【管理栄養士監修】「海鼠(なまこ)」の主な栄養素とカロリーまとめ!おすすめな調理方法は?
2020/12/02
なまこは日本では生食されますが、昔から高級食材の干しなまことして中国料理の食材に使われます。中国では「海鼠」と書き、食欲のわく外見ではありませんが食べごたえある触感と低カロリー高たんぱくなので、ダイエット中の食材にもおすすめです。なまこの栄養価と食べ方について説明します。
なまこの種類
なまこは世界で約1,500種類あると言われていますが、日本近海には約200類生息し、食用とされるのはマナマコなどの約30種類と言われています。
色の違いから、赤ナマコ(アカコ)、青ナマコ(アオコ)、黒ナマコ(クロコ)に分けられています。内臓を取り除いて煮て乾燥させた干しなまこは、中華料理の食材としてフカヒレと同じく珍重されています。
なまこのカロリーと栄養素
生のなまこ100gあたりのカロリーは23kcalです。ほかにも、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、ビタミンB12などが含まれております。
また、肌や関節などの材料となるコラーゲンやコンドロイチン硫酸なども含まれています。
なまこの栄養素
・ナトリウム
・カリウム
・マグネシウム
・カルシウム
・ビタミンB12
なまこの栄養素1:ナトリウム
なまこには、ナトリウムが多く含まれています。なまこ自体にはあまり味がありませんが、独特のコリコリとした食感と潮の香りがあります。
ナトリウムは、体内の水分量の調節や、神経・筋肉を正常に動かしてくれる栄養素ですが、現在では食生活の変化から過剰摂取が問題視されています。
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、1日当たりの目標量が、成人男性7.5g未満、成人女性6.5g未満とされています。
なまこの栄養素2:カリウム
カリウムには、細胞の状態や血圧を調節しながらつねに一定したよい体の状態を維持する役割のある栄養素です。
近年の食生活の変化やナトリウムの過剰摂取などにより、カリウムの摂取は重要視されています。ナトリウムとカリウムをバランスよくとることで、高血圧やむくみを予防・改善したり、筋肉の働きを正常に保つ働きがあると言われています。
なまこの栄養素3:マグネシウム
生のなまこに含まれるマグネシウムの量は、100gあたり160mgです。
マグネシウムはミネラル成分のひとつで、骨や歯の健康維持や細胞のカリウム濃度を調節する働きで知られています。生活習慣病などの際に細胞内のマグネシウム濃度の低下が見られるほか、摂取量が不足すると骨粗しょう症などのリスクも高まると言われています。
なまこの栄養素4:カルシウム
生のなまこに含まれるカルシウムの量は、100gあたり72mgです。
カルシウムを上手に摂取すると、骨粗しょう症の予防、精神を安定させるなどの効能が期待できます。とくに発育期の子ども、妊婦、高齢者は、カルシウム不足により骨の発育障害や成長不良などを引き起こすこともあるので、積極的に摂取していきたい栄養素と言えるでしょう。
なまこの栄養素5:ビタミンB12
生のなまこに含まれるビタミンB12の量は、100gあたり2.3μgです。
ビタミン12は、赤いビタミンとも呼ばれており、神経や脳の機能を正常に保つ働きがあります。
また、ビタミンB12は正常な赤血球をつくり出す働きがあります。
なまこはダイエットに効果がある?
生のなまこは水分を多く含んでいるためカロリーが低く、タンパク質やビタミンなども含まれています。
ほかにも、ダイエット中に気になるむくみの予防や改善の効果があると言われているカリウムも含まれているため、なまこをダイエット中の食事に取り入れてみてはいかがでしょうか。
おすすめのなまこの食べ方
なまこの内臓を使った塩辛を「このわた」といい、日本三大珍味の一つとして食べられています。また、中国料理の食材として使われる干しなまこは、炒め物やスープなどによく合います。
生のなまこはスーパーで手に入り、すでに切った形で塩水につけて売られていることもあります。生のなまこは酢の物にすると、手軽に食べやすいでしょう。
ほかにも中華風の味つけで煮物にするなど、なまこを使うレシピはたくさんあります。ぜひ、好みに合ったなまこの食べ方を探してみてはいかがでしょうか。
なまこをおいしく食べよう!
中国では高級食材として珍重されているなまこは、低カロリーでさまざまな栄養素も含んでいます。そのため、ダイエットにナマコを取り入れるのもいいでしょう。
なまこの独特の香りが苦手な人も、下処理を丁寧に行うことで食べやすくなります。ぜひ、紹介した中から、なまこの食べ方を試してみてはいかがでしょうか。
監修者ミニコラム:なまこの珍味は「このわた」以外にもある!酒好き&療養中にもおすすめな珍味とは?
なまこは、身のコリコリ感を楽しむ生食が日本では昔から主流でしたが、身から外した内臓も余すことなく食されてきました。
なまこの腸を塩漬けする「このわた」と違い、卵巣だけを塩漬けにしたものは「このこ」「くちこ」、さらにそれを広げて乾燥させたものを「干しくちこ」「ばちこ」「ほしこ」などの名で呼びます。
なまこには滋養強壮効果があるとして漢方薬にも使われますが、これらの卵巣の加工品も、回復期の病人食として使われることもあったのだとか。なまこ1体からわずかしか取れないことから高価ですが、酒の肴にも最適なのだとか。
なまこの外観からは想像もつかない繊細な旨味と深い味わい、機会があればぜひ味わってみてくださいね!