめレシピを3つご紹介します。
オレンジのおすすめレシピ1:オレンジのコンポート
コンポートとは、フルーツを砂糖水で煮詰めてつくるスイーツのことです。同じように砂糖水でフルーツを煮詰めるものにジャムがありますが、ジャムより使用する砂糖の量が少ないというところが違いです。
オレンジの皮のほろ苦さと、オレンジの甘さがおいしいコンポートです。シロップにもオレンジの香りが広がって、さっぱりと味わえます。
オレンジのおすすめレシピ2:オレンジのマリネ
オレンジに、ホワイトキュラソーをかけるだけの簡単レシピです。
調理時間は10分ほどで、手軽に調理が可能です。食後のデザートにもぴったりの一品です。
オレンジのおすすめレシピ3:オレンジミルクジュース
オレンジの果肉がアクセントの爽やかなジュースです。オレンジの酸味を、マイルドにしたいときにもおすすめです。つぶつぶ感を楽しめます。
混ぜるだけの簡単レシピで、お子さまといっしょに楽しくつくれるでしょう。
オレンジをおいしく食べよう!
オレンジは一年中手軽に食べられるフルーツで、ご紹介したようにさまざまな栄養素が含まれています。そして簡単にできるアレンジレシピもたくさんあります。
今回ご紹介した、栄養素やおすすめの食べ方の知識を活かして、より健康的にオレンジを活用した食生活を楽しみましょう。
監修者ミニコラム:ジュース向き?生食向き?オレンジは食べ方で品種を選ぶのが正解!
国内に流通するオレンジは、見た目や旬の時期が異なる「バレンシア」や「ネーブル」が主流。一般的に、オレンジジュースと聞いた場合、どちらの名前が思い浮かぶでしょうか?
果汁が多く、時間が経っても味やビタミンCが劣化しにくいという理由で「バレンシア」のほうがジュースに向いているのだとか。それに対し、「ネーブル」は生食向き。種なしが多く、酸味が弱く甘味を強く感じやすいということが理由です。
ビタミンCの多さでは「ネーブル」に1.5倍も多く含まれています。加工すると劣化しやすくても、皮を剥いてすぐ食べれば、おいしさも栄養もそのままとり入れることができますよ。
ぜひ、食べ方で使い分けたり、食べ比べをしてみてくださいね!