【管理栄養士監修】「梨(なし)」の主な栄養素とカロリーまとめ!おすすめな調理方法は?
2021/02/17
梨(なし)は低カロリーで、体にいい栄養素が含まれており、疲労回復だけでなく、腸の活性化やダイエット効果が期待できる果物です。また、スイーツ以外のアレンジレシピもあり、飽きずにいろいろな食べ方ができるのも魅力的な果物です。
なしにはどのような種類があるのか?
なしには、大きく分けて和なし、洋なし、中国なしといった3つの種類があります。
日本で「なし」というと、和なしを指していることがほとんどです。和なしは形が丸く、シャリッとした食感と甘みが強いことが特徴です。「幸水」、「豊水」、「二十世紀」、「あきづき」などが主に知られていますが、それ以外にも多くの品種があります。
洋なしは瓶のような形をしており、収穫後に追熟が必要であることが特徴です。「ラ・フランス」、「ル・レクチェ」などの品種が有名で、芳醇な香りがあり、糖度が高くとろけるような食感があります。
中国なしは洋なしに近い形で、甘味と酸味のバランスが取れた味をしています。洋なしの香りと和なしのシャリシャリ食感をあわせ持っているのが特徴です。
なしのカロリーと栄養素
なし100g当たりのカロリーは種類によって若干異なり、和なしは43kcal、洋なしは54kcal、中国なしは47kcalです。
また、カリウムやアミノ酸の一種であるアスパラギン酸、食物繊維、クエン酸、マグネシウムなどの栄養素が含まれています。なしの種類によって含まれている成分に、大きな違いはありません。
なしの栄養素
・カリウム
・アスパラギン酸
・食物繊維
・クエン酸
・マグネシウム
なしの栄養素1:カリウム
カリウムは細胞の状態や血圧を調節しながら常に一定したよい体の状態を維持する役割のある栄養素です。体内のナトリウムの排出を促すことで、高血圧を防いだり、むくみを解消します。
また、カリウムはカルシウムを骨に蓄積する効果を高めてくれるため、骨粗しょう症の予防効果にも期待できます。
なしの栄養素2:アスパラギン酸
アスパラギン酸はアミノ酸の1種で、エネルギー生産やタンパク質の代謝を促し、解毒作用や疲労回復作用がある栄養素です。利尿作用や新陳代謝を活発にすることで、むくみの解消や美肌効果も期待できます。
また、脳の神経伝達物質としても働き、イライラの解消に役立ちます。
なしの栄養素3:食物繊維
不溶性食物繊維には、胃や腸で水分を吸収して大きくふくらみ、腸の動きを活発にする効果があり、水溶性食物繊維には、胃腸内をゆっくり移動して、空腹感を抑えて食べすぎを防いだり、糖質の吸収をゆるやかにして血糖値の上昇を抑える効果があります。
どちらの食物繊維も、腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整えてくれます。バランスよく摂ることで便秘の改善に役立ち、生活習慣病の予防にも効果が期待できます。
なしの栄養素4:クエン酸
クエン酸の持つ酸味によって、唾液や胃液の分泌を促し食欲増進効果があり、夏バテ防止などに役立ちます。
また、ビタミンB1やB2などのビタミンB群といっしょに摂ることで、エネルギー代謝の効率を高めることができると言われています。
なしの栄養素5:マグネシウム
マグネシウムはさまざまな酵素の働きをサポートして、エネルギー生産を促したり、骨や歯の形成に欠かせない栄養素でもあります。
マグネシウムには神経の興奮を抑えてイライラを緩和する効果も期待できるので、食事の際は積極的に摂取するようにしましょう。
なしはダイエットに効果がある?
なしは、100gで約50kcalと低カロリーな果物です。
また、むくみ解消の効果が期待できるカリウムやアスパラギン酸、腸の働きを整えたり食べすぎを防いでくれる食物繊維が含まれているため、ダイエットの際の間食やデザートの代わりに取り入れてみるといいでしょう。
ただし、体を冷やす性質があるため食べすぎに注意し、バランスのとれた食事と適度な運動も組み合わせることが大切です。
なしを使ったおすすめのレシピ
種類が豊富ななしは、甘くジューシーでそのまま食べてもおいしい果物です。
しかし、甘さを生かしてデザートにアレンジしたり、きゅうりなどと合わせておかずにアレンジしたりすることもできます。
ここでは、なしをさらにおいしく食べられるレシピを3つ紹介します。
なしのおすすめレシピ1:梨のシャーベット
凍らせたなしにはちみつと梅酒をかけてつくる、上品な味のシャーベットです。
家にたくさんなしがあり、食べきれなくて困っているときなどにぜひおすすめのレシピです。材料も少なく手間もかからないため、手軽に大人なデザートを楽しむことができます。
なしのおすすめレシピ2:梨と生ハムの前菜
なしと生ハムを組み合わせた、お洒落な前菜のレシピです。甘いなしと塩気のきいた生ハムの相性は抜群です。
記念日や誕生日など、ちょっと特別な日につくってみてはいかがでしょうか。
なしのおすすめレシピ3:キュウリと梨のゴマ酢和え
なしはおかずにアレンジすることもできます。
きゅうりとなしをごま酢で和えるだけで簡単にできますので、何かもう1品つくりたいけど何をつくればいいか困っているときなどに、ぜひつくってみてください。
シャキシャキとした食感がクセになります。
なしをおいしく食べよう!
そのまま食べても、デザートやおかずにアレンジしてもおいしいなしは、さまざまな栄養素が含まれており、秋を代表するおすすめの果物です。
和なしだけでなく、洋なし、中国なしなど、種類や品種も豊富にあります。多くのなしは秋に旬を迎えますが、種類によっては夏に収穫できるものや年明けまで貯蔵できるものもあり、幅広い時期に流通しています。
なしをおいしく取り入れて、健康に役立ててみてはいかがでしょうか。
※参考にしたサイト
監修者ミニコラム:なしで料理の腕が上がる?賢いなしの使い方【3選】
なしは、甘みと食感が美味しさの肝ですが、食べ頃を逃すと質が一気に落ちてしまいます。
そんな時は、料理に使うと大活躍!
「プロテアーゼ」というタンパク質分解酵素を含んでいるので、すりおろして肉や魚を漬け込めば、やわらかい食感に仕上げることができ、すりおろしてドレッシングや焼肉のたれに加えれば、タンパク質の消化・吸収を助けてくれます。
◆ 生姜焼きやローストビーフなどの焼き調理に使うときは、表面の漬けだれを拭きとって焦げ付きを抑える。
◆ ドレッシングやソースは加熱しないで使う。
◆ 冷凍保存でも効果あり。
鮮魚とも相性がいいので、ドレッシングはカルパッチョにも◎
和なしだけでなく、洋なしも同じ使い方ができますよ。